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中国の原子力潜水艦による領海侵犯、ガス田問題と、東シナ海が騒がしい。
領海侵犯などもっての他だし、ガス田問題も中間線で決着してくれればそれにこしたことはないのだが、これらの事件に対するネット上の論調は甚だ奇妙な状態となっている。
以前、この場に佐々木ウィルスによる「イラク報道捏造病」アウトブレイクというものを紹介させてもらったが(http://www.asyura2.com/0411/war62/msg/946.html)、今回のそれも似たようなもの。
それを助長しているのは中川経産大臣が代表格。ただし、佐々木ウィルスのような意図的な歪曲などを行っている訳ではなく、ただ真っ当に職務を遂行しているだけなのであろうが、それを俗に「ネットウヨク」と呼ばれる人々が乱用して、妙な幻覚を見て、一種の迷惑行動を引き起こしているだけ。従ってこれは「ウィルス」というより「ドラッグ」。
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中国の領海侵犯は致し方なしとか、中国側のＥＥＺは大陸棚縁辺までとすべきなどという主張はほとんど見かけないのだが、ネットウヨクと呼ばれる人々は、「サヨク」がこれらの事件に沈黙している（それが事実か否かは不明）という事を挙げて、自分達の攻撃の正当化をしている。
別に中国を批難するなら勝手にやってくれであるが、自分と異なるスタンスの者（サヨク）が、言ってもいないことを勝手に創作してそれを叩いて見せるなど、ただの「自作自演」もしくは「マッチポンプ」。
そして、更に奇妙なことには、これまでのその中国に対する「弱腰」は歴代自民党政権が主導してきたもの。そしてそれを引き継いでいるのが小泉政権。ところが何故か「ネットウヨク」は、これまで実際に政権を握ったことなどごくわずかな期間でしかない「サヨク」がその対中国の姿勢を主導してきたかのようにスリ替える。
つまりは自分で何を批判したら良いのかがわからない人々が、自分に都合良い反対の論調を述べてくれる架空の「サヨク」「媚中派」なるものを作り上げているだけのことである。
ガス田問題にしても、中国が中間線付近で井戸を掘るなど具体的な活動を行っていることを知りながら、何もしてこなかったのは歴代自民党政権であり、更には対抗して井戸を掘るはずの国営石油開発会社を「改革」の名の下に潰したのは小泉政権。にもかかわらず、苦し紛れに持ち出した「２００カイリ」などという何の裏づけもない言葉にはしゃぎだし、真の「媚中派」である小泉政権をヨイショして、架空の「媚中派」「サヨク」を叩く滑稽な姿が１０月から１１月にかけて、ネット上のそこここで見受けられた。
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ちなみにガス田問題は、１０月に入って中国側からのユノカル等の撤退、日本の「中間線を踏み越え２００カイリまでＥＥＺと主張」との方針転換が報じられ、あたかも日本が中国側に一矢報いたかのような論調がネット上を駆け巡ったが、実態は全く違う。
業界の人間と話した限りでは、前者は単に商業的な理由というのが妥当な見方。日本政府の働きかけなどで石油メジャーが撤退したわけではない。中国に対して完全に出遅れた小泉政権が、勝手に自分の手柄話にしただけのこと。
一方後者は、つまりは小泉政権が国民を騙していたってことを白状しただけのことなのに、それをヨイショするなど奇妙としか言い様が無い事態。これまで政府は「中間線が絶対に正しい、それをないがしろにする中国は理不尽」というイメージを国民に振りまいていた。それを今になって「２００カイリ」などと言うということは、「中間線」はその程度のものだったということ。
じゃあ日中双方の主張に重なっている部分はどうなるのかと言えば、資源を開発しようとしている中国と、塩漬け状態にしようとしているとみなされかねない日本では、国際社会の心証という観点では明らかに日本が不利。何しろ排他的『経済』水域の話なんですから「資源を開発する気が無いなら譲ったら？」という仲裁がなされるのは不思議でも何でもない。
これまでの自民党政権の「弱腰」政策もあって、ガス田問題では既に中国に大きく差をつけられてしまったのは厳然たる事実。
それを今になって「２００カイリ」なんて言ったって簡単に取り返せるものでは無い。まずやるべきなのは中国側に対抗して中間線の日本側で試掘をすること。ところが国営石油開発会社をつぶし自ら選択肢を縛った「真の媚中派」小泉政権が任命した中川大臣あたりが、単なる感情論をブッただけで、それであたかも日本の主張が通ったかのようなはしゃぎっぷりはまさに幻覚症状、ただ日本人の未熟ぶりを世界にさらしているだけ。
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かく言う私も、幻覚を見ている人々の土俵上にこういった内容を書き込むだけの度胸が無い分、未熟な日本人の一人ということかもしれないが。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。