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戦死した息子は米軍に志願した (東京新聞)
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投稿者 彗星 日時 2004 年 11 月 10 日 11:00:48:HZN1pv7x5vK0M
 

特報
2004.11.10

戦死した息子は米軍に志願した

 ヤシの実が茂り、エメラルドグリーンの海が広がる太平洋の島々。楽園の印象が強いこうした島国で今、多くの人々が米軍に入り、イラクの戦闘で死傷する事態が起きている。突然の悲劇に嘆き悲しむ家族と、事情がのみ込めない周囲の村人たち。ミクロネシアを取り巻く光と影を追った。 (ポンペイ島、蒲敏哉)

 「あの子はイラクなんてどこにある国かも知らなかった。もっと強く止めていればこんな悲しい目に遭わなかったでしょう」。ミクロネシア連邦の首都があるポンペイ島西部のマタニタテニューム村で、故スキッパー・ソーラム軍曹=死亡当時(23)=の母、パーペチュアさん(43)は顔をくしゃくしゃにして泣いた。

 ソーラム軍曹は米陸軍砲兵部隊に属し、バグダッドで警戒中の九月二十二日、イラク警察の事務所に集まった就職希望者を狙った自動車による自爆テロに巻き込まれ死亡した。

 実家は旧首都コロニアから車で三十分。熱帯植物が生い茂り、マングローブが入り組んだ海岸沿いの小道を行くと、トタン屋根の三十平方メートルほどの家に家族十五人が住む。

 ソーラム軍曹の墓は、米政府が四千三百ドルを拠出して家の前に作られた。コンクリート製で周りのどの家よりも立派だ。

 兄弟十四人のうちの長男。双子の弟のスキプソンさん(23)が父親とタロイモの栽培や漁業で家計を支える。「遠い昔、海を渡ってやってきた双子の昔話から名付けた。皆珍しがってお祝いしてくれたよ」とパーペチュアさんは懐かしがる。

 スキプソンさんは「兄貴は走るのも速く、頭も良かった。医者になりたいと言っていたけど、母親から『兄弟の子守が先』と言われしょげていた。短大に入った二〇〇〇年、米軍の入隊試験を受けて合格し、どうしても行きたいと、この年十二月には、訓練のため米国オクラホマに行った」と振り返り、こう続ける。

 「兄貴は韓国に駐留していた今年二月、基地近くのクラブで歌っていたフィリピン女性と結婚した。けど誰も式に呼んでくれなかった。兄貴はここの生活を抜け出し、アメリカに行ってしまいたかったんだろう」

 それでもソーラム軍曹は家族に月三百ドルを仕送りしていた。パーペチュアさんは「野菜や魚じゃ月百ドルくらいしかいかない。そりゃ助かったよ。もともと優しい子だったからね」と言いながらこう口ずさんだ。

 「モモタロサン、モモタロサン、オコシニツケタキビダンゴ、ヒトツワタシニクダサイナ…。あの子はおばあさんが昔歌っていた子守歌が好きで、いつも歌っていた。おばあさんは戦争前に日本人から勉強したからね。私らにとって戦争は太平洋戦争のことでしかないのよ」

■負傷して帰国 市民権の約束

 ソーラム軍曹と同様、ミクロネシア連邦出身のハラリオ・バルマン陸軍特科兵は昨年七月、イラクでロケット弾の攻撃を受け、重傷を負い、地元紙は一面トップで報道した。

 左手と両足を失ったハラリオさんが入院したワシントンの病院には同九月、ブッシュ大統領夫妻が訪問。大統領は「彼こそミクロネシア連邦から米軍に入り、民主主義と自由のため戦う人たちの象徴だ」と称賛し、即時に米国市民権を与えることを約束した。

 先月、ハラリオさんは帰国し、コロニアの実家で家族の介護を受けながら生活している。自宅を訪れると、父親は「息子はもう表に出たくないと言ってる。彼がそう望んでいる以上、私にできるのはそれを尊重してやることだけだ」と言葉少なに答えるだけだった。

 ミクロネシア連邦は独立国だが、別の国の軍隊になぜ入隊できるのか。コロニア内にある米国大使館を訪ねた。スーザン・ヘール大使は「現在、連邦から米軍へ約千人が入隊している。イラクには米軍十三万五千人が展開しているが、常時、兵隊が入れ替わっており、何人がイラクにいるか把握していない」と明かしながら、「わが国と連邦には自由連合協定があり、お互いの国での就労、就学などは自由だ。市民権以外は米国人と同じ権利を持っており、入隊の際も、米国人と同じ採用試験で可否を決めている」と説明。「採用された人たちは米国本土の人と同じ条件、待遇で、正規軍として配属や昇進での差別もない」と強調する。

■政府予算の8割 米国からの援助 

 ヘール大使は十月七日に行われたソーラム軍曹の葬儀あいさつで「彼のように勇敢な若い男女を米国は切望している」と訴えた。

 イラクでの戦闘激化で、米政府は入隊を嫌う本土の若者の採用から、同盟国の入隊に力を入れているともいわれる。が、大使は「こちらが熱心に呼び込むまでもなく、彼らは強い希望で入隊してくる」と話す。

 あるミクロネシア連邦の政府関係者は、こう内情を話す。「政府予算の八割は米国からの援助。連邦の人口は約十一万人で、三分の一は十三歳から二十代の若者だ。最近、入隊者が増えているのは米国本土の大学に行ける特典があるから。向こうの大学は学費が高い。過去、米軍に入り、帰国後、国会議員にまで上り詰めた人もいる。退役しても病気になれば米軍がグアムの病院まで搬送してくれたり、手厚い待遇は魅力だ」

 さらに、「ここではイラク情勢のニュースは少ない。レンタルビデオが盛んで、特に『ランボー』など米映画の戦争物が人気。映画の雰囲気で入隊する若者も多い」と嘆きながら、米政府には注文を付ける。

 「入隊したミクロネシア人は、市民権を持っていないとの理由で特殊な任務には就けず、一番危険な前線に送られることが多い。昇進面でも壁があるといわれている。亡くなった人はもちろんだが、けがをした人の補償問題なども大きい」

 米陸軍や海兵隊で計十四年間勤務し、湾岸戦争からソマリア紛争など激戦地を渡り歩いた米大使館付き警備員、トニー・ミックスさん(35)は以前、米軍のリクルーター(徴兵役)を務めた経験から、待遇事情をこう明かす。「採用後、半年の訓練で配属されるが、通常四年間勤務すれば、後は希望する期間、奨学金を受けて大学に行ける。勤務状態にもよるが、ソーラム軍曹は月二千ドル以上もらっていただろう。最近米国では都市部を中心に入隊を嫌う人たちが増え、連邦やパラオ、マーシャル諸島など太平洋諸国の若者への期待は、ますます高まっている」

 ミクロネシア政府は自国民の犠牲に急きょ、今月十一日を「退役軍人の日」と定め、米軍で戦った人たちに全国民が敬意を払うための休日とした。

 ソーラム軍曹の弟スキプソンさんは記者と別れる際、兄の墓を見ながらこう言った。

 「イラクで何が起きているかなんてこの墓を見れば分かる。けどおれは生活を変えたい。変えるために一番の近道は米軍に入ること。先月、入隊試験を受けた。今、その返事を待っているんだ」

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20041110/mng_____tokuho__000.shtml

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