１９７０年に私がレバノンを訪ねたときはムスリム人口がクリスチャン人口をぐんぐん抜き出した時期で、第二波のパレスチナ難民がどっと押し寄せていた時期でした。イスラエルが大きく関与し、米海兵隊まで繰り出した１７年間に亘る内戦が終わって、ようやく一般人の入国許可が下りて９６年春に行った時は、確かに南から北まで道路通過の検問をしていたのはシリア兵が多く、レバノン人も煩がっていました。それから私は殆んど毎年くらいレバノンに出かけて、民間で復興のお手伝いをしましたが、イスラームの人たちの中にいたせいもあったかも知れませんが、シリア人を悪くいう人に会ったことはありませんでした。実際、兵士を町や街道で見かけることは少なくなりました。それよりも２００１年春の体験です。４８時間以内ならビザ無しで入国できるので、用を済ませたらすぐシリアに抜けるつもりでした。ところが空港で２時間、もめにもめました。レバノンもまた内戦時に戻るのかな、と思いました。今日のレバノンは、もう大分前から用意されていたのではないでしょうか。

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