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天木さん、国際フォーラムから帰って来ました。11月8日中東紛争に関する国際フォーラム 参加報告
http://www.asyura2.com/0411/war62/msg/713.html
投稿者 天木ファン 日時 2004 年 11 月 08 日 22:55:49:2nLReFHhGZ7P6
 

■11月8日  中東紛争に関する国際フォーラム 参加報告 □■
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□★□ 天木直人 ■ 中東紛争に関する国際フォーラム 参加報告 □■
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                            2004.11.8

 先ほど関空から自宅に帰ってきてこの報告書を書いています。いずれまとまった報告書を書こうと思っていますが取り敢えず記憶に新しい私の印象をそのままお伝えします。


□■ 1.政府間の会議には見られない感動的な集会であった ■□

ブッシュ大統領が再選された直後の会議だった。会議中にアラファト危篤というニュースが飛び込んできた。イラクでは米軍がファルージャを総攻撃すべく非常事態宣言が発せられた。中東の平和がここまで米国に蹂躙されている中での会議であった。会議場である国際司法裁判所(International Court of Justice /ICJ)のある建物は「平和の宮殿」と呼ばれるほど平和の会議が開かれてきた歴史的な場所である。そこで見通しの見えないパレスチナ問題を皆で考えた会議であった。

参加してみてわかった事は、この会議はパレスチナ問題の解決を心から願う人たちが、同じような気持ちを抱いている世界の元政府要人、議員、外交官、学者などを招き、イスラエルの違法的、非人道的な行為を止めさせる具体的方策を模索する集まりであるということだった。会議というよりフォーラム、シンポジウムなどといった方がふさわしいかもしれない。合計20数名のパネリストが順に発言し、各発言ごとに100名ぐらいの聴衆とパネリストたちとの質疑、応答を行うという形式で二日間にわたって行われた。

パネリストはオランダ元首相、ヨルダン元首相ほか、国際法学者、国連法律顧問、ブッシュ大統領やブレア首相の中東政策を批判した公開状を出した米国、英国の元大使、イスラエル、PLOメンバー、イスラエル大学教授などいずれも長年にわたってパレスチナ問題に取り組んできた人たちで、イスラエルの政策に強く反対する人ばかりであった。
聴衆もオランダに駐在している大使やジャーナリスト、パレスチナ難民、学者、学生など中東問題に直接、間接関わっている人ばかりであった。

なんとか現状を打開したい、その為には米、イスラエルにもっと強く圧力をかけるしかない、それには国際世論をもっと高め、世界的な世論の連帯をつくらなければならないという声で埋め尽くされた。政府が主催する会議は私もこれまで数多く参加してきたが、このようなNGOの会議の議論の高さと情熱に満ちた会議ははじめてであった。

この会議はオランダのビジネスマンが二年前に「正義と平和の為の国際フォーラム」をつくり、それに「国際対話基金」、「平和の為の市民の連帯」というオランダにある既存の団体が協力して実現したものであった。今回が最初の集まりで、これを契機にこれからどのようにして世界的な繋がりをもったフォーラムに育てゆこうか模索する一つの挑戦であった。私は日本のNGOをメンバーの一つに加えてもらうべきだと考え提案したところ大歓迎だということであった。希望する団体があれば私のところに連絡をして欲しい。


□■ 2.「法の支配」の重要性 ■□

 中心的なテーマはイスラエルがパレスチナ自治区に建設している壁を如何にして取り除けるかであった。あの壁が如何に違法で非人道的なものであるかについて、7月9日のICJの勧告的意見とそれを受けた7月20日の国連総会の決議の重要性が強調された。

これを無視し、公然と「法の支配」を逸脱する米国、イスラエルの行為はいかなる意味でも認められないという議論に終始した。パレスチナ問題は外交的に解決できないし、軍事力でも解決できない。そうであれば法の支配で解決するしかないというのが今度の会議主催者の意図であった。  強制力のないICJの勧告的意見といえどもICJが違法と認定した意味は大きい。また150対6という圧倒的多数の総会決議の持つ重みは大きい。これからのイスラエルや米国との交渉において、「国際司法裁判所が違法と判断した」ということを言及し想起するだけでも大きな圧力になると力説していた若い国際弁護士の姿が私の心に響いた。

歴史的な建物であるハーグの国際司法裁判所の建物の中で「法の支配」で平和を実現しようと話し合う集まりは、それだけで感動的であった。そこで力説された考えは、まさに私が原告として参加している自衛隊派兵差止訴訟にもつながる考え方である。世界の学者や政治家、外交官がイスラエルの違法的政策を「法に基づいて不正義である」と断じる姿は法学者でない私としても感慨深いものがあった。


□■ 3.米国の反骨大使 エドワード・ペック ■□
 
  ペック大使はブッシュ大統領の中東政策を批判し公開書簡を提出した米国大使数十名を統率する元在イラク大使である。温厚な風貌に似合わずその言葉は激しかった。いわく「紛争の平和的解決というがこれは紛争ではない。抑圧である。これほど力の差がある当事者間に争いという言葉はありえない」、「壁の中のイスラエルの入植者の家に大きなプールがある。その一方で壁の外では水のない干からびた畑でパレスチナの農民が途方にくれている現実がある」

 彼はまた実践の人でもある。今年の7月には仲間の元大使らを引き連れてパレスチナを訪れラマラに軟禁されているアラファトを訪れている。その時見たパレスチナの状況が余りに酷く衝撃を受けたと語っていた。そのアラファトがわずか三ヵ月後にこの世を去ろうとしている。

 こういう老外交官が米国にもいるということに励まされた。そのペック氏には息子がいる。彼は20年余も日本に住んでNHKのパントマイムの人と一緒の子供番組に出ているという。心当たりのある方は教えていただきたい。


□■ 4.米国とイスラエルという「少数による専制」■□

 出席者のすべてが米国とイスラエルの聞く耳を持たない態度に対し強い憤りを表したことは驚きであった。それでいて出席者の誰もが彼らの行動を止める事の出来ない無力感を述べていた。

平和は少数者による専制により破壊されているという言葉が多くの者から発せられた。どうすればいいのか。「法の支配」を武器にして、諦めることなく正義の実現を求める他はない。その努力と平行して、国際世論の圧力という言葉がよく使われた。なにがあの地で行われているか、その真実をもっと、もっと世界の国民に伝えていく。そして世界の国民が連帯してそれぞれの政府に働きかけていく。一枚の写真、メディアを通じた情報の共有などの重要性が繰り返し指摘された。

 会議ではヨルダンの元首相の発言が不評を買った。彼の発言に怒りが感じられなかったからだ。結局イスラエルの相手であるアラブの指導者たちは、米国、イスラエルという強引な国に、正面から向き合っていないのではないか。インティファーダという民衆の怒りを政府の怒りとして、米国、イスラエルに伝えてこなかったのではないか。自らの政権維持のために国民の怒りを押さえつけて米国、イスラエルとの友好関係を優先してきたのではないか。

これを正面から言うことは流石にアラブの指導者に酷である。だから口に出すものはいなかったが、欧米の出席者のほうがはるかに強い怒りを感じて発言していた。パレスチナの悲劇はインティファーダや自爆テロという形で民衆が戦うことしか出来ないところにあるのではないか。
 

□■ 5.私が訴えた事 ■□

私は次の二点を述べた。
 私はこれまで中立的であったわが国の中東政策が、米国の「テロとの戦い」を支持する小泉首相によって一変させられしまったこと。その結果これまで親日的なアラブを失望させ敵意さえ持たせてしまったこと。そして「テロとの戦い」に協力するあまり、平和憲法までも邪魔になって捨て去ろうとしている日本の政治の危機について説明した。

 パレスチナ問題が未解決に放置されてきた事こそ、イラク情勢や自爆抵抗の根本原因であり、日本が米国の「テロとの戦い」に巻き込まれる原因にもなったこと。したがってパレスチナ問題の解決は日本にとっても緊急に解決されるべき重要な課題であるということを指摘した。

 それでは私はパレスチナ問題解決にどうすればよいと考えているのか。私も不平等な者の間に交渉は成り立たないと思う。もはや当事者間の交渉にゆだねるのではなく、外からの圧力を米国、イスラエルにかけることしかないと思う。そしてその圧力は、彼らといえども抗弁できないような、違法性、非人道性、非国際性に訴え、世界の良心に訴えること。心理的、道義的、社会的圧力を粘り強くかけ続けていくことを述べた。その意味でパレスチナ側は非暴力による抵抗に戦術を変え、国際世論を味方につける事が重要性だと述べた。

 
□■ 6.帰りの飛行機の中で考えた事 ■□

出席者のすべてが、口には出さないが、一様に感じていたのは、これほどまでにイスラエルと米国の違法性、非人道性が認められるにもかかわらず、世界がそれを止められない無力感である。

米国やイスラエルはそれほど強いのか。もし我々が「法の支配」が絶対であると考え、そしてその「法の支配」を米国やイスラエルが頭から相手にしない国であるのなら、世界の191の国々はこの二つの国を国際社会から除名するぐらいの強さを持つべきであろう。米国の経済や軍事力が如何に大きくとも、世界のユダヤ人が如何に影響力を持とうとも、正義と法の支配の重要さに比べれば取るに足らないと考えるべきではないのか。彼ら無しでも世界は成り立っていくという覚悟を彼らに示すべきではないのか。

我々は今ひとつ本気になって「法の支配」を守ろうとしていないのではないか。本気になって平和の実現を希求していないのではないか。そう考えた時に、日本国民のことを考えた。我々は本気になって日本がこれ以上悪い方向に行こうとしていることを防ごうとしていないのではないか。諦めているのではないのか。いやそれ以前に「法の支配」を守ることに本気になって戦っていないのではないか。
平和を守ることは弱者では出来ない。強い者、戦うことを厭わない者、圧力に屈しない者でない限り平和は守れない。私はそう思っている。

帰国後に  天木直人

http://homepage3.nifty.com/amaki/pages/ns.htm

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