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※森派の闇政治資金関連
http://www.asyura2.com/0411/senkyo7/msg/825.html
投稿者 月読 日時 2005 年 1 月 23 日 07:53:50:ydTjEPNqYTX5.
 

(回答先: 数億円不記載の疑い 森派、議員への資金提供 (共同通信) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 1 月 23 日 04:59:32)

 森派に関するこうした事は以前から週刊誌や赤旗なんかが指摘していたわけで、マスコミは認知をしていても、黙してきたというのが、およそ実態である気がする。(この件が仮に大きくなっていったとしても橋本派闇献金事件の時と違って、マスコミの足並みが揃うことはないだろう。)NHK番組改変問題のドタバタを機に、不問に伏していたことが再び出てきたわけだが、ここのところの慌しさを見ると様々な裏があり思惑が絡み合っていそうで、これだから政治って面白い。

※ 下段の週刊ポスト記事は、WEEKLYポスト・ドットコムのほうで以前まで普通に見れたのだが、現在は何故か見ることが出来ない。URLが変更になったのかもしれないけど、google検索でもキャッシュでも見れない。一体どうなってるんだろう(笑)

  
  
2004年9月20日「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-09-20/01_01.html

―――――(引用開始)―――――――――――――――――――――――――

闇の政治資金 -1-
森派ぐるみのでたらめ収支報告――
「訂正すれば収拾つかない」
首相足元に衝撃

 「参ったよ。幹部たちは困っている」。自民党森派(清和政策研究会)関係者が深刻な顔つきで語ります。

 本紙十日付一面のスクープが小泉首相の出身派閥・森派に衝撃を与えています。

 ――清和政策研究会(会長・森喜朗前首相)が年二回、年末とお盆に「もち代」「氷代」と呼んで派内議員に配る特別手当(各二百万円)、年間一億円前後を少なくとも五年間にわたり、政治資金収支報告書に記載していない。一件五万円以上の支出先、金額を記載するよう義務づけた政治資金規正法に違反する疑いがある。
ウソと沈黙で

「真実」を誓う森派の政治資金収支報告書ですが…

 これが本紙報道のポイントでした。直後、マスコミ各社から森派に問い合わせが相次ぎました。森派は「もち代」「氷代」は出していないというウソや沈黙で対応しています。

 「もち代」「氷代」の支出は、日本歯科医師連盟(日歯連)不正事件の渦中にある旧橋本派も一九九九年まで記載していませんでした。それでも、現在では旧橋本派をふくめ他派閥が記載している「もち代」「氷代」をなぜ、森派は隠し続けるのか。

 「いま急に年間一億円もの支出を記載したら今度は収入が足りなくなる。訂正したくても訂正が訂正を呼ぶ結果になって収拾がつかないんだ」。前出の森派関係者はいいます。

 実際、清和政策研究会の二〇〇三年の収支報告書をみると「翌年への繰越額」いわゆる“貯金”は約二千万円。一億円の支出があったと訂正すれば、収入についても年一億円近くの未記載があったと訂正しなくては、つじつまが合いません。それが五年は積み重なっているのです。

 どこから闇の収入があったのか。日歯連からの一億円献金不記載で会計責任者が逮捕された旧橋本派と構図が似てきます。
収入も支出も

 問題は派閥の議員全体に波及します。

 森派が「もち代」「氷代」の対象としている衆院当選三回までと参院一回までの同派議員の資金管理団体や党支部の報告書(〇二年分)を調べたところ、該当する収入の記載はありませんでした。つまり、出す方も、もらう方も闇で処理していることになります。

 森派の若手議員がいいます。「私も困ってる。『もち代』『氷代』は、前から政治資金収支報告書に記載したいと派閥幹部にはいっていたが、ダメだというんだ」

 自民党幹事長の安倍晋三議員も森派出身で現在、当選四回。かつては、「もち代」「氷代」の対象となっていたはず。安倍氏は、いま、さかんに政治資金の「透明化」を主張しますが、自身と森派の問題はどうするのでしょう。政治資金として届け出なければ、所得申告する必要があり、それもなければ脱税という疑いさえ出てきます。

 「森派ぐるみの闇のやりとりだ。訂正するといかにいい加減に政治資金を報告しているかわかってしまう」(前出関係者)

 森派幹部、とくに歴代会長の責任はとりわけ重い。幹部が承知で隠してきた――という構図が浮かんでくるからです。現会長の森前首相、そして二〇〇〇年四月から一年間会長だった小泉首相はどう答えるのでしょうか。本紙の取材に森派は沈黙を続けたままです。

 日歯連事件でも浮かび上がった政治献金の闇。その実態を追及します。

(つづく)

―――――(引用終了)―――――――――――――――――――――――――

  
  
  
2004年9月10日「しんぶん赤旗」

―――――(引用開始)―――――――――――――――――――――――――
 
森派、年1億円支出記載せず 政治資金報告書
 
「もち代」「氷代」を5年間  小泉会長時も  規正法違反の疑い
 
 
 自民党森派の清和政策研究会(会長・森喜朗元首相)が、所属議員に配る「もち代」「氷代」の支出、年間一億円前後を少なくとも五年間にわたり、政治資金収支報告書に記載していなかったことが九日までの本紙調べでわかりました。森派は小泉首相、安倍幹事長の出身派閥。不記載は小泉首相が派閥会長時代にも続いており、政治資金規正法違反の疑いも浮上しています。
 
 
 十日付で公表された二〇〇三年政治資金収支報告書をはじめ、本紙が原本を確認した一九九九年―二〇〇三年までの五年間、清和政策研究会の報告書には、「氷代」「もち代」にあたる記載がありません。
 
 しかし、関係者によると、森派は通常年二回、お盆と年末に「氷代」「もち代」として各二百万円程度を所属議員に配っています。対象は衆院当選三回生までと、参院の一回生。総額は年間一億円前後といいます。
 
 森派議員の政治資金を担当している秘書は「毎年もらっていたのは間違いない」と証言しました。森派関係者は、支出不記載について、本紙の取材に「記載されていなかったのは事実だ」と認めたうえで、「派閥のなかで問題を指摘する声はあったが幹部が是正しなかった」と語っています。
 
 政治資金規正法では、一件あたりの金額が五万円以上の支出については支出先や金額などを明記するように規定。違反した場合は、五年以下の禁固または百万円以下の罰金となっています。
 
 「もち代」「氷代」については、現在、自民党の旧橋本派(平成研究会)、亀井派(志帥会)、堀内派(新財政研究会)などでも政治活動費の寄付・交付金として所属議員の政治団体に支出したことを記載しています。こうしたなかで、森派はいっさい記載していないのが特徴です。
 
 日本歯科医師連盟からの一億円ヤミ献金が問題になっている自民党旧橋本派も、九四年から九九年までは「もち代」「氷代」を記載せず、ウソの繰越金を収支報告書に記載し続けていました(本紙八月二十九日付)。
 
 本紙は、清和政策研究会に事実関係を指摘したうえで、コメントを求めましたが、九日までに回答がありませんでした。
 
 
清和政策研究会
 
一九九八年十二月、森喜朗元首相が三塚博元蔵相から引き継いだ派閥を清和政策研究会とし、会長に就任しました。小泉首相は二〇〇〇年四月から一年間会長で、〇一年の総裁選の際、派閥から離脱しました。細田博之官房長官なども所属しています。現在、自民党では旧橋本派につぐ議員数です。

―――――(引用終了)―――――――――――――――――――――――――

  
  
  
週刊ポスト2004年9月24日号
http://www.weeklypost.com/jp/040924jp/news/news_1.html

―――――(引用開始)―――――――――――――――――――――――――

<TWP特報/追及スクープ>
安倍晋三自民党幹事長に日歯の偽装献金発覚
地元山口県の政治団体を舞台にした“マネーロンダリング疑惑”

 安倍晋三自民党幹事長は、日本歯科医師連盟(日歯連)の巨額不正献金事件の捜査が本格化すると、党改革検証推進委員会に「政治資金の透明化」を促進する対策づくりを指示して、改革姿勢をアピールしている。まるで清廉潔白な若き幹事長が数々の政治資金スキャンダルにまみれた古い自民党の金権体質と決別するために孤軍奮闘しているような印象を与えるが、その安倍氏自身、日歯疑惑の当事者なのだ。安倍氏が地元山口県では複雑な資金ルートを張りめぐらして、政治資金の“ロンダリング(資金浄化)”を行なっている新たな疑惑をつかんだ。本誌がそれを指摘すると、唯一の資金管理団体まで雲隠れさせてしまったのである。

(1) 日歯連が200万円の選挙資金提供
(bilingual)

(2) 資金管理団体は所在地不明
(bilingual)

(3) 安倍氏と日歯の「密接な関係」
(bilingual)

  
(1)日歯連が200万円の選挙資金提供

安倍晋三・自民党幹事長の地盤はふぐの水揚げで知られる下関市を拠点に、長門市、豊浦・大津両郡にまたがる衆院山口4区である。祖父の岸信介元首相、父の安倍晋太郎氏以来の強固な後援会組織を持ち、選挙には滅法強い。政治資金の窓口も、東京には資金管理団体『晋和会』があり、地元は下関市の安倍事務所に置かれた『自民党山口県第4選挙区支部』と分かれている。
 一方の日歯連にも地方支部にあたる『山口県歯科医師連盟』(県歯連)という団体があり、本拠は県庁所在地の山口市に置かれている。これまで、日歯連から安倍氏に対する献金は99年の100万円だけとされ、これは、地元ではなく日歯連本部から東京の晋和会に寄付された。いずれも総務省登録の政治団体であり、資金の流れが辿りやすい。それに比べて、政党支部や地方の政治団体は都道府県の選管に登録されているため、山口県歯連から安倍氏の自民党支部にどんな資金が流れているかを調べるには山口県庁で膨大な政治資金収支報告書を辿らなければならない。
「所得隠しの金額が数千万円で脱税の立件基準(1億円)に達しない。議員辞職で社会的制裁を受けた」
 ついに発見した。日歯連は本部からの献金以外に、地方支部(県歯連)を通じたルートで安倍氏へと資金を還流させていたのである。
 たとえば、00年6月の総選挙直前、日歯連は700万円を山口県歯連に寄付金として出したが、全額そっくり『自民党山口県歯科医師連盟支部』に寄付された。そこからまず100万円が安倍氏の政党支部への陣中見舞いに支出され、別の100万円はその翌日に、『下関市歯科晋友会』という任意団体(安倍氏の後援組織の一つ)を回って安倍氏に陣中見舞いとして届けられた。
 重要なのは、日歯連サイドからの献金が選挙後も続いていることだ。「セミナー会費」の名目で20万円が5回、総額100万円が東京にある安倍氏の資金管理団体『晋和会』に支払われた記録がある。
 山口でそれらの団体の事務所を訪ねてさらに驚かされた。山口県歯連と自民党県歯連支部は山口市の同じビルの同じ事務所にあり、代表者も同一人物が務めていた。
 さらに前出の下関市歯科晋友会は先の2つの団体と代表者が同じで、事務所は下関市歯科医師会の中にある。安倍事務所とはわずか3キロしか離れていない。
 そうしたカラクリがわかってしまうと、現実の日歯マネーの流れは非常にシンプルで、東京の日歯連本部から山口県歯連に寄付されたカネが、まとめて安倍事務所に届けられたにすぎない。明らかな迂回献金ではないか。

  
(2)資金管理団体は所在地不明

日歯事件捜査は橋本派から自民党全体へと拡大しつつある。特捜部が次に捜査の焦点をあてているのが、まさに中央と地方の迂回献金だ。
 日歯連は00年から02年までに自民党の政治資金団体『国民政治協会』に総額12億3600万円、各都道府県の歯科医師連盟に約16億円を配っている。それらの資金がどんな政治家に流れているかの解明を急いでいる。
 日歯事件は献金を出す日歯連も受け取った政治家も、まさに秘術を尽くして政治資金の抜け道を探り出した特異な事例であり、あらゆる迂回ルートを白日の下にさらさなければ、今後、ヤミ献金に歯止めをかけることなどできなくなる。
 安倍氏の資金管理団体『晋和会』に奇妙な動きがあった。
 地元・山口の歯科医師連盟ルートから安倍氏へのセミナー会費100万円は、東京の『晋和会』に入っている。本誌がその資金の流れを確認するために政治資金収支報告書にある住所を訪ねると、すでに移転してもぬけの殻だった。
 自民党幹事長の資金管理団体が日歯捜査の渦中に“所在不明”とは尋常ではない。安倍事務所に問い合わせると、「場所は教えられない」 ――という驚くべき回答が返ってきた。安倍氏の掲げる「政治資金の透明化」は自分の事務所には適用しないらしい。

  
(3)安倍氏と日歯の「密接な関係」

安倍氏は当選2回で自民党厚生族幹部への登龍門といわれる党社会部会長に就任し、森派の若手厚生族として売り出した。
 安倍氏が日歯のために最も活躍したのは、『身体障害者福祉法』の改正問題だった。臼田氏は、それまで医師にしか認められていなかった身体障害者の認定を歯科医師にもできるように法改正することを政界工作の柱の一つに打ち出した。
 00年8月頃、日歯幹部が議員会館で安倍氏ら若手厚生族と身体障害者福祉法の改正についての話し合いをもったことが明らかになっている。
 事態がドラスティックに動いたのは1年後だ。安倍氏は官房副長官になっていた。
 01年9月、厚生労働省は従来の方針を転換し、障害保健福祉部長の通知によって歯科医師に障害者認定の診断書を書く権限を与えた。臼田前会長が小躍りせんばかりに喜んだことは日歯の内部資料『代議員会議事録』からもわかる。<医師会の先生方、それから安倍先生、根本(匠)先生が一生懸命飛んで歩いた姿を私は目の当たりに見ておりますので、心から感謝を申し上げたいと思います>
 安倍氏は本誌が最初にこの障害者認定にからむ疑惑を指摘した際、事務所を通じて、政治献金は適正に処理していると説明した。そうであるなら、今になって資金管理団体を雲隠れさせたり、献金を返したように見せかける必要はないはずだ。
 政治資金研究の第一人者、岩井奉信・日本大学教授は日歯連から安倍氏への資金の流れにこう疑問の目を向ける。
「複数の団体を経由させているのは日歯連からの直接献金では目立ちすぎるので政治資金のロンダリング(資金洗浄)を行なった疑いが強い。任意団体からの献金は、とくに不透明だ。こんな誤解を招く資金のつくり方はやめるべきです」
 本誌は安倍氏を直撃した。
「日歯連から幹事長への献金問題についてうかがいたい」
 そう質問すると、安倍氏はギョッとして表情を曇らせ、無言で首を横に振るだけで足早にマンションの中に消えた。

―――――(引用終了)―――――――――――――――――――――――――

  
  
  
週刊ポスト2004年9月17日号
http://www.weeklypost.com/jp/040917jp/news/news_1.html

―――――(引用開始)―――――――――――――――――――――――――
<TWP特報/追及スクープ> 日本歯科医師政治連盟の政治汚染 日歯「政界工作内部文書」入手
−−安倍幹事長・石原国交省の「金と役割」
−−自民党を揺るがす「疑惑の資金ルート」全相関図

 小泉内閣と自公の連立与党は9月末に予定されている内閣改造と郵政民営化の2つが重要な政治課題であるかのようにクローズアップさせている。しかし、またもや発覚した日本歯科医師政治連盟の金に物をいわせた政策誘導の疑惑が実は小泉政権崩壊の始まりになる予感が、小泉首相の足元を揺さぶっている。橋本派に対する日歯の1億円献金に東京地検特捜部が本格的なメスを入れることは、とりもなおさず国民政治協会を資金洗浄機関としつつ自民党に業界の金が流れ込んでいる構造腐敗の解明に至るのか。それとも、検察はまたもやUターンしてしまうのか。日本政治の清潔度をはかる大きな岐路に差しかかったといえるのだ。日歯の汚れた金はどこにどう流れたのか。「私に責任はない」とうそぶいた元首相。金の授受の現場にいたとされながら、「記憶がない」と醜態を見せる参議院会長と元自民党幹事長。日歯工作のお先棒を担ぎながら、「特捜部の手は届くまい」とタカをくくっている現幹事長と現大臣。自らの疑惑に昔ながらの逃げの論理を駆使する政権中枢部こそ政治腐敗の元凶である。日歯と政権、自民党との疑惑まみれの相関図を作成した。(ただし、相関図『これが自民党“日歯親衛隊”金脈・人脈ルートだ』は、サイトに掲載することは不可能なので本誌上にてごらんください)

(1)「金丸事件」を恐れる橋本元首相
(bilingual)

(2)「石原父子でお役に立ちたい」
(bilingual)

(3)献金ルートに隠された謎
(bilingual)

 
(1)「金丸事件」を恐れる橋本元首相

東京地検特捜部による日本歯科医師連盟の巨額献金事件捜査がなかなか吹き抜けるような解明に至らないのは、他ならぬ特捜部に忌まわしい2つの相反する過去があるからではないのか。
「金丸5億円事件」と加藤紘一・元自民党幹事長の政治資金流用事件である。前者は92年の東京佐川急便事件を発端に、同社から金丸信・元自民党副総裁(故人)への5億円の闇献金が発覚したものだ。特捜部は金丸氏の議員辞職とひきかえに、政治資金規正法違反の略式起訴と罰金20万円で事件を終結させた。ところが、「5億円もらって20万円の罰金ですむのか」と国民の批判が高まったことから再捜査に乗り出し、脱税容疑で逮捕した。
 もう一つの加藤事件はまだ記憶に新しい。特捜部は02年、加藤氏が政治資金数千万円を自宅家賃など生活費に流用していたという脱税容疑で捜査を進めたが、辞職したことで議員本人の立件を見送った。その時の検察の見解が不可解だった。
「所得隠しの金額が数千万円で脱税の立件基準(1億円)に達しない。議員辞職で社会的制裁を受けた」
 加藤氏は翌03年の総選挙で政界復帰を果たしている。
 特捜部は金丸事件では法の原則を貫徹したが、加藤事件ではあたかも“1億円までは脱税しても立件しない”と見まがう≪政治的判断≫をした印象を与え、政治資金疑惑捜査に後味の悪さと禍根を残した。いい換えれば、検察は墓穴を掘ったに等しい。その意味で日歯事件は検察の法理念を真正面から問うている。
 日歯献金事件では、臼田貞夫日歯前会長から橋本龍太郎元首相に1億円の小切手が渡された事実が明らかになり、特捜部は橋本派の会計責任者を政治資金規正法違反で逮捕し、橋本氏の事情聴取も秒読みと見られている。
 その先が問題なのだ。橋本氏の責任も問われるのかどうかである。当の橋本氏は「私に何か責任があるのか」と強がっているものの、同派幹部はその胸の内を見抜いた言い方をする。
「いやしくも総理大臣経験者がカネの問題で事情聴取されるような辱めを受けたら腹を切る(議員辞職)しかない。しかし、橋本さんは居直るつもりではないか。党内に辞めろという声は強くないし、なにより金丸さんが議員辞職した途端に逮捕された悪夢があるからな」
 しかし、その橋本派1億円さえ、日歯疑惑全体から見れば氷山の一角にすぎない。本誌は日歯の内部資料を入手し、それと日歯や自民党本部、同党の政治資金団体・国民政治協会の政治資金収支報告書を重ね合わせて、どんな政界工作が行なわれ、カネがどう流れたかを追跡した。そこから小泉政権中枢につながる自民党の裏金脈が初めてむき出しになったのである。
 日本歯科医師会の政治団体『日本歯科医師連盟』は臼田氏が会長に就任した00年から02年までの3年間に総額約22億円を政界にバラ撒いた。受け取った政治家は自民党を中心に120人にのぼる。
 文書には03年6月10日、日歯や日医の幹部たちが自民党厚生族のドンである橋本氏を訪ね、株式会社の病院経営反対の要望書を提出したことが写真入りで報告されていた。青木氏も野中氏も1億円授受の場に立ち合ったことについて、「記憶にない」と逃げているが、闇献金の性格は参院選対策にとどまらない。

  
(2)「石原父子でお役に立ちたい」

日歯の内部文書には石原伸晃・国土交通大臣が頻繁に登場する。臼田前会長は石原氏が初当選した当時からの有力後援者として知られ、「伸ちゃん」と呼ぶ間柄だった。しかも、石原氏は昨年9月の内閣改造で国交相に転じるまで、行政改革・規制改革担当大臣として日歯の懸案である医療規制改革の責任者の立場にあった。
『日歯連盟だより』にも、選挙の際に石原氏が臼田氏と並んで日歯候補の応援に飛び回る姿がクローズアップされている。昨年8月29日に開かれた自民党参院候補・笹井啓史氏(元厚生労働官僚)の選挙事務所開きには石原氏が青木氏とともに駆けつけ、来賓挨拶に立った。
<笹井氏とは行政官の時から一緒に医療関係の仕事をした仲間でもあり、石原父子は、知名度アップのために少しでもお役に立ちたい>(03年9月15日号)
 重大な疑惑が浮上した。昨年8月の日歯都道府県会長会議で、日歯幹部たちが、
「石原大臣らにも再三、(臼田)会長からもろもろの規制改革反対項目についてお願いしている」
「臼田会長が政治的なことを発揮され、石原大臣あるいは鴻池(祥肇・構造改革特区担当相=当時)大臣と折衝され、(厚労省のガイドラインから規制緩和についての)文言が消えた」
 ――など、企業の病院経営への参入阻止にからむ具体的な工作とその成果をうかがわせる発言をしていたことが明らかになった。それに献金疑惑が重なってくる。石原氏は00〜02年には日歯側から献金やパーティ券購入で350万円の資金提供を受けたのに加え、日歯側がいったん自民党の資金団体『国民政治協会』に献金し、自民党本部からの交付金として議員(自民党支部)に還流させる迂回献金の形で総額4000万円が渡った疑惑がもたれている。
 石原氏は国会で迂回献金疑惑を追及されると、
「私の支部に党から交付があったのは事実だが、党がどのような基準で判断して配布したか、私は知るよしもない。日歯連がいつどういう形で献金しているかも知る立場にない」(04年5月14日の衆院国土交通委員会)――と答弁した。

 
(3)献金ルートに隠された謎

 小泉政権の中枢にはもう一人、日歯の政界工作の核心を担っていた人物がいる。安倍晋三・自民党幹事長だ。
 安倍氏は自民党社会部会長を務めた森派の厚生族議員であり、石原氏や根本匠・元厚生政務次官、塩崎恭久氏の若手リーダー4人は自民党内でも≪日歯の親衛隊≫として知られている。
 日歯の安倍氏への工作には2つの理由があった。ひとつは前述の規制改革であり、官房副長官だった安倍氏に株式会社の病院経営に反対する要望書を提出するなどの働きかけをしていた。
 さらに、安倍氏には歯科医師に身体障害者の認定ができるようにする『身体障害者福祉法』改正をめぐっても協力を依頼していた。法改正は日本医師会などの反対で実現しなかったものの、01年9月、厚労省は『部長通知』で歯科医に障害者の認定権を与えた。役人の通知ひとつで“超法規的措置”が取られるという前代未聞の決定だった。
 本誌はその直後に開かれた日歯代議員会の議事録をもとに、臼田前会長が、
<官房副長官の山口県の安倍晋三さん、福島県の根本匠代議士、それから厚生労働省の今田障害保健福祉部長、この3人の方々が本当に一生懸命この問題に取り組んでいただいた>――と発言していることをいち早く報じた。
 奇妙なのは、石原氏や根本氏ら他の≪日歯親衛隊≫の議員に比べて、安倍氏への献金が極端に少ないことだ。最近5年間の政治資金収支報告書には、99年に日本歯科医師連盟から安倍氏の資金管理団体『晋和会』に100万円、00年は地元の山口県歯科医師連盟から安倍氏が代表を務める自民党山口県第4選挙区支部に100万円の寄付が記載されているだけだ。
 しかし、資金の流れを改めて追跡すると、日歯の献金には、国民政治協会↓自民党本部を通した迂回ルートのほかに、≪地方ルート≫というべき複雑な仕組みがあることがわかってきた。日本歯科医師連盟は00年6月1日に500万円、同年6月5日には200万円を『山口県歯科医師連盟』に寄付している。会員から集めた資金を本部から地方の支部に分散させているのである。その『山口県歯科医師連盟』から安倍氏(自民党支部)に100万円が配られたのは同じ6月だから、時期的にみても、日歯から目につきにくいように地方を迂回させた献金だったのではないかという疑問が浮かぶ。
 自民党以外では、現職の厚生大臣、坂口力氏が02年にパーティ券100万円を買ってもらっていたのには驚く。歯科医師への監督権を持つ大臣が、業界団体のカネを受け取ってはどんな疑惑を持たれても仕方がない。
「東京のパーティの10日ほど前にいきなり日歯連から100万円が振り込まれてしまった。坂口はチケットを買ってもらうのは1団体20万円までと制限しているので、東京の前に三重で開いた支持者の集いと合わせて40万円だけを受け取り、60万円はすぐに日歯連に返した」(坂口事務所)
“大臣だからこんなカネは受け取れない”と全額突き返したのならわかるが、ちゃっかり40万円を抜いて返す神経はどうかしている。
 橋本派1億円も現職大臣への献金や工作も、小泉改革のさなかに行なわれていた。小泉首相も当事者としての責めを免れない。

―――――(引用終了)―――――――――――――――――――――――――

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