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天木直人メディア裏読み(3/6)国会をぶっ潰した小泉首相 /「警察官の増員」に関する二つのコラム 
http://www.asyura2.com/0502/senkyo8/msg/897.html
投稿者 天木ファン 日時 2005 年 3 月 07 日 22:37:27: 2nLReFHhGZ7P6

3月6日 05年38号 ◆ 国会をぶっ潰した小泉首相 ◆ 「警察官の増員」に関する二つのコラム 
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◆ 国会をぶっ潰した小泉首相
◆ 「警察官の増員」に関する二つのコラム
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◇◆ 国会をぶっ潰した小泉首相 ◆◇

 05年度の政府予算案が2日、衆議院本会議で自民、公明両党の賛成多数で原案通り可決され、参院へ送付された。

この事実が3日の各紙に淡々と小さく報じられていた。しかしその意味は大きい。憲法の規定により参院が可決しなくても30日以内に成立するため、これは予算案が年度内に成立するということだ。事実上の国会の終結だ。ただでさえ無意味な国会の審議が今後は殆ど意味がなくなる。参議院の議論はよほど議員が面白い論戦を展開しない限りだれも聞かなくなる。消化試合だ。
しかしこれまでの衆議院で政治家たちはどこまで真剣に審議したというのか。これほど問題が山積しているというのに、記憶に残る良質な論戦は皆無だったではないか。

 この形骸化した国会を厳しく批判していたのが3月3日の産経新聞であった。その論説「主張」で「看過できぬ国会の形骸化」と題して、年金問題の議論のなさ、政治と金をめぐる与野党の泥仕合、郵政民営化関連法案などの法案提出の遅れなどを挙げ、また関連記事の中で、無抵抗で予算案を通過させざるを得なかった民主党のふがいなさを嘆く。小泉首相の粗い答弁と野党の雑な攻め口による深みのない国会論戦を笑う。

 何故国会がこんなに不毛になってしまったのか。3月5日の毎日新聞「視点」の中で与良正男論説委員が「お寒い国会」と題してこう書いている。

・・・2大政党化時代を迎え、かえって国会審議がつまらなくなってしまった・・・民主党は「政権準備」をアピールしようと対案作りに熱心だが・・・政府を厳しくチェックする姿勢に乏しく、「どうせ数でかなわないから政府案に反対と叫ぶより地元で選挙運動をしていたほうがいい」との声まで聞く。こうなると身も蓋もない・・・「国会とは何か」・・・国会で議案を修正するのは当たり前だという発想に(与野党議員の意識を)転換することだ・・・(郵政民営化について自民党と妥協を重ねるのではなく)小泉首相は信念に基づいてもう法案を国会に提出し(早く国民の前で国会審議を始めたほうが)いい・・・。

本当にそのとおりだと思う。国会は議論の垂れ流しの場ではない。国民にとって好ましい政策を決める場だ。国民にとって不利益な政府の政策を阻止する場だ。特に野党は、政府が決めようとする政策に不適当な箇所があればそれを修正させることに全力を傾けなければならない。だからその質問も、自説を開陳して悦に入るのではなく、政府が修正せざるを得なくなるよう国民の前で追い込むような質問をしなければならない。そして追及すれば事足れりではなく、修正が実現されるところまでフォローアップしなければならないのだ。

しかしやはり国会を不毛にした最大の責任者はこの国の首相だ。小泉首相だ。3月3日の参院予算委員会の小泉首相の答弁振りを偶然TVで見てしまった。野党第一党の民主党議員が、郵政民営化問題について、谷垣財務相と麻生総務相の答弁の違いを指摘して、小泉首相の指導力を質した時である。
小泉首相は、首相はそういう事をやらなくてよい、自ら決断しなければならないような事態にならないよう皆がよく話し合って決まるのがよいという趣旨の答弁をした後で、「よきにはからえ」だと言い放って不適な顔で席にストンと座ったのである。

その時私は、この一言が小泉首相の命運を奪うことになると予感した。奢りもここまでくれば終わりだと思った。国会を潰したのは間違いなく小泉首相である。この小泉首相の発言は国会議事録に永久に残るであろう。しかしこの発言をメディアも国民もまったく問題にしていない。国会をここまで無意味にしたのは結局はこのようなメディアと国民なのだ。


◇◆ 「警察官の増員」に関する二つのコラム ◆◇

 2005年度から三年間で地方警察一万人が増員されるという。増員にあたって警察庁は、新宿歌舞伎町などの大規模繁華街対策や、重大テロ対策要員に充てるとしている。この警察官の増員について、二つのコラムが目に留まった。いずれもうなずけるコラムである。

その一つは3月3日の東京新聞、宮崎学の「本音のコラム」である。彼は今警察に問われているのは、数の問題ではなく質の問題であるとして、いくつかの例をあげている。たとえば大学院生拉致・暴行死事件の裁判で、神戸地裁は警察官の数が少なかったから捜査ミスが起きたのではなく、警察官全体を覆う無責任な意識によると判決文で断じたこと、北海道警、福岡県警の裏金問題で3000人超が処分された事に見られるように犯罪検挙率の低下は警察不祥事の発覚件数と反比例していることを示したうえで、「腐ったリンゴの中に新しいリンゴを入れても、新しいリンゴが腐るだけである」と書いている。

もう一つの記事は3月5日の毎日新聞「発信箱」の中の野沢和弘社会部記者の「警察官増員のウソ」という囲み記事である。彼は言う。

 ・・・警官を増員すれば、自転車盗や交通違反の検挙数は増えるだろう。起きてしまった事件の早期解決にも貢献するかもしれない。しかし刃物を持って学校に乱入するような事件を防ぐには・・・足りない・・・どんな反社会的な要素を持った人間も、自分を受け入れて癒してくれる人がいると落ち着くものかもしれない。子供に刃を向ける卑劣な事件の容疑者には、虐待や貧困やいじめ体験がよく見られる。警官を増やせば「安心感」は得られるだろうが、それで福祉や貧困対策の予算を削っては、社会のリスクは逆に高まる。警官増員に予算を使うほど、恐ろしい犯罪が起きそうで心配だ。


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