尹光雄（ユン・グァンウン）国防長官が来年1月発行予定の国防白書から「主敵」概念の表現を削除することを示唆し、「国防部が『特定国家が主敵』という表現を使うのは言語道断」という旨の発言をし、議論を呼んでいる。

　申鉉惇（シン・ヒョンドン）国防剥L報官は16日、「尹長官が今月12日、国防部大会議室で課長クラスの幹部100人余が出席して開かれた『国防革新懇談会』で、『国家的な戦略レベルで決定すべき主敵を国防部が独自に決定して表現するのは不適切だ』という旨の発言をした」と明らかにした。

　尹長官は「主的概念を適用したら、果たして南北間の観光が可能になるだろうか。国防部本部で国防政策を策定する要員が融通性に乏しく（主敵を設定して表現した）」とし、「国防部が軍事的な主敵という、そういう表現を使ったら理解できるが、ある日突然、『どの国が主敵』という表現を使うのは言語道断」と述べたとされている。

　また、尹長官は「軍事政策は国家の外交安保政策の下位概念だ。主敵問題も同じ」とし、「これまで国防部がなぜ主敵概念を使ったのか理解できない。外交安保総括部署で主敵を設定すべきだ」と発言したとされている。

　申広報官はこれについて、「尹長官の発言は特定国家を主敵に決めるのは、外交安保総括部署がやるべき仕事で、北朝鮮軍の実体的な脅威は確かなものであり、軍内部では（主敵を）表現できるが、北朝鮮住民が含まれた北朝鮮全体を敵に定めるのは検討の必要があるという旨の発言」と説明した。

　国防部は国防白書に盛り込まれた「主敵の北朝鮮」という主敵概念の表現が物議をかもすと、00年以降、国防白書の発行を事実上中断しており、来年1月にもこのような表現を削除し、他の表現に代えて白書を発行する計画を前向きに検討している。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者 bemil@chosun.com

http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/11/16/20041116000082.html

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