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『反国家分裂法』 きしむ中台 (東京新聞)
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投稿者 愚民党 日時 2005 年 3 月 09 日 10:46:20: ogcGl0q1DMbpk

『反国家分裂法』 きしむ中台

 中国が台湾の独立阻止を狙う「反国家分裂法案」が八日の全国人民代表大会(国会)に上程された。閉幕日の十四日に採択されれば「最後の選択」として台湾への武力攻撃に法的根拠が与えられる。法案に潜む中国の思惑と台湾の対応から、きしみを上げる中台関係の今後を展望した。

■中 国

 「台湾問題の解決は、わが党、国家の『三大歴史任務』の一つだ」

 八日、反国家分裂法案の説明に立った王兆国・全人代常務委副委員長は、台湾統一を「国の現代化」や「世界平和」と並ぶ中国の最重要課題として提起した。

 中国が国内法で武力行使の根拠を規定してまで、台湾の独立阻止に向けた姿勢を強調する背景には、台湾問題は「内政」であり、そこに「いかなる外国勢力の干渉も受け入れない」(王副委員長)との立場を、鮮明にする狙いがある。

 ただ、法案では「武力行使」の直接的な表現を避け、独立阻止のため「非平和的方式」を取ることができるとの規定にとどめた。法案はさらに、その「非平和的方式」の発動が「完全に台湾独立への『分裂勢力』に向けたもので、決して台湾同胞に対するものではない」ことを明示した。

 そこには、同法に対する日本、米国などからの反発の強まりを抑えると同時に、台湾の同胞と独立勢力とを分断し、台湾全土が一体的に法案に反発する動きを和らげようとの戦略がにじみ出る。

 全人代開幕前の四日。中国の政策提言機関、全国人民政治協商会議の会合の場で演説した胡錦濤国家主席は「一貫して台湾人民に希望を託す方針は不変」と力説。わざわざ北京駐在の台湾メディアを招いて演説を取材させる異例のパフォーマンスに出た。これも、同法の武力発動の可能性に対する台湾住民の不安を、法案提出前に解消しておく布石だったといえる。

 だが、法案の裏にはしたたかな思惑ものぞく。

 武力発動の要件として「台湾を中国から分裂させる事実や重大事変」などと抽象的な表現で規定。具体的な行為を特定しなかったのがそれだ。台湾での憲法制定や国民投票などあらゆる動きを「分裂活動」と解釈できる余地を残すことで、今後の台湾の動きに“圧力”をかける意図もあるとみられる。 (北京・加藤直人)

■台 湾

 台湾の独立派を率いる陳水扁総統(民進党)は二月末、親中国派の野党・親民党の宋楚瑜主席と会談。任期中に独立宣言をしないなど「中華民国体制の現状維持」に同意したばかりだった。

 “水と油”の関係とされる二人の握手は、少数与党・民進党の立法院(国会に相当)対策に見えた。だが、中国の急激な軍事膨張を警戒し、台湾の防衛予算の充実を望む米国の意向で、実現したと見る向きが多い。

 先月の日米安全保障協議声明は、共通戦略目標として「台湾海峡」に初言及した。この中で海峡問題の平和的解決を促した米国の狙いは、反国家分裂法で台湾併合をうかがう中国へのけん制だと、台湾はみている。

 台湾は今後も「一方的な海峡情勢の改変」に反対する米国の意向に沿って、国際社会に台湾の主権を訴えながら、中国の統一攻勢に対抗姿勢を続けることになりそうだ。

 法案に対する陳政権の困難は、むしろ内政面の対応にある。「統一に反対」の立場は与野党共通だが、法案の受け止め方は様々。陳総統の民進党は「中国が一方的に台湾の将来を決める内容は受け入れない」と主張する。

 同じ与党連合の急進独立派・台湾団結連盟は、対中柔軟姿勢を示した陳・宋会談を「台湾人民への裏切り」と批判。「台湾の将来は台湾人民自身が決める」とする「反併合法」の制定を目指す。

 親中的な最大野党・国民党と親民党も、立法院では反国家分裂法批判の決議文採択に賛成したものの、デモや集会は開かず静観の構えだ。

 一方、反国家分裂法案で、中国が台湾への武力行使に踏み切る具体的要件が例示されなかった点には、台湾政界でも不気味さを伴って注目されている。台湾行政院(内閣)大陸委員会は、法の恣意(しい)的運用をはかる措置とみて「中国は武力行使の白紙小切手を切った」と表現。荒っぽい“法制”に警戒を強めている。(台北・佐々木理臣)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20050309/mng_____kakushin000.shtml

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