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イラク会議――復興の旗を振るには(朝日新聞)
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投稿者 彗星 日時 2004 年 10 月 15 日 07:21:52:HZN1pv7x5vK0M
 

社説
10月15日付

■イラク会議――復興の旗を振るには


 イラク復興を支援する国々を集めた日本政府主催の東京会議が終わった。「国際社会とイラク人との連帯」をうたい、来年1月の暫定議会選挙の実現に協力することを申し合わせた。

 復興信託基金にイランが初めて拠出を表明したほか、イラク戦争の正当性をめぐって内部に対立をかかえる欧州連合も、支援額を追加した。国際連帯の広がりを示した点で、それなりの意義があった会議と言えるだろう。

 とはいえ、最大の眼目は、1年前のマドリード会議で決まった「5年で330億ドル以上」という大がかりな援助計画をもとに、確かな復興への見取り図を描くことだった。イラク暫定政府の代表はそのための「国家復興戦略」を会議に示したが、支援国側はそれがそのまま実現できるとは考えてはいない。

 最大の理由は、復興の条件である安定した秩序がイラクにまだないことだ。実際、国連などを通じたインフラ整備などのプロジェクトは、この1年間でわずか10億ドルほどしか実施できていない。

 米国のてこ入れで、原油の生産や電力供給は、ほぼ戦争前の水準に戻った。しかし、水や医療のような分野の復興は遅れに遅れている。大規模な支援が必要なのに、それが思うように進まない。

 会議に出席したイラク暫定政府のサリフ副首相は「国連決議はどこへいったのか」と憤りをぶつけた。イラク支援が安保理決議にうたわれているのに、支援国が治安の悪さをたてに援助に本腰を入れていないという不満だ。

 だが、米軍と武装勢力の戦闘が続き、爆弾テロや外国人の拉致が相次ぐ現状では、国連も支援国も本格的な援助活動ができないのは当たり前である。

 アーミテージ米国務副長官は、予定していた民生援助の一部を治安に振り向け、民生向けの穴を他の支援国が埋めるよう求めた。治安の回復がなければ復興支援が軌道に乗らないことを、米国自身が認めたということだろう。

 結局、国民の多数が支える安定した政治体制ができなければ、国際社会の支援は生きることなく、復興は進まない。

 そのためにも、3カ月後の選挙を公正なものにしなければならない。

 イスラム教シーア派の最高指導者が有権者登録を呼びかけたり、反米勢力の一部が武装解除に応じたりするなど、好ましい兆しが見えてはいる。

 こうした動きを促すべき時に、米軍は選挙前に反米武装勢力を一掃しようと反米勢力の拠点とみられる都市への攻撃を強めている。反米感情をあおり、治安を悪化させることは、選挙にマイナスであるばかりか、国際的な支援の妨げともなる。会議でも、アラブの参加国から、そうした反発の声があがった。

 日本政府がイラク復興のための会議を主催することはいい。だが、復興の旗を本気で振ろうとするなら、米国の戦争やイラク政策を追認するよりも、国際社会の風向きの方に敏感であるべきだ。


http://www.asahi.com/paper/editorial20041015.html

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