我々無知蒙昧な人間が専門的に研究された方々の仕事を理解するに際しては、よほどの事が無い限り引用された個々の文献に当たるなぞということはまずしません。そういう人間にはくちばしを差し挟んで欲しくないということではなかろうと思いますので一言注文を付けさせていただきましょう。全体の筋立てが理に叶っているか否やが大変重要です。
私は、木村さんが訳された「偽イスラエル」文書もそうした読み方をしました。論理構成に納得行くとなると、再度今度は個々の事実の裏付けと位置付けを理解するべく読み直します。そうなると、個々の事象で複数形を間違って理解してる、ドイツ語を知らないんだろう等といった反論は、説得力を欠く事になります。列記された夫々について、個々を素人受けしない細部に立ち入って説明するのでなく、ヨーロッパのあの当時の歴史、世界のあの当時の歴史の流れのなかで位置付けが明瞭に理解できるよう願いたいものです。つまりあの当時世界は木村史観のようには流れていなかったんだという視点からの木村批判を期待したいものです。

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