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http://www.asahi.com/national/update/0124/036.html
自民党旧橋本派の政治団体「平成研究会」の１億円献金隠し事件の公判が２４日、東京地裁であり、同会の滝川俊行・元会計責任者（５６）が「政治資金パーティーの収入や派閥の幹部議員の寄付の一部を政治資金収支報告書に記載しなかった」と述べ、同会の裏金作りについて新たな事実を証言した。０１年７月の参院選の際に配った数億円の選挙資金の原資には、こうした裏金や、１億円の一部が含まれていたといい、「法定費用では足りないのが永田町の常識。表に出すと使途をいろいろ追及される」と述べた。
派閥の「金庫番」を務めた人物が裏金作りの実態を具体的に証言するのは極めて異例。「政治とカネ」をめぐる問題は今国会の大きな焦点となっており、新たな疑惑が浮上したことで、民主党など野党側の追及は勢いづくことになりそうだ。
この日は、日本歯科医師連盟からの１億円を０１年分の収支報告書に記載しなかったとして、政治資金規正法違反罪に問われた同会の当時の会長代理で、元官房長官村岡兼造被告（７３）の第３回公判があった。００年９月に同会事務局に入り、同罪で有罪が確定した滝川・元会計責任者が検察側証人として出廷した。
滝川・元会計責任者によると、同派主催のパーティー券の売り上げのうち、現金で受領した分を収支報告書に記載せずに裏金として処理した。また、幹部議員らからの寄付についても、特に要求がなければ領収書を発行せず、収支報告書にも記載しなかった。こうして作った裏金は同派の現職議員や入会予定の新顔・元職候補の選挙資金に使ったという。
０１年７月の参院選の際には、選挙資金について「計数億円を所属議員らに一斉に配った」と証言。ここにも日歯連からの１億円の一部を含む裏金が使われたとした。裏金作りは、滝川・元会計責任者が同会事務局に入った直後の００年暮れ〜０１年初めにはすでに行われていたとしている。
また、同会が盆や暮れに所属議員に配っていた「氷代」「もち代」の額は、１人あたり１回２００万円だったと述べた。
同会の収支報告書によると、０１年７月末の参院選前の６〜７月、所属国会議員の政治団体に１人あたり１００万〜２００万円の計１億４３００万円を寄付。０１年１年間では２億８９００万円を配ったとされる。一方、０１年分のパーティー券収入は２億５５８４万円余、所属国会議員の政治団体から同会への寄付は１億７２０万円と記載している。滝川・元会計責任者の証言によると、この他の収支で裏金に回ったものがあることになる。
この日の公判で滝川・元会計責任者は「元長官は長く派閥の中枢にいて、運営全体に携わっていた」と強調。当時会長だった橋本元首相は政策について細かく持論を展開するが、派閥運営はほかの幹部に任せていたといい、「村岡元長官が運営全体に気を配り、事務方にも一番細かく指示や助言を出した。会長がいるときでも、幹部の話を取りまとめ、会長に伺いを立てていた」と述べた。
◇
村岡元長官はこの日の公判終了後、滝川・元会計責任者の証言に対して「パーティー券の収入を選挙資金に使ったなどの話は知らない。本人が勝手にやっていたのではないか。（会長代理と言っても）会長の許可なしには動けなかったし、会長不在のときには重要事項は決められなかった。反対尋問で事実をしっかり確認したい」と述べた。 (01/24 22:34)
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