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ジャーナリズム
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投稿者 外野 日時 2005 年 3 月 26 日 12:59:01: XZP4hFjFHTtWY

(回答先: 元々、スクープはジャーナリズムでは無い 投稿者 ODA ウォッチャーズ 日時 2005 年 3 月 26 日 11:14:06)

「マックスウェルの悪魔」的なものですね。
純粋な客観はありえない、世の中の膨大な問題の中から、何を書き何を書かないか、という作業自体に既に記者の主観が入っている、とも言いますが、しかし僕はそれは或る風景をどの場所から見ているかというようなことでもあると思っています。
また、ジャーナリズムは世の中に必要なものであり、理論的に純粋な客観はありえないからといって、無くしていいものでもありません。ただ、純粋な客観というのはありえないということをジャーナリスト自身が自覚することは大事でしょう。
「個人を語ることが世界を語ることにつながるもの、それが詩人というものだ」という言葉もあります。

次のものは、以前「マスコミは権力を監視(批判)しなければいけないって、何故?」という問いに対し書いたものです。ジャーナリズムというのは世の中に存在する問題の提示という作業でもありますが、その中で特に権力の監視が必要な理由について説明をこころみたものです。
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「権力」と「反権力」の違いは何だと思いますか?それを考えれば、「権力」には何故監視が必要なのかがわかると思うのですが。

たとえば、電力会社は管轄地域の電力網を常に監視していますね。
どこかでトラブルで停電が起こった場合、それを放置することは人々の生活に多大な影響を与えます。
しかし、その監視システムを、電力自由化の価格競争への対策として、僻地では手を抜いていたとしましょう。電力自由化といっても、普通の市民にとってはどこから電力を買うかなんて選択権はありません。僻地となれば尚更です。つまり、手を抜いた電力会社に全面的に頼るほかないわけで、その電力会社にかけあったとしましょう。
このとき、もし、マスメディアも地方自治体も中央の政府も存在しないとしたら、この電力会社が競争の厳しいおり、それらの少数の人々にどれだけの誠意ある対応をするかは未知数ではないでしょうか。では、地方自治体や中央政府がある場合はどうでしょうか。その未知数はかなり改善されるでしょう。でも、もし、役人や議員がその電力会社と癒着をしていたらどうでしょうか。未知数は未知数のままです。
ここで、それらを多くの国民に告げるマスメディアが加わったらどうなるでしょうか。
電力会社も地方自治体も中央政府もへんなことはできなくなります。
このへんなこと、というなかには、原発に批判的な立場をとる人の家には電力は売らないとかいうようなことも含まれます。あるいは、お前は右翼だから左翼だから外国人だから、というようなこともです。
突飛な、とか有り得ないこと、とか言わないで下さい。たとえば、ヒットラーは国の法を変えることによって、合法的にそういうことを実現させたのです。

へんなことはできなくなる、と書きましたが、これには二つの前提が必要です。まず、法自体が、へんなことは許さないものになっている必要があります。もう一つは、マスメディアが事実をそのまましっかりと多くの国民に提示をする、ということです。
そのうち、「へんなことは許さない」法を作るのは議会です。すると、こちらにも監視というか、検証の必要が出てきます。
毎日仕事や家事、勉強などにおわれている多くの人が、議会を傍聴し、また専門家からその内容のレクチャーを受け、自分なりの判断をする、というのは現実問題として無理です。
また、多くの人にそれを告げ知らせ、その多くの人の判断に委ねるということもです。
その肩代わりをある程度するのがマスメディアの仕事です。
また、彼らはそれで報酬を得ています。電力会社が電力を売って報酬を得ているようにです。(テレビなどは視聴はタダで、報酬は広告を出す企業スポンサーから得ていると言われかもしれませんが、視聴者が見ない番組に広告を出す企業はいないということを考えれば、主体は視聴者にあるし、またその企業の広告費自体が製品の価格に含まれており、それを購入するのはテレビを見ている消費者である視聴者です)

最初の問題に戻りましょう。
手をぬかれて困る人々はこの場合「反権力」です。彼らには自身何の力もありません。電力会社に頼むしかないのです。
一方、電力会社のほうは、その力のない人々の生活を自身が左右できるという意味で彼らにとっては一種の「権力」者です。
しかし、その権力者を、また左右できるのが国の政府です。つまり、電力に関しては最大の「権力」を持っている集団ということになります。
その「権力」を持っている集団や人が、「力」を持たない人を左右する政治・行政の中身を、それらが施行なりされれば”従うしかない”ものを、「力」を持たない人に告げ知らせ、有権者や消費者などに権利の行使の機会を与える、「力」の均衡をとるというのがマスメディアの大きな仕事です。
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