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EU、トルコ加盟交渉の開始日を決定 [media@francophonie]
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投稿者 なるほど 日時 2004 年 12 月 18 日 23:58:23:dfhdU2/i2Qkk2
 

2004年12月18日

EU、トルコ加盟交渉の開始日を決定
L'UNION EUROPEENNE VA S'ATTAQUER AU CASSE-TETE TURC
欧州連合、頭の痛いトルコ問題に挑戦

12月16日付け ラ・リベルテ Tanguy Verhoosel(ブリュッセル)
元記事はこちら http://www1.laliberte.ch/journal/jo_archives.cfm?vDest=vtArtikel&id=185256

12月17日、ブリュッセルの欧州理事会で2005年10月3日にトルコのEU加盟交渉を開始することが決定しました。しかし交渉開始日までにトルコはキプロスを国として承認しなければならず、また交渉の結末が加盟と決定しているわけでもありません。この決定の前日、前々日から各紙で大きな特集が組まれましたが、ここではリベルテの特集記事から3本をご紹介します。


1本目はEU内部でのトルコ加盟賛成論、反対論を概観した記事です(ネット上のソースは抜粋のみ)。紙面では各論の前に賛成、反対の顔の絵が入っているのですが、訳中では賛成意見の前に○、反対意見の前に×、どちらともいえないに△の印を入れました。

2本目はトルコ内部でEU加盟問題がどう受け止められているのかという記事。EU内の議論の紛糾はわりと目にする機会が多いですが、トルコの人々にももちろん言い分はあるわけです。

3本目はEU加盟国各国の国民がトルコ加盟にどのような意見を持っているかというフィガロのアンケート調査を簡単にまとめたものです。


(翻訳はじめ)
欧州連合加盟25カ国の政府首脳は、長丁場になるEUへのトルコ加盟交渉を2005年10月に開始することに、今晩、間違いなく合意するはずだ。しかしながら、交渉規定は数多くの予防措置に取り巻かれている。加盟各国の国民と、首脳陣の一部が増幅させている、イスラム国家に対する恐れを反映したものだ。2025年には、トルコの人口はドイツよりも多くなる。つまり、非常にキリスト教色の濃い共同体クラブにおいて、トルコが一番大きな加盟国になる可能性があるということだ。同様に、最も予算食いの加盟国にもなるだろう。

いっぽう、トルコ加盟問題はヨーロッパに根本的な疑問を突きつけるものだ。今のところEU解体の危険があると考える者は皆無だとはいえ、EUの国境はいったいどこまで広がるのだろうか?この不安は、米国がトルコの立候補を強く支援していることでますます強まった。トルコのEU加盟について、ブリュッセルで語られている主要な賛成論、反対論を概観してみよう。

トルコは本当にヨーロッパなのか?
○ トルコのEU加盟は、ヨーロッパの石油・天然ガス供給の安定化に確実に貢献するだろう。同様に、トルコの、つまりEUの(EUがイスラム世界に歩み寄っていることから)中東地域安定化という役割がトルコ加盟によってますます強まることだろう。組織的犯罪、テロリズム、あらゆる種類の密輸についても、トルコ加盟による改善が期待できる。

× トルコの広大な領土のうち、ヨーロッパ大陸にあるのはわずか5%だけだ。たとえば、もしモロッコがEU加盟を求めた時、トルコがヨーロッパだとしたらEUはどうやってこれを拒否できるというのだろうか?微妙な問題だ。

トルコで人権は尊重されているのか?
△ EU議会保守派グループのリーダーで、トルコのもっとも厳しい批判者であるドイツ人ハンス・ゲルト・ペッターリングは「EUは人権を大幅に侵害している国と交渉するつもりなのだ」と主張している。これは事実だ。たとえば刑務所内の拷問はまだ根絶されてはいない。司法制度は不完全で、マイノリティの権利は押さえられたまま、両性の平等は理論の上だけのものだ。軍隊はというと、非宗教的であることは保証されているが、国政における影響力は非常に大きく、その役割は曖昧なままだ。
とはいえ、大規模な改革が実行に移されており、EUは改革の成果を注意深く監督している。ブリュッセルは現地観察の結果、トルコ人の間でEU加盟国になるという見通しが優勢になり、「短期間でメンタリティが進化」したと認めている。

経済的な利益は本当にあるのか?
○ 欧州評議会によれば、EU内部市場にトルコが組み込まれることは、誰にとっても利益をもたらすものである。ただしこれには、トルコ政府が金融システム、社会の安全、健全な行政(贈収賄問題)などにまでわたる幅広い問題の改革に取り組み、成果をあげるならという条件が付く。
1995年にトルコとEUの間で締結された関税合意は、その適用がまだ不完全だとはいえ、トルコの統合を容易にすることだろう。

× トルコのEU加盟は、ヨーロッパ内部での経済的・社会的不平等を増大させるだろう。EU共通の農業政策、特にEUの地方政治に対するトルコの財政面での影響力は大きく、激しい緊張をもたらす恐れがある。政策変更無しでは、複数のEU加盟国(ギリシャ、スペイン、旧東ドイツ、チェコ共和国など)が、EUの財政支援をトルコのせいで失うことになるだろう。

トルコは予算を食いすぎる?
△ トルコは貧しい国だ。購買能力という観点から見れば、トルコの一人当たりのGDPは、25カ国体制EUのわずか4分の1に過ぎない。また、トルコ人現役労働人口のうち、3人に1人は非常に原始的な形態の農業分野で働いている。数にすれば、EU全体で農業人口は1000万人なのに対し、トルコ一国で800万人近くが農業に従事していることになる。トルコ加盟以前に、EUは内部爆発の恐れがある農業政策、地方政策の改革をあらかじめ行う必要に迫られるだろう。ブリュッセルにとって、これらの改革は至上命令である。
EUは自前で計算もしている。トルコが2015年にEU に加盟すると仮定して(あまり信憑性のない仮定だが)、もし現在の政策が変化しなければ、トルコがEUの財政支援を受けられるまでに10年待たされることになる。2025年、トルコ加盟によって必要になる費用は年間160億〜290億ユーロになると欧州評議会は見積もっている。すなわち、大雑把に言って現在のEU予算の4分の1を占める金額だ。そして、EU予算が上方修正される可能性がほとんど無いことを我々は知っている…。

トルコ人は増えすぎる?
○ 欧州評議会は、トルコの人口増加がEUにとって喜ばしいことだと強調している。現在のEUは高齢化が進み労働力不足に脅かされている。

× トルコの現在の人口は約7000万人で、2025年には9000万人に増加すると考えられている。彼らがヨーロッパに押し寄せる危険性はないのだろうか?そのうちすでに300万人は欧州に定住しているが(内75%がドイツ)、これが社会的・経済的なバランスを崩す危険性はないのだろうか?デンマークのような国が恐れているのはこのことである。デンマークは、トルコ人労働者の入国を抑制しうるような永久的約款を提案しようとしているのだ。ブリュッセルは、人の移動の規模がどの程度のものになるか予測するのが困難だとしている。2030年までの人の移動予測は、EU全体でトルコ人移民の数を50万人と見積もるものから、ドイツ一国だけで440万人に達するとするものまで、大きな幅があるのだ!

トルコの影響力は大きすぎる?
△ トルコの人口の重みは、同様にEUの決定プロセスにも影響を及ぼすリスクがある。議席の上限が750名に定められている欧州議会で、トルコはドイツと同数の96議席を占めることになる。いっぽう、トルコが加盟すると英国、フランス、イタリアの議席数は削減されることになる。
決定に際し二重過半数方式(各国の55%以上の賛成、かつ賛成国の総人口がEU人口の65%に達しなければならない)が採用されるEUの閣僚評議会でもトルコの比重は重い。元フランス大統領ヴァレリー・ジスカール・デスタンのように、この比重が重すぎると考えている人もいる。ジスカール・デスタンはトルコをEUに加盟させるよりも「特権的パートナーシップ」を結ぶべきだと呼びかけている。
(翻訳おわり)


Au coeur de l'Anatolie, les avis sont partages
アナトリアの最奥部でも意見は分裂
12月16日付け ラ・リベルテ−AP  Louis Meixler(アナトリア)
元記事はこちら http://www1.aliberte.ch/journal/jo_archives.cfm?vDest=vtArtikel&id=185255

(翻訳はじめ)
多くのトルコ人はトルコのEU加盟を望んでいる。加盟によって生活レベルが向上すると確信しているからだ。しかし、トルコのイスラムの伝統からかけはなれているように感じられることが多いヨーロッパ風の文化モデルについては、トルコ人ははるかに用心深い見方をしている。トルコ東部のサカルカヤ村の村長、メメット・ジェティンにとって、EUはより良い生活への約束を体現しているが、同時に脅威でもある。トルコ人の子どもたちが、多くのトルコ人の目には過度に寛大なものと映るヨーロッパの価値観を取り入れ、とくに女子の振る舞いについて影響を及ぼすことを村長は危険なことだと考えている。

滅びかけている価値観

複数のアンケート調査の結果を見ると、トルコ人の70%はEU加盟に賛成しているが、同時に過半数を大きく超える割合の人々が、トルコ全土に深く根を下ろしている保守的なイスラムの価値観をヨーロッパが脅かすと考えている。トルコ政府との加盟交渉の開始に際し、ヨーロッパは異なる伝統を持つ国を統合する方法について熟慮せざるを得なくなるだろう。
2つの生活スタイルのコントラストは、トルコ東部のアナトリア最奥部で特に顕著だ。人口1600人のサカルカヤ村のような山あいの貧しい村々では、女性は基本的に家庭に引きこもり、ヴェールをかぶっている。
アナトリア中央部は「正義・発展党」(AKP、与党)の本拠地だ。AKPはイスラム運動から生まれた保守政党だが、トルコのEU加盟を進めようと努力してきた。前回の選挙で、サカルカヤ村の有権者700人のうち465人がレジェップ・タイップ・エルドアン首相が所属するAKPに投票した。
AKPはすでに、トルコにおける人権状況の改善、司法システム改革、国政における軍部の権力の縮小に取り組んでいる。中東技術大学の政治学教授、アイセ・アヤタは、「与党がEUに接近しようとさらに新たな改革を行ったら、自分自身の価値観を脅かすことになるだろう」と警告する。

「お医者さんが来るよ!」

10月にAKPの議員が姦通罪を法制化しようとした時、EUとトルコの間の文化的な溝は表面化した。最終的にはEUの圧力のせいで、姦通罪法案は撤回された。しかしトルコ政府がEUに歩み寄るにつれて、与党内での緊張が高まる恐れがあり、トルコでもっとも保守的なAPKの党員は、ヨーロッパの厳しい要求のいくつかを拒否しようと試みたり、イスラム的な政策を導入させようと試みたりしている。サカルカヤ村の住民はこのような思惑からは遠いところにいる。彼らにとって、EUは何よりも経済的な繁栄を意味するのだ。メメット・ジェティンは「ヨーロッパでは、各家庭に主治医がいるという話を聞きました。もしトルコがEUに加盟したら、この村にも一人は医師がやって来るのではないでしょうか」と楽しみに待っている。

(翻訳おわり)


Deux Francais sur trois disent "non"
フランス人の3人に2人は「反対」
12月16日付け ラ・リベルテ
元記事はこちら http://www1.aliberte.ch/journal/jo_archives.cfm?vDest=vtArtikel&id=185257

(翻訳はじめ)
トルコを「クラブ」に加入させるか否かについて、ヨーロッパ人の考えは大きく分裂している。月曜日にフィガロ紙上に掲載されたアンケート調査によると、フランス人の67%、ドイツ人の55%はトルコのEU加盟に反対している。反対の理由はトルコの人権問題、ヨーロッパとの宗教的・文化的な差異、ヨーロッパにおける犯罪増加の危険性などだ。これとは反対に、スペイン人の65%、イタリア人の49%、英国人の41%は、トルコが近代化のために払った努力、EUがトルコにまで拡大することによって得られる地政学的な利益、加盟拒否の場合にトルコのイスラムが過激化する危険性などの理由からトルコ加盟に賛成している。

人々のためらいを考慮せざるをえないヨーロッパは、加盟交渉開始のゴーサインに様々な保証を組み合わせざるを得ない。議長国オランダによって起草され、今週初めに加盟各国の外務大臣に提出された計画の最終稿は、「加盟交渉は開かれたプロセスであり、(トルコ加盟という)結末をあらかじめ保証するものではない」と条件付けている。

綿密な点検

いつ何時でも、EUの加盟国は交渉を中断することができる。また、欧州理事会での投票で有効過半数を獲得すれば、交渉を中断できる。トルコ加盟交渉はこれまでのEU拡大の過程とは異なっている。8万ページに及ぶ欧州連合の理念にトルコの現状が合致するよう、トルコ議会によって可決された改革計画が厳正に適用されているかどうかを、EUは現地トルコで点検する。
(翻訳おわり)

http://blog.livedoor.jp/media_francophonie/archives/10939439.html
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