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香田さんの命とともに失われたもの
神奈川県 2004-12-31 19:50:49
http://ac-net.org/appeal/8/msg/109
「彼らは、なぜ日本政府が法を破ってイラクに自衛隊を派遣したのかと尋ねています。小泉さん、彼らは自衛隊の撤退を求めています。さもなくば…」
香田さんの最後の言葉はこういうものだった。確実な死に直面させられた彼が、なぜあの時バッシングを受けたのか。おそらくそれは、自衛隊も日本政府もイラクの味方、平和のための戦いだ、といった単純なフィクションが、あの映像一つで、あの一言によって崩れてしまったからだろう。自分のついた嘘がばれると、人間は怒る。最初の一言は、故意に切られたのだろうか？何度もくり返される映像でも、聞いた記憶がほとんどない。
日本が何十年間にもわたって自らに課し続けてきた禁を破ってまで、仲間を殺し続けるアメリカの側についたことが許せないというイラク人も大勢いるはず。法を破るという行為に、この戦争に臨む日本の並々ならぬ決意を感じとる武装勢力がいても不思議ではない。イスラム世界では、法というものはずっとずっと重いと聞く。香田さんの処刑が残忍だったのは、そんな日本への憎しみと、何万という犠牲者の報復の意味が込められていたからではないのだろうか。一体、私達にイラクの、イスラム世界の何が分かるのか。相手を知らずに戦争などできるわけもなく、相手の痛みを知ることのない援助などなおさらではないのか。
“言葉を正しく生む人”、あるいは“生を諌める人”である証生さん。あなたのぎりぎりのところで発せられた訴えを聞かず、見殺しにすることで私達が失ったものは、ただ一人の命以上に、ずっとずっと大きかったのではないだろうか。過去の戦争の膨大な犠牲者への弔いの言葉と悔恨の念によって支えられてきた不戦の誓いも、あの時脆くも崩れ去ってしまった気がしてならない。
イラクで人が死ぬごとに失われていくものは何だろう。まず確実に奪われるのは、言葉というもの。情報は隠され、事実は歪められて伝えられる。聞きたくない言葉を発する者はバッシングの暴力に曝される。
例えば、亡くなった橋田さんの遺志は、別にＴＶのマスコットよろしく映し出されるあのイラク人の子供ではない。治療のことは取材の途中でついでに頼まれたにすぎないだろう。プロのジャーナリストであったこの人がイラクに行ったのは、そこで起こっている現実を自分の目で確かめ、自らの言葉で語るためだった。“リスクを背負ってでも現実を見ろ”というのが遺志だったはず。しかし、事実はオブラートで包まれ、故意に間違って伝えられ続ける。そうしないと困る人達がいるから。
自分の身をもって、この戦争の現実を確かめた香田さん。彼もまた、薄っぺらい“グロテクな画像”という矮小化された世界に閉じ込められ、その思いも言葉も消されていくのだろうか。あまりにもやり切れない。彼があの時あそこにいた、ということの意味を噛みしめたい。戦争に反対する権利だってあるはずだ。
http://ac-net.org/appeal/8/msg/113
海外から見た日本・そして香田さんの死
上海 会社経営 2005-01-02 18:59:56
残念なことに、香田さんの死以降、様々な不憫な事件が多発。日本国内地震・台風・そしてスマトラ地震による大津波。私の知っている中国人の女の子も、タイに行ったきりで、まだ安否が分かりません。命に対し、考えさせられた正月です。海外から見た日本は、本当に心が病んでいる社会と思われます。自国の人が捕虜で捕らえられた際、あらゆる個人が登録できるメディアで掲示された言葉の多くは、批判めいた事や心の無いものばかりでした。海外から見た日本人は本当に悪鬼じみた姿でした。特に中国では、その辺がすごく敏感で、日本人が同じ日本人に対しバッシングしている姿を見て、やはり残酷な人種であると評価している。そして、情報サイクルがあまりにも早いので、今ここで書き込みしている方々以外で、香田さんの死をいまだに染みている方はどれだけいる事でしょうか？まだ２ヶ月ほどしか経っていないのですが、もう遠い昔の事のように感じているのでは無いでしょうか？かつての日本の精神はどこに行ったのでしょうか？そして、パフォーマンスだけで自愛精神の強い政治家の皆さんは、教訓にしているのでしょうか？いいかげんアメリカ離れしたらどうでしょうか？イラクに軍隊を派遣しなければならないという日本人はどれだけいるのでしょうか？間接投票・官僚型政治の限界かもしれません。
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このリンクをたどってゆくと以下のＵＲＬが元記事のようです。ご参照ください。
http://www.ac-net.org/appeal/8/
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。