(回答先: 「金持ちの立場から言えば、デフレが続けば続くほどオイシイ」　（森永卓郎） 投稿者 外野 日時 2005 年 5 月 21 日 21:56:41)

なぜ不況が１０年も続いたか？ですが、有効と思われる対策が打たれなかったから。何故、うたれなかったか？と言うと、「そんなことをするとインフレになる」の一言で、みんな腰砕けになったからだと思います。

確かに、財政出動も金融緩和も、或る程度のインフレは避けられない。つまり「インフレは絶対にいかん」と言われたら、実質的に何も出来ません。

戦後の日本は、かなり長い間激しいインフレの中で成長しました。この中で資産を預金などの形で持って居た人はひどい目にあった。この土壌の上で「インフレは絶対に避けるべし。僅かのインフレでも許容したら、やがて第一次大戦後のドイツのようなハイパー・インフレになるのを避けられないぞ」と言う粗雑なおどしが大部分の人に受け入れられ、これが経済政策を云々する時の前提となってしまいました。

しかし、これはウソです。インフレを退治する処方箋は定番があって、世界中で何度も実験済みです。反対にデフレ退治は難しい。日本をご覧なさい。

実際には、インフレで得する人と損する人が居ます。

損する人は、
１．預金を含む、金額を明示した債権を持つ人
２．インフレになっても、金額ベースの収入があまり増えない人
得する人
１．金額を明示した債務を持つ人
２．土地・建物・採掘権などの現物資産を持つ人

実際に働くサラリーマンはどうかと言うと、戦後のながい実績で見ると、１年くらいの後追いになりますが、給料はインフレに連れて上がりました。だからインフレは怖くない。もし彼が固定金利の住宅ローン持って居れば、絶対に有利です。

ところがお偉方は、インフレになると「国民全部が損するぞ」と言う、極めて不正確なプロパガンダを広めて来ました。インフレでは金持ちが損するからです。

その最右翼は日銀で、「中央銀行の最大の任務は、円の通貨価値の維持である」として居て、デフレになったり円高になったりすると「俺たちは旨くやって居る」と悦に入って居ました。彼らは今になってもプラスのインフレ目標を絶対に受け入れません。

此は日本だけでなくて、数年前までのサミット会議の共同宣言では「インフレなき成長」がうたわれて来ました。

何処の国でも、政治家や有力者たちは金持ちか、金持ちの仲間か、これから金持ちになるだろうと考えて居る人だからです。

ＮＯＶＯ

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