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<捜査情報漏えい>黒い癒着を指弾、「調活費疑惑は別問題」 (毎日新聞)
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投稿者 月読 日時 2005 年 2 月 03 日 02:41:46: ydTjEPNqYTX5.

(回答先: 「予想外の結果」実刑の三井被告、判決批判〔読売〕 投稿者 ネオファイト 日時 2005 年 2 月 02 日 21:00:00)

<捜査情報漏えい>黒い癒着を指弾、「調活費疑惑は別問題」

 法務・検察当局を震かんさせた「現職検察幹部の犯罪」に、裁判所が下した結論は「有罪」だった。収賄罪などに問われた元大阪高検公安部長、三井環(たまき)被告(60)に対する1日の大阪地裁判決。「検事の職責を売った前代未聞の不祥事」か「検察幹部による調査活動費流用疑惑を告発させないために口封じをした不当逮捕」か。にらみつけるように裁判長を凝視し続ける三井被告。やや上気しながらも冷静な表情を見せる検察側。判決は、検事としての権限を逸脱した三井被告の行為を厳しく処断し、暴力団関係者らとの“黒い癒着”を強く非難するものとなった。

 午前10時、グレーのスーツにノーネクタイ姿の三井被告が大阪地裁201号法廷に入廷した。91席の傍聴席は満席だ。

 「三井さん、前に立ってください」。宮崎英一裁判長の声が静まり返る法廷に響く。直立した三井被告は両手を体の横に添え、背筋を伸ばしているが、ひざが小刻みに震えていた。

 「主文、被告人を懲役1年8月に処する」。裁判長が主文朗読を始めると、三井被告は口を固く閉じたまま、軽くうなずいた。怒りのためか、ひざはさらに大きく震える。にらみつけるように正面を凝視したまま、裁判長に向かい合った。

 眉間(みけん)にしわを寄せ、一言も聞き逃すまいとメモを取る弁護団。主張が大方認められ、上気したように見える検察側。主文の言い渡しが終わり、椅子への着席を許された後も、三井被告は傍聴席を振り返ることもなく、裁判長を見据えたままだった。

 「逮捕は口封じだ」と主張してきた三井被告に、判決は「口封じと主張するのは無理からぬところだ」と一応の理解は示した。しかし、「暴力団関係者との交友関係を背景とした犯罪行為があれば捜査するのは当然」と述べ、三井被告の主張を全面的に退けた。

 しかし、女性の接待のうち1件については、「有罪判決を受けた(贈賄側の)元暴力団組員の証言は信用できない」と無罪を言い渡し、「検察側のでっち上げ」との疑念も残した。

 ◇「秋霜烈日」の理想どこへ?

 「生まれ変わったら、また検事になりたい」。判決の5日前、大阪市内で会見した三井被告は、かつて胸に輝いていた「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」のバッジへのあこがれを持ち続けていることを吐露した。秋霜烈日は、検事という厳正な職務、その理想像を示したものだ。

 叔父は戦前に検事、戦後は弁護士を務めた。学生時代には、疑獄事件を手掛け「特捜検察の星」と呼ばれた河井信太郎元検事の講義を受け、検察官を目指し、69年に司法試験に合格した。

 ところが、88年、高知地検次席検事に就任し、調査活動費の「からくり」を知った。法廷では「毎月10万円欲しいという検事正もおり、マージャン代にあてていた」と証言。証人出廷した元大阪高検検事長の荒川洋二弁護士に直接質問した“師弟対決”では「高松地検時代、一緒に検察幹部を接待した。接待費はどこから出したのか」と詰め寄ったが、荒川弁護士は「覚えていません」と答え、それ以上の追及はできなかった。

 論告求刑公判は、かつての同僚が、三井被告と元組員の癒着を厳しく指弾した。三井被告も最終意見陳述で「批判を甘んじて受けなければならない」と、秋霜烈日の理想とかけ離れた行動への反省の弁を述べた。

 三井被告は詐欺罪などで起訴された02年5月10日、懲戒免職に。同31日には、原田明夫検事総長(当時)ら検察幹部3人が戒告や減給の処分を受けた。検察トップが初めて懲戒処分を受ける事態だった。

 ◇法務省「実刑は当然」

 判決を聞いた法務省幹部は「暴力団と付き合うなんて検事の常識では考えられない。検察からああいう人間が出たのは極めて遺憾。実刑は当然で、裁判所は事件の破廉恥さをきちんと認定してくれたと思う」と、三井被告を批判した。別の検察幹部も「前代未聞の事件で、厳しい判決は当然だ」と語った。

 調査活動費(調活費)について、検察幹部は「もともと本件とは無関係な話。被告が『逮捕は調活費問題を明るみにさせないための口封じ』と主張しているのは根拠がなく詭弁(きべん)」だ」と指摘。法務省幹部は「被告は具体的な事実を挙げて追及したわけではなく、彼が言っていることのほとんどはでたらめ。ただ、調活費について指摘があったことは真剣に受け止め、現在はきちんと監督しながら執行している」と話した。

 ▼南野知恵子法相の話 判決自体への所感は差し控えるが、高検幹部であったものがかかる不祥事を起こしたことは誠に遺憾だ。

 ◇「検察の歴史に泥」土本・帝京大教授

 元最高検検事の土本武司・帝京大教授(刑事法)の話 収賄の一部が無罪になったのは捜査不十分と言うほかないが、実刑判決は検察がほぼ完勝したといえる。現職検事と暴力団の癒着ともいえる事件で、検察の公正さと信頼を著しく傷つけた。これまで検事の不祥事がなかったわけではないが、その多くは職務熱心のあまりであり、三井被告は日本検察の歴史に泥を塗った。本件と調査活動費とは全く別問題。調活費の件があってもなくても厳しくただされるべきものであり、もし調活費流用疑惑があるなら、検察は本件とは別に自ら国民に説明すべきだ。

[毎日新聞2005年2月1日]

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