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天木直人・メディア裏読み(11月18日)報道から読み取る日朝交渉の正体/党首討論を毎日やってほしい ほか
http://www.asyura2.com/0411/war63/msg/427.html
投稿者 天木ファン 日時 2004 年 11 月 18 日 14:47:28:2nLReFHhGZ7P6
 

11月18日 ◎報道から読み取る日朝交渉の正体 ◎党首討論を毎日やってほしい ◎「もうひとつの9条」に直面する小泉首相 ◎郵政民営化は大丈夫か
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□★□ 天木直人11月18日 メディア裏読み □
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◎報道から読み取る日朝交渉の正体
◎党首討論を毎日やってほしい
◎「もうひとつの9条」に直面する小泉首相
◎郵政民営化は大丈夫か


◇◆  報道から読み取る日朝交渉の正体 ◆◇

 まったくの素人でも公開情報を丹念に拾い読みするだけでかなり興味深い事実関係を知ることが出来る。そう思って私はこの文章を書き続けているのだ。それはそれでかなりの時間と体力と知力(?)を要するのであるが、たとえば次のような記事に出くわすと、宝物を見つけたようなわくわくした気持ちになって書き続けようと勇気づけられる。

 11月18日の読売新聞一面に、「政治の現場」と題して小泉首相の北朝鮮外交の裏話が書かれていた。二年前の小泉首相の突然の訪朝と日朝共同宣言の発表が、小泉首相の功名心と出世欲に凝り固まった外務官僚の独断であったことはもはや動かしがたい事実であるが、米国にも知らせずに事を進めていたこと、米国の関係者はこの動きに不快感を持っていたがブッシュ大統領の「ジュンイチロウが決めた事だから許してやれ」という一言で見逃されたという裏話を知ると、さすがの私もあきれた。

米国でもブッシュ大統領の権限の前に取り巻き連中は絶対服従しているようだ。それに嫌気を感じる閣僚はオニール前財務長官のように辞めていかざるを得なかったのだ。パウエル国務長官も随分我慢したのだろう。それとは対照的に大統領の意向に合わせて豹変するライス補佐官のような野心家がブッシュ大統領に重用されるのだ。どこの世界も同じである。しかしそれは極めて危険な事なのだ。無知で不勉強な権力者が傲慢な思い込みで政策を進める時、その誤りを体を張って諌めるものがいなくなると国民は不幸になる。

 その読売新聞のさわりの部分を引用しよう。
「・・・2002年8月21日、外務省の次官室で開かれた幹部会議。『秘密裏にやってきて申し訳ない。首相も了承していたことだ』、竹内次官は冒頭釈明した。宣言案が「拉致」に言及していないことに気づいた谷内正太郎総合政策が「拉致問題はどうなっているのか」と質した。田中均アジア大洋州局長は、『それは、別途やっていますから』とだけ答えた。海老原紳条約局長が『米国には連絡したのか』と質問すると、田中は否定した。気まずい空気が流れた。・・・同盟国の米国にまで、小泉訪朝を伏せていたのは、『事前に漏れればつぶされる』と判断していたからだ。日本側の秘密主義が日米関係をきしませた。

結局米国に訪朝計画を伝えたのは小泉首相本人だった。アーミテージ国務副長官との8月27日の会談で打ち明けた。正式発表のわずか三日前のことだった。アーミテージは小泉の前では異論は唱えなかったが翌日の竹内次官との日米戦略対話の休憩中に『訪朝は慎重に進めて欲しい。今後は米国にもきちんと連絡して欲しい』と伝えた。・・・米政府内には『日本が北朝鮮の核疑惑を脇に置いたまま国交正常化を進めるのではないか』との疑念が広がった。それを押さえ込んだのは、ブッシュ大統領だった。・・・アーミテージは後日外務省幹部に米政権の内情を明かした。『我々は実は、小泉訪朝に反対だった。だが大統領が“ジュンイチローがきめたことだから”と言うので、それ以上、何も言えなかった』・・・日朝首脳会談が行われた二日後の9月19日、小泉首相はブッシュ大統領に電話し、『金正日は米国との対話を望んでいる』と伝えた。米国はケリー国務次官補を訪朝させた。10月4日、訪朝したケリーに対し、カンソクチュ第一外務次官はウラン濃縮の事実を認め、『我々は核抑止力を持つ』と言明した。米朝関係は勿論、日朝関係も一気に緊迫した。・・・米国のプリチャード前朝鮮半島和平担当特使は今年の1月、田中にこう言った、『(小泉訪朝が)もう少し遅ければ、米国は本気でつぶそうと動いただろう』・・・」

 なんといういい加減な首脳外交か。小泉首相がこのときのブッシュ大統領の寛容さに恩義を感じ、お返しにイラク戦争で何があってもブッシュ大統領を支えていこうと決意したのであるとしたらとんでもない事である。

 北朝鮮がらみでもう一つ驚いた記事を見つけた。11月18日付の夕刊フジで平沢勝栄代議士が語っている言葉である。「鈴木棟一の風雲永田町」という連載記事のなかで平沢は「日朝協議はムダ、安保理決議で制裁しろ」と言っている。その中で次の発言を見逃す訳には行かない。

「一昨年9月17日の小泉訪朝の際に、北は拉致被害者の一部生存と一部死亡を発表すれば一件落着と思っていた。日本側の外務省も北側にそれらしきことを言った形跡がある。(北がだまされたと思っていることはもう一つある)。5人の拉致被害者をいったん日本に帰国させたつもりなのに北に帰ってこない。北は約束したはずだという認識だ」

 これは外務官僚が北朝鮮と裏取引をして小泉訪朝を成功話に仕立て上げようとしていた事を証明する重大な証言ではないのか。拉致不明者の生命はもてあそばれていたのである。国会で田中、平沢を呼んで証人喚問すべきほどに重大な新聞記事であると思う。


 ◇◆ 党首討論を毎日やってほしい ◆◇

普通の人間は毎日働いているので国会審議なんかを見ている暇はない。だからどんなふざけていることが国会で行われていようとも事後的にTVや新聞で断片的に知るしかない。どうやらとんでもない答弁を小泉首相は党首討論で繰り返しているらしい。

「自衛隊が行く所が非戦闘地域だ」という答弁については、もはやあらゆるマスコミが取り上げて有名になってしまったが、11月17日の党首討論でも、小泉首相は再び同じような答弁を繰り返しているらしい。岡田克也民主党党首が「とんでもない発言だ」といくら叫んでも、「極めてわかりやすい答弁だ。わかりにくいなら聞き返せばいい」と聞く耳をもたない。小泉首相は15日夜の自民党幹部の会食で「国民にどうわかりやすく説明するか色々考えた結果、ああいう表現にした」と胸を張ったそうであるが(18日毎日新聞)それは嘘である。TVを見る限りでは小泉首相はイラク特措法における非戦闘地域の条文上の定義を岡田民主党党首に聞かれ、頭に入っていなかったので答えられなかった。しばし沈黙の後に慌てて口走ったのがあの迷答弁なのである。 

そんな中で17日の党首討論であらたな迷答弁が出たらしい。18日付の東京新聞によると小泉首相は「戦闘地域になれば、自衛隊は活動しない。適切な答弁だったと今でも思っている」とまくし立てた後、これに勢いづいて、

  「イラク全土が戦闘地域だから、自衛隊を撤退させろという議論はわかるが、じゃあ民主党は米軍も引き揚げろというのか」と絶叫したという。これはメチャクチャである。イラク特措法に基づいた自衛隊派遣の合法性を議論しているのに、いきなり米軍のイラク占領を弁護する答弁を始めるとは。小泉首相の頭のなかはブッシュ大統領擁護で一杯なのであろう。さすがに岡田代表から、「自衛隊と米軍を同じ扱いにするのか」と突っ込まれると、言い過ぎたと思ったとみえて、「日本の活動は人道支援で、武力行使をしない」と軌道修正したという。

   こんな馬鹿げた党首討論はムダだから止めろという声がある。たしかに岡田代表の追及の甘さはある。しかし、党首討論を不毛にしている責任は小泉首相のあまりにも不勉強な答弁、詭弁にある。私は党首討論を毎日やってもらいたいと思う。TVの実況をいちいち観る時間的な余裕はないが、必ずマスコミは後で教えてくれるからどんな馬鹿な答弁を繰り返すか監視することが出来る。いくら小泉首相でも党首討論に備えて少しは勉強するだろう。そしてもしも勉強もせずに高をくくった答弁ばかりしているとそのうち本当に命取りになる答弁をすると思うからである。


   ◇◆ 「もうひとつの9条」に直面する小泉首相 ◆◇

   重装備をした自衛隊をイラクへ派遣することは明らかに憲法違反である。だからこそ全国で違憲訴訟が湧き上がっており、私もその一つである名古屋の違憲訴訟に原告の一人として参加しているのであるが、11月18日の毎日新聞においては「もうひとつの9条」に小泉首相は直面しているという記事がでていた。すなわちイラク特措法の9条は「内閣総理大臣及び防衛庁長官は、イラク復興支援職員及び自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない」と規定されているのだ。

来年1月の国民議会選挙に向けてイラク情勢は急速に不透明さを増している。来年三月にはサマワ地域の治安を担当しているオランダ軍の撤退も決まっており誰が自衛隊を守ってくれるのかもはっきりしない。首相は、仮に自衛隊の派遣を延長したとして、どのようにしてイラク特措法9条を守るつもりか。

93年5月に、カンボジア国連平和維持活動に派遣されていた高田晴行警視が殺害された。当時首相だった宮沢喜一氏は次のように述懐しているという。

「今でも悔やんでいます。反省すべき点は、現地の情勢を正確につかめていなかったということです。やはり思慮が足りなかった」

12月14日に期日を迎える自衛隊の派遣について、周囲の深刻な受け止め方に比べて、首相の強気が目立っているという。明言こそしないまでも首相が自衛隊を撤退させる可能性はまずないというのが大方の見方だ。ある側近はこう言い切ったという。
「首相はイラク支援が原油の安定確保につながり、日米同盟にもかなうと確信している。万一自衛隊員に犠牲者が出てもふらつかない」
ふらつかないのは勝手だけれど、「法の支配」は守ってもらわないと困る。法を犯すなら首相と言えども罰しなければならない。それが法治国家の最低限のルールである。


◇◆ 郵政民営化は大丈夫か ◆◇
 
もはや誰も騒がなくなったけれど、18日の各紙が報じている郵政民営化準備室が発表した民営化後の4事業会社の収支試算(何故か骨格経営試算という言葉が使われている)に注目すべきである。

それによると、2007年の民営時における各社の収支は郵政事業会社を除いてはすべて黒字になるとされている。しかし収益状態は年を追うごとに厳しくなることも示しており、4事業会社の経営の行方は不安含みだ。

竹中郵政民営化相は17日の記者会見で「民営化後の黒字を保証するものではないが、成り立ちうるということだ」と煙に巻くような発言を早くもしている。
一方で生田郵政公社総裁は同日の記者会見で「15年度の最終利益を前提にした試算は適正ではない、もっと低いレベルの試算をすべきだ。窓口会社が成り立つようにするため大きな委託料を払う前提にしている」などと収支試算の前提そのものを批判している。

そもそも4事業の分社化について強い反対を押し切ってつくってしまった。その分社化後の各事業会社の収支見通しに不安があるようでは、果たして改革そのものが大丈夫なのか。ついこの間の道路公団改革で委員の一人が「小泉首相は何もわかっていなかった」と言って辞表を提出し批判本を出版したことがあった。私は生田総裁もはやくも同じような運命をたどるような気がしてならないのである。


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