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パレスチナからイスラエル軍侵攻のレポート(ナブルス通信より)
http://www.asyura2.com/0411/war61/msg/950.html
投稿者 田中大也 日時 2004 年 10 月 24 日 02:38:31:wfVksbjV/Swxo
 

以下引用
台風に地震に、日本でも不幸なことが続いています。もうこの季節は
体育館や屋外では寒いだろう……。そんな映像を見ながら、ラファな
どで家を壊されていく人々も思いました。今、ガザ地区では1日に45人
ずつ家を失っているということです(UNRWA調べ)。

       **以下、転送を歓迎します**

      ○○○ナブルス通信 2004.10.24号○○○
        http://www.onweb.to/palestine/
          Information on Palestine
────────────────────────────────
◇contents◇

◇血の海に沈むガザ /ムハンマド
◇その他、お知らせしておきたいこと[イヴェント、イラク医療支援]
────────────────────────────────

>◇血の海に沈むガザ

9月28日に始まったイスラエル軍のガザ北部大侵攻は、15日に軍隊が
再配備され、難民キャンプの真ん中からは撤退しました。しかし、完全
に終わったわけではなく、散発的に銃撃や農地破壊がずっと続いていま
す。また、南部のハンユニス、ラファでも攻撃が止みません。

ガザ市ではハマスの軍事部門トップがミサイルで暗殺されたばかりで、
状況が緊迫する可能性もあります。

今回、お届けするのは、いつも「ラファ・トゥデイ」でラファの状況を
伝えてくれているムハンマドさんの、「エレクトロニック・インティ
ファーダ」に掲載されたガザ北部の侵攻を描いた文章です。

日付は18日となっていますが、実際に文章が書かれていたのは(内容
から推察すると)6日あたりだと思われます。ですから、やや前の時点
でのとても切迫したジャバリヤのなかで書かれたものです。生々しく辛
い部分も多いのですが、数字からは伝わらない状況をお読みになってみ
てください。[ナブルス通信]

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「血の海に沈むガザ」──北部大侵攻のただなかで
The "Days of Penitence":Gaza Sinks in a Sea of Blood

ムハンマド / Mohammed Omer
2004年10月18日

 ひどい臭いだ。どの通りを歩くにも、血だまりを避けて注意深く端の
 ほうを進んでいかなければならない。でも、時にはどうしようもな
 く、血の海に足を突っ込まざるをえなくなってしまう。肉片が散ら
 ばっている。中には、とても人間の体だったとは思えないものも。そ
 れが、屋根に、割れた窓ガラスに、路上に、ありとあらゆるところに
 貼りついている。腐敗していく血の臭いに加えて、それ以上に胸の悪
 くなるような、黒く焼け焦げた人体の臭い。イスラエル軍のアメリカ
 製アパッチ攻撃ヘリのミサイルにやられた人たちのものだ。
 
 空は黒い煙でいっぱいになっている。炸裂したミサイル弾の煙もある
 けれど、それよりも、住人がずっと燃やしつづけているタイヤや家の
 残骸の煙のほうが多いような気もする。こうした煙は、熱源をとらえ
 る無人偵察機のレーダーを撹乱するので、住人は、爆弾を落とされる
 にしても、できるだけ被害の少ないところに誘導できればと、少しで
 も空いたスペースがあれば、そこで火を燃やしている。
 
 漆喰やセメントの埃が混ざった煙は災いのしるし。そして、せめて
 も、という祈りの表われ。焼ける人体と血の臭いは、壊れた下水管か
 らあふれ出す汚水の強烈な臭いと、もう1週間以上、体を洗っていな
 い何万人もの人たちの臭いを、ある程度、覆い隠してくれる。今ここ
 で、ほとんど手に入らない貴重品は飲み水。風呂やシャワーは手の届
 かない贅沢品になってしまった。
 
 煙のおかげで涙がとまらない。でも、これも、もっとおぞましい光景
 が目に入るのを、ほんの少しだけ防いでくれる。何なのかよくわから
 ない体の一部。脚。あれはまちがいなく胴体だ。そして指。誰のもの
 ともわからない指が1本ずつ、あちこちに散らばっている。こんなも
 のは、絶対に絶対に見るべきものじゃない。
 
 ボランティアのスタッフが人体の断片を集めて、ジャバリヤのふたつ
 の病院に運んでいこうとしているけれど、救急車は、新たな死者、負
 傷者の洪水に追われて、断片の搬送まではとても手がまわらない。
 
 いたるところで目にする葬儀の列。そして、殺された人たちの遺族
 が、友人や親族を迎えるために立てたテントの「追悼の家」。でも、
 実際には、ここ、ジャバリヤ難民キャンプにある家は、比較的ダメー
 ジの少ない家であろうと、イスラエル軍の戦車とブルドーザーに完全
 に破壊された家であろうと、すべてが追悼の家だ。
 
 そして、防ぎようもなく耳に入ってくる音。死んだ人の母親、父親、
 夫、妻、子どもたちの涙と嘆きの声。怪我をした人たちの叫び声。救
 急車のサイレン。スナイパーの狙撃音。戦車砲の重い轟き。アパッチ
 攻撃ヘリからのミサイルが着弾するたびに起こる爆発音もひっきりな
 し。
 
 ここでは時間もゆがんでいる。1時間が1日に、1日が1週間にも1カ
 月にも感じられる。ガザ地区北部にあるジャバリヤ難民キャンプ。ご
 くごく狭い地域に10万6000人の人が住んでいる、世界じゅうで最も
 人口密度の高い場所。圧倒的多数が武器など持っていない普通の人た
 ちなのに、そんな人たちが、もう1週間以上にわたって、徹底的な攻
 撃にさらされている。
 
 先週、イスラエルの町スデロットに、パレスチナのレジスタンスによ
 る手製のカッサム・ロケットが撃ち込まれて、子どもふたりが死ん
 だ。今回の大規模攻撃は、それに対する「応酬」である──これがイ
 スラエルの公式の態度だ。でも、実際には、ジャバリヤ難民キャンプ
 に最初の戦車隊が押し寄せてきたのは、スデロットにロケット弾が着
 弾する何時間か前のこと *1。そして、僕たちはみな、この何週間か
 の間ずっと、ガザ北部のイスラエル軍が増強されるのを、2000人の
 新兵力が投入され、100台以上の戦車とブルドーザーが配備されるの
 を、警戒感をもって見つめてきた。
 
 この数日の間で、やっと腰を落ち着けてレポートを書こうとした今に
 なって初めて、僕は、今回の作戦を「悔悟の日々(Days of
 Penitence)」と名づけたイスラエル軍の残虐性に愕然とする。イス
 ラエル軍は、武器を持っていない一般市民をなぶり殺しにしているだ
 けではない。「悔悟」という言葉は、僕が理解する限り、「自分がな
 した過ちをみずからが後悔する」ということだ。今回の殺戮行為は、
 ジャバリヤの人たちに後悔させるためだとでもいうのだろうか?
 ジャバリヤの人たちは、4人か5人のイスラエル兵とふたりのイスラ
 エル人の子どもの死を悼み、60人以上のパレスチナ人の死を、いわ
 ば当然の報いとして受け入れるべきだとでもいうのだろうか? ジャ
 バリヤにとらわれの身になっている僕たちにしてみれば、これは「報
 復の日々(Days of Revenge)」としか思えない。疑問の余地なく、
 集団懲罰であって、ジュネーヴ協定に違反する行為だ。
 
 たぶん、こんなことに驚いていてはいけないのだろう。イスラエルの
 シャロン首相は、今回の攻撃は「必要ならばいつまでも」続くと宣言
 した。要するに、パレスチナ・レジスタンスの手作りロケット弾によ
 る「危険が完全になくなる」まで、ということ。言うまでもなく、
 シャロンは20余年前に、サブラーとシャティーラの虐殺を実行した
 人物だ。その彼が、今、当時とほぼ同じことをやっている。ただし、
 サブラー・シャティーラの時よりも格段に進歩した武器を使って。
 
 もちろん、パレスチナの武装グループは存在していて、この1週間の
 間もずっと、ここで抵抗を続けてきた。しかし、人数も武器もイスラ
 エル軍に圧倒的に及ばないのは言うまでもない。ハマスは、ガザ地区
 で配ってきたチラシで、「イスラエル軍の攻撃が続く限り、手製のロ
 ケット弾が届く範囲のガザ地区内不法イスラエル入植地とイスラエル
 の町すべてに対するロケット攻撃を継続する」と言明している。
 
 国際社会の抗議の声は、イスラエルを支援するアメリカ合衆国に妨害
 され、沈黙させられてしまった。今ではかろうじて、イスラエルに
 「穏当な対応」を取るよう促す国務省の弱々しい声が残っているだ
 け。それも、お定まりの「イスラエルにも自国を防衛する権利があ
 る」という呪文の前では、まったく無力と言うしかない。今週の初
 め、今回の攻撃を強く非難する決議案が国連に提出されたが、当然の
 ように合衆国が拒否権を行使して、採択されることなく終わった。
 
 死亡者数を正確に把握するのは難しい。一番新しい発表では、パレス
 チナ人の死者80人(ハマスによれば、内20人はレジスタンスのメン
 バー)、負傷者は200人を超えているということだが、このレポート
 がサイトに乗るころには間違いなく、もっと増えているはずだ *2。
 
 ジャバリヤにはもうどこにも避難する場所がない。ふたつの病院は混
 乱の極。医療品は底をつき、スタッフ全員が、1日24時間働きつづけ
 ている。
 
 死亡した14歳のネーダル・アル・マドホーンの父親、アブ・ネーダ
 ルが、必死に平静さを保とうとしながら、疲労しきった医師や救急車
 の運転手に問いかけている。「息子は殺されたのか? もう死んでし
 まったのか?」(ネーダル少年は死亡した状態で運ばれてきた)。死
 者・負傷者の大多数は10代の若者と子どもたち。戦闘員でないのは
 言うまでもない。
 
 カマル・アドワン病院の責任者、マフムード・アル・アサリ医師はこ
 んなふうに話してくれた。
 ──イスラエル軍は意図的に一般市民をターゲットにしていると考え
 ざるをえない。負傷者の大半は、身体上部に銃弾を受けている。これ
 は、イスラエルの狙撃兵が殺害するようにという指令を受けているに
 違いないことを示している。また、医師たちは死者・負傷者の多くか
 らフレシェット片を摘出している。要するに、イスラエル軍は違法な
 フレシェット弾 *3(炸裂するとカミソリ状の鋭利な金属矢=フレ
 シェットを放出する)を使っているということだ。この武器が、死者
 数・重傷者数を大きく増やしている。
 イスラエル軍はこれに関してはコメントを拒否している。
 
 病院のスタッフと救急隊員は、やらなければならないことがあまりに
 多すぎて、バラバラになった遺体の処置に関してはボランティアの手
 を借りている。通りに散らばった肉片を集め、よりわけ、同じ人のも
 のを判定するという何ともつらい作業だが、みんな、できる限り、元
 の姿に近い形で遺族のもとに届けたいと必死になっている。アドワン
 病院の医療ワーカーのひとり、アフメド・アブ・サール(26歳)
 は、「僕らが直面している最大の問題は、ミサイルの威力がすごくっ
 て、ひとりの人間の体が広い範囲に散ってしまっていること。一部
 が、キャンプの東部にあるアル・アウダ病院に行って、別の部分が西
 部のここに運んでこられるということも大いにありうるんだ。衣類の
 断片が判定の役に立つこともある」
 
 イスラエル軍が医療チームやジャーナリストに発砲することも珍しく
 ない。これまでに、救急車の運転手ふたりと、ラマタン・ニュース・
 エージェンシーのカメラマンひとりが怪我をしている。当然ながら、
 救急隊員と報道関係者は全員、はっきり識別できる特別の服やマーク
 をつけている。
 
 イスラエル軍は、ガザに入るすべての入り口を閉鎖し、ガザ地区内の
 移動も厳しく制限している。軍事検問所が閉鎖されると、ガザ地区全
 体は大きく3つのエリアに分断されるけれど、最近では新しい検問所
 が多数設置されているようで、道路はいたるところがセメントブロッ
 クと土で遮断されている。みな、隣町に行くこともできない。救急車
 さえ、病人を病院に運ぶことができない。さらに、イスラエル/ガザ
 の主要クロッシングが閉鎖されると、各国のNGO、人道支援機関、外
 国のジャーナリストたちも、ガザに入ることはできない *4。
 
 軍事攻撃はどんどん激しくなっていく。でも、ジャバリヤの人たちに
 とっての危険は、軍事攻撃だけではない。もう何日もの間、大勢の人
 たちが食べ物も飲み水もなしで過ごしている。難民キャンプの東部に
 あるタル・エッ・ザータル地区で、ウンム・ラムジという年長の女性
 に話を聞いた。ウンム・ラムジは、戦車砲が開けた大きな壁の穴の向
 こうから、こんなふうに答えた。「赤十字にずっと言ってるんだけれ
 どね。私たちの命を助けて、子どもたちの命を助けてくれ、って。で
 も、誰も応えてくれやしない」
 
 NGOや支援機関のスタッフのほとんどは、理論的には、ジャバリヤを
 完全包囲しているイスラエル軍の軍事ラインを越えられないのを承知
 しつつ、それでも、住人が助けの手を必要としていることは痛いほど
 にわかっている。何度もトライしてやっと電話がつながった国際赤十
 字委員会(ICRC)の広報担当、サイモン・ショルノ氏は、こう言っ
 た。「今、私もガザに向かっているところです。これまで、食料と水
 を届ける許可を得ようと、ずっとイスラエル軍と話をしてきたのです
 が、全域に食料配布する許可はいまだ得られていません」
 
 大勢の家族が切迫した状況にある過去数日間、赤十字がいなかったこ
 とに関しては、「いてもたってもいられない気持ちです。全力をつく
 して、食料と水を運び込もうとはしているんですが、道路がメチャメ
 チャにされていることもあって、なかなか住人のところまでたどりつ
 くことができないでいます」
 
 キャンプ住人の多くが語っているところでは、イスラエル軍は数階建
 てのビルをいくつもスナイパーの狙撃拠点として使用し、動くものは
 何でも撃っているという。つい先ごろ殺された14歳の少女、イス
 ラーム・ドウィダル *5も、銃撃がおさまったと思えた時を見はか
 らって母親の代わりにパンを買いに出かけたのだが、スナイパーの銃
 弾に頭を直撃され、死んだ。
 
 ガザ地区南部のハンユニスとラファでも、イスラエル軍の戦車とブル
 ドーザーの数は増える一方だ。夜な夜な激しい攻撃があり、大勢が死
 んだり怪我をしたりしている。今朝、ラファのアン・ナジャール病院
 の責任者、アリ・ムーサ医師に電話をしたら、ムーサ医師は、今月6
 日にスナイパーに撃たれて死んだ13歳の女の子、イマン・アル・ハ
 ムス *5の話をしてくれた。「病院に運ばれてきたあの子の体のあち
 こちに20発の銃弾が撃ち込まれていた。5発は頭だった」
 
 目撃者の話によると、アル・ハムスは友達ふたりと学校に行く途中で
 殺されたという。当初、イスラエル軍は、メディアに対して、少女は
 爆弾を隠し持っていたと発表していたが、のちに、その言が嘘であっ
 たと認めざるをえなくなった。
 
 ラファへの攻撃は現在も続いている。今年5月のいわゆる「レイン
 ボー作戦(Operation Rainbow)」の時よりも状況ははるかにひど
 い。「レインボー作戦」の大規模攻撃では40人が殺され、世界中で
 激しい抗議の声が上がったのに、今回は違う。沈黙が続くのみ。とり
 わけ、アメリカ合衆国の沈黙が、ガザ地区を殺戮の場に変えてしまっ
 ている。シャロンは、アメリカが大統領選挙とイラク侵攻に忙しい
 今、ここぞとばかりにガザ地区の若者たちを殺しまくっているのだ。
 いったい、あと何人殺されたら、世界は声を上げるというのだろう…
 …。
以上引用 メールマガジンより

ミニマムなデータではありますが、IRIBのサイトから詳細な侵攻の様子を知ることができます。

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