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JR西日本の「日勤教育」に対する日本政府の認識
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投稿者 魔神の呪い 日時 2005 年 5 月 07 日 11:51:12: jqFtwBeL738K2

(回答先: カマトトぶるんじゃない北側国交相 現場の声を無視し続けたのはJR西当局だけか 投稿者 魔神の呪い 日時 2005 年 5 月 06 日 19:52:07)

JR西日本の「日勤教育」に対する日本政府の認識
――2001年11月8日参議院国土交通委員会議事録より

○弘友和夫君 テロ対策の安全問題、またいろいろと別の機会にもやりたいと思いますけれども、今、大臣言われたように、本当にいろいろなケース、いろいろなことが考えられる。そういう中で本当に安全というのを一番、すべてこれに携わっておる人がまず安全第一だということを考えなければならないというふうに私は思うんです。
 ところが、ちょっと指摘をさせていただきたいんですけれども、これはおかしいなと思うのが、先日の新聞報道に、十月二十三日に載っていたんです。
 これは、JR西日本尼崎電車区の四十四歳になる運転手の方がことしの夏に自殺を図りまして、遺族の方が労災申請をしたと。その報道によりましたら、そのときに車掌さんから電源表示灯に異常があると、こういう連絡を受けた。その運転手さんが後部座席というか、百四十メートル離れているところに点検をしに行って、それを確認をして、点検作業のためにその出発が約五十秒おくれたと。それがミスだということで社内の再教育が必要だということでやられたと。で、自殺をして、労災の申請が現在遺族からなされていると。
 私は、安全確認のために出発が五十秒おくれた、そのおくれも後の二駅ぐらいで取り戻しているわけですよ。安全確認のために出発がおくれた、そのことでもって乗車から外して、結果的に安全教育をするんだということでずっとさせられて、その方を自殺に追いやったというか、自殺されたということというのは何かおかしいなというふうに思うんですけれども、国土交通省としてこういう事実を調査をされているのかどうか。
 それともう一つは、この会社は、この雑誌によりましたら、一年半の間に何か七人の自殺者の方も出ているという、こういうことなんですけれども、このような事実について調査をされているかどうか、お尋ねします。

○政府参考人(石川裕己君) ただいま委員の御指摘の件でございますが、本件につきましては、JR西日本から私ども聴取したところを申し上げますと、本年の八月三十一日、本人は高槻駅発京都行きの始発列車を運転して、午前五時二十三分に京都駅に着いたわけであります。この列車は京都駅で折り返し運転でございます。その列車折り返しの際に、先頭となった運転台に移動した時点において逆転器の操作を行っていなかったために、後部となった運転台、つまり戻るときは車掌室になるわけですが、その車掌室の自動列車停止装置の電源表示が点灯したままだった、こういう事実でございます。
 その車掌室の自動列車運転停止装置の電源表示がついたままだったということに気がついた車掌が、その旨を今度は前の方になる運転台にいる本人に連絡したところ、本人はその運転台を離れて後部運転台、もとの運転席、今の車掌室に戻ったということでありまして、そこで検査係の応援を求めたと、こういうことであるようでございます。
 このようなケースでは、基本的に先頭の運転台にあります逆転器というものを前進方向にすれば、後部となった運転台、つまり後で車掌室になった方でありますが、車掌室にある方の自動列車停止装置の電源表示というのは消えるシステムになってございます。したがって、運転台にいて逆転器を前へ倒せばいいわけですが、そういう旨を出動してきた検査係が指摘をしたということで、それでその本人はもう一度もとの運転台に戻って、それで運転台の逆転器を前進方向に入れた。そうしたら、システムのとおり車掌室の列車停止装置の電源表示は消えたというものであります。こういうことでありまして、この間、所要の時間がたってしまったわけであります。
 会社側は、本件の遅延の事態というのは、いわゆる人間のミスをバックアップする安全装置であります自動列車停止装置、これに関する基本的知識の欠如ということで発生したいわば事故の芽ということであると認識しまして、これによって後日、事故防止のために本人に対して日勤教育を行ったというふうに聞いております。
 この列車は折り返し運転でございますが、折り返しのためにもともと二十分の余裕があったわけでございます。今申し上げたようなことがあったために所定の発車時間である五時四十三分から一分間おくれてしまったということでありますが、もともと二十分の余裕があった中でこういう事態になったということでございます。
 あとは、事実関係と申しましては、本人はその後、日勤教育を三日間受けまして、三日目の翌日に当たる九月六日にみずから命を絶たれたというふうに聞いております。

○弘友和夫君 労災申請は。

○政府参考人(佐田通明君) ただいまの事案につきましては、十月二十三日に御遺族の方から尼崎の労働基準監督署に対して遺族補償年金の支給の申請がございまして、同日に受理しております。理由は、被災された方は、その点検の際の不手際による列車の遅延を理由として乗務の勤務から日勤勤務の形態に変更され、そのことが原因で自殺されたために業務に当たるのではないかと、こういう申請の理由になっております。

○弘友和夫君 だから、先ほどから私が言っているのは、今の局長の説明で、要するに逆転の何か機械を動かしたらそれでもとに戻るような程度のものをよくわからないで呼んで点検をしたのでおくれたんだ、本人の責任だと、こう会社の方が言われているということを今言われたんだと思うんですよ。これが私は、この考え方を変えないと今後大きなミスに、事故につながりますよと言っているんです。
 だから、もし異常ランプがつきました、例えばどこか自分の操作が間違っているんじゃないかと、自分の間違いでもってそういう時間をとったら、またそういう日勤教育なり乗車を拒否される、そして外されるということになると、そんなのは何か自分の間違いだろうとかなんとかいうことでやってしまうわけですよ、マニュアルどおりでやると。だから、十年前のあの信楽鉄道事故というのは、まさしくおかしいなと。待機場所に対向の列車がいない、おかしいなとは思っているけれども、信号は青になってマニュアルどおりに、今時間がおくれたらいかぬからというので突っ込んだときにあの大事故になったわけですよ。
 だから、本人の失敗だとかなんとかでそういうものを余り強調してやると、それが即大きな事故につながりますよ、そういう教育の仕方がいいんですかということを、私は、これは別にここの会社がどうとか言っているわけじゃないんです。どういう会社であっても、どこのどういうあれであっても、携わる会社にしても働いている方にしてもそういう体制にしないと。
 日勤教育というのは初めて知りましたけれども、要するに乗車から外して、聞くところによりましたら、衆人環視の中で助役さんが何人かずらっといる真ん中に机を置いて、要するに見せしめのためにさらしものにされると。朝の九時から十七時四十五分まで拘束されて、昼には一時間の昼食のあれはあるけれども、周りの監視者から常時見張られてたばこも吸えず、お茶も飲めない、トイレに行くにも監視者がついていくと。そして、そこで反省文をずっと書かされる。
 この自殺された方は、五月には表彰を受けているくらいこの二十年間事故歴なんか何もない。だから、事故のあれを書きなさいと言われても、事故を起こしたことがないのに書けないわけです。だけれども、書かないと許されないから、ほかの人の話とか自分がはっとしたとかいうようなことをずっと書いた。そうしたら、またそれを責められるというようなことで、大分精神的に追い詰められていたという話なんです。
 こういう昔ながらのといいますか、こういう教育がいいのかどうか。何か本人が失敗したら、もとに戻って、こういうことは実際もう一回やらせてみるとかなんとかいうようなシステムにしていかないと、何か一回失敗したら徹底的にやられるんだということになると、これはそれを隠すようになったりいろいろな弊害というのが起こってきて、大きな事故に私はつながると思っているわけですよ。
 だから、こういう再教育の仕方ということについて国土交通省として調査をされたことがあるのか。それと、きょうは法務省の中川政務官にわざわざおいでいただいて済みませんけれども、人権擁護の観点からこういうことが果たしていいのかどうかという、そういうことについても御答弁をいただきたいというふうに思います。

○政府参考人(石川裕己君) 一つは、鉄道の安全ということは当然大事なことであります。特に、鉄道はシステムで動いておりますので、いわばあらかじめ定められた各種の基本動作というものをそれぞれきちっとやっていく、それを積み重ねていくということがまず第一に大事なことだと思っております。
 そういう意味で、事故の防止の観点からは、いろんな考え方があると思いますけれども、まず基本的にはマニュアルに沿った基本動作をきちっと励行するということが最も効果的であると思っております。
 もう一つ、教育の問題でございますが、当然、運転手の教育というのは最も重要な事項の一つであります。したがって、そういう意味で、各鉄道事業者、それぞれ鉄道事故を防止するという観点から安全教育というものをしっかりやっていると私どもは思っておりますが、そういう意味で、事故やあるいは事故の芽というふうなものを生じさせた運転手に対して、同種の事故を含めた事故防止を目的としてJR西日本が日勤教育を行っているというふうに聞いております。
 具体的な教育内容等につきましては、基本的には各鉄道事業者の御判断だろうと考えております。

○大臣政務官(中川義雄君) 私は、我が国の鉄道の歴史、百三十年に及ぶと思いますが、その安全性、正確性というものは世界に誇るべきものだと自負しております。それはまさに厳しい安全教育や不断の努力によってもたらされたものと理解しております。
 委員御指摘の件につきましては、御指摘の記事には接しましたが、具体的な事実関係を法務省としてはまだ承知しておりません。一般的に申し上げますと、このような事件におきましては、被害を受けたと言われる方からの申し出によって具体的な事実を踏まえる調査をし、そして人権事犯となればそういった角度から取り上げていくものと考えておりますが、そういう事実がまだないものですから、そういう調査はまだ行っておりません。

○弘友和夫君 余り私は会社のいろいろな教育だとか、そういうものにここでは立ち入るというようなつもりはありません。今の局長の、確かにマニュアルどおりやらないといけない、だけれども、余りにもマニュアルどおり、目で見て運転している方が違うんじゃないかと思っても、マニュアルがこうなっているからとやったときに、例えばテロとかなんとかが来て違う信号を動かしたとかなんとかいったときに、マニュアルはこうなっているからというのでそのとおりやったら大変なことになりますよと私は言っているんですよ。
 だから、それをどう判断するか。危ないと思ったら、マニュアルはこうなっていてもあえて列車をとめるとか、そういうことが大事なんじゃないですかと私は言っているんですよ。それが一番安全なんです。マニュアルがこうなっているから、時間をおくらせたら大変なことになるとか、そういうことが余り強調されると本当に大きな事故につながりますよということを最後に言って、またこういうことが二度と再び起こらないようにぜひ指導をお願いしたいと思います。(以下略)

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