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天木直人・メディア裏読み( 3月9日) 東京大空襲から60年 / 米欧間の亀裂は深まるばかりだ
http://www.asyura2.com/0502/war68/msg/251.html
投稿者 天木ファン 日時 2005 年 3 月 09 日 23:36:21: 2nLReFHhGZ7P6

3月9日 05年41号 ◆ 東京大空襲から60年 ◆ 米欧間の亀裂は深まるばかりだ
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◆ 東京大空襲から60年
◆ 米欧間の亀裂は深まるばかりだ
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 ◇◆ 東京大空襲から60年 ◆◇

 あす3月10日が東京大空襲の60年目にあたるという。9日の毎日新聞は、約10万人の犠牲者をだしたこの東京大空襲は、都市への無差別爆撃の歴史のなかでも広島や長崎への原爆投下に匹敵する凄惨なものだったとしたうえで、米国の戦略爆撃研究の第一人者であるケネス・ウェレル米国ラドフォード大名誉教授にインタビューを試みている。インタビューの中で答えているウェレル教授の次の言葉は衝撃的である。

 「・・・冬場の日本の天候は視界が極度に悪かった。強い偏西風も影響し高度からの爆撃は著しく精度が低かった・・・日本の航空機エンジン工場などの規模はドイツの比べて小さく、見つけ出す事自体が困難であった・・・日本は木と紙でできた建物が密集し消防能力がドイツほど優れていない事もわかっていた・・・(これらの理由がワシントンの軍首脳部に報告され、無差別爆撃で焼き尽くそうということになり)焼夷弾を使った都市全体に対するエリア爆撃の手法が導入された・・・
  ・・・米国内では日本への反感がドイツに比べて強かった。ドイツには悪い人間(ナチス関係者)と良い人間がいるが日本はいつも一つの集団と見られていた。もちろん真珠湾攻撃が影響している・・・
  ・・・(もはや日本は戦える状態ではなかったので)焼夷弾爆撃の軍事的意義は大きくなかった。しかし日本人に与えた心理的な衝撃は甚大だった。飛来するB29を日本軍はとめられなかったという現実を(軍部は)国民に隠せなかった。(焼夷弾は)軍事的に無意味でも、戦争終結に寄与したのは確かだ・・・」

 この言葉は腹立たしい。しかしそれよりも腹立たしいのは、勝ち目がなくなってもなおいたずらに降伏を引き伸ばし、不必要に国民の犠牲を強いた当時の日本の責任者たちである。
日本という国は指導者の過ちに国民が泣かされる国だ。国民を苦しめる無策の指導者が決して責任をとらない国だ。そんな構造がこのままずっと続いてよいはずはない。


 ◇◆ 米欧間の亀裂は深まるばかりだ ◆◇

 9日の読売新聞は自ら主催した「変わる世界と日米同盟」というフォーラムの模様をデカデカと掲載している。日米同盟は不可欠だという発言のオンパレードである。

その中にゲスト出演しているリチャード・アーミテージ前国務副長官の次の発言が奇異に思えた。「・・・確かに米国は9・11同時テロ事件を契機に、恐怖と怒りの顔を世界に見せた。だが今や、かつての希望と楽観主義の笑顔に戻ろうとしている。最近の大統領訪欧がその好例だ。米国は、もともとの多国間主義にもどるだろう・・・」

 本気か。誰がこんな虫のいい話を信じるのか。こんなアーミテージの話を有難がって聞く読売新聞のフォーラム参加者はお目出度い連中だ。

3月9日の朝日新聞にブッシュ訪欧に関する中川謙編集委員のレポートが載っていた(「海外メディア 深読み」)。それによると米欧間の亀裂はまったく修復されていない。それどころか深まるばかりだ。
 欧州メディアは対米不信の大合唱だ。「2期目のブッシュ政権が姿勢を変えるとは欧州は信じない。スタイルくらいは変えるだろうが」(2月20日付仏紙ルモンド)、「できる限りは単独主義、必要に迫られれば国際主義。これが米の姿勢だ」(2月28日付仏紙リベラシオン)。

 米側は反撃する。「欧州が米国とやり直したいなら、励ましてもやろう。それは米国が求めるのではなく、欧州の選択の問題なのだ」(2月23日付ウォールストリートジャーナル)。「ブッシュ氏が欧州指導者に会いに行くのではない。彼らが会うことを許されるのだ」(同28日付)

 猜疑心と尊大のむき出しのぶつかり合い。双方の亀裂は修復されるどころか深まっているではないかと中川編集委員は言う。

 おりしも北大西洋条約機構(NATO)の役割を巡ってシュレーダー独首相はブッシュ氏との会談で疑義を呈した。その模様を3月2日付のルモンド紙はこう書いているという。
「・・・この軍事同盟は有志連合を優先させた米国にとってもはや、やっかいものではないのか・・・欧州連合が進めばその共通安保政策も強化され、欧州はいずれ米への(軍事的)対抗勢力になる・・・」

 違いは経済政策にも表れる。イタリア紙コリエレ・デラ・セラは「米欧間には所得配分政策での国家の役割を巡る哲学的対立がある」としたうえで、ブッシュ政権の政策を、福祉を切り捨て、極端な市場主義で赤字を解消できると信じる「ブードー(おまじない)経済」と言い切っている。

 そして中川謙編集委員は次のように締めくくっているのである。
「・・・福祉かそれともブードー経済か。軍事力か交渉重視か。国際社会を舞台に米欧がそれぞれの価値観に立って相争う。そんな時代が到来したのだとすれば、春はなお遠いのだろう」。アーミテージは日本では神様みたいに扱われているが欧州人は誰も相手にしていないだろうな、きっと。

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