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天木直人・メディアを創る(’05/04/01)アナン事務総長はいよいよ米国に頭が上がらなくなった ほか
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投稿者 天木ファン 日時 2005 年 4 月 01 日 23:53:41: 2nLReFHhGZ7P6

4月1日―メデアを創る

 アナン事務総長はいよいよ米国に頭が上がらなくなった

 イラクの旧フセイン政権時代に国連がイラクに課した経済制裁に、「石油・食料交換計画」というのがある。国連が管理して石油収入資金を必要最小限の物資購入にだけ認めるというものである。この経済制裁はイラクの国民を大いに苦しめたのであるが、その資金をめぐって国連の幹部が不正を働いていた、それをアナン事務総長も黙認していたのではないかという疑惑が指摘されていた。
その不正に関する独立調査委員会(委員長・ボルカー前米連邦準備理事会議長)が3月29日報告書を発表した。30日の朝刊各紙は一斉にこれを報じていた。
それを読むと、独立調査委員会は国連職員幹部に何らかの不正があったことを認めている。しかしアナン事務総長の関与については、「十分な証拠がない」として否定した(30日付日経夕刊)。特に、アナン氏の長男コジョ氏が、疑惑を持たれている監査企業コテクナ社の顧問としてコンサルタント料を受け取っていたことについて、アナン事務総長は窮地にたたされていた。しかし、これについて報告書は、不正行為はなかったと結論づけた。
これを受けてアナン事務総長は記者会見で自らのから辞職の可能性を否定した。明らかに米国に借りをつくったのである。
おりしもブッシュ大統領はボルトン国務次官を国連大使に指名した。ボルトン国務次官は「国連は米国に直接役立つ場合のみ価値がある、最も効果的な安保理とは米国のみが常任理事国である安保理だ」と主張して憚らない強硬派である。国連はこれからますます米国の言うとおりにならざるを得ない。
日本が常任理事国入りを目指している国連は、そのような国連なのである。その国連の常任理事国になって、日本は米国の政策をひたすら支えていくことになる。

東アジアサミットの参加国を拡大しようと奔走する日本

 3月31日付の朝日新聞に、今年末にマレーシアで開かれる東アジアサミットに向けて、日本政府が参加国を域外に広げようと関係国の説得に乗り出したという記事が出ていた。
 日本のこのような工作が、東アジアの連帯を強めるという本来の目的に反し、「開かれたサミット」という言葉で「東アジア共同体」の発展を阻止しようとする試みである事は明らかである。アジア地域にはアジア・太平洋経済協力会議やアセアン・欧州会議など、アジアと欧米が一堂に会する場が既にある。東アジア共同体構想は、それらの会議とは異なり東南アジアに中、日、韓を含めた東アジア地域の協力体をつくろうとするものである。それを米国が気に食わないと言っている。東アジア地域の協力が深まる事米国が反対するのである。
外務省の谷内正太郎事務次官は2月末の記者会見でこう語ったという、
「日本外交の基軸はどう考えても日米関係だ。日米関係と対立、矛盾するものであれば、よほど慎重に考えなくてはいけない」(前掲の朝日新聞)。
東アジア共同体構想のどこが日米関係と対立するものなのか。どこが矛盾するものなのか。中国にしても韓国にしてもアセアン諸国にしても、米国の重要性を認めている。米国に敢えて対立しようなどと考える国はない。むしろ米国の支配をまぬかれる為の自衛策としての協力なのである。それを、米国の言いなりになって日米関係に害を及ぼすとして骨抜きにしようとする外務省の態度は、アジア諸国に対する裏切りではないのか。もっともそんな対米追随しか出来ない日本の情けなさを、アジア諸国はとっくに見抜いているのである、同情しているのである。

小泉首相を始めて評価したいと思ったが

 愛知万博の報道を見て思ったことの一つに、食事代の値段の高さがあった。入場者を当て込んだ金儲け商売に違いない。そう思っていたら小泉首相が30日の記者会見で「弁当は安上がりだ。認めたほうがいい。よく検討してくださいと言っている」と述べ、制限を緩和するよう経済産業省に指示したという報道がなされた(3月31日付産経新聞)。小泉首相もいい事をするじゃないか。小泉首相がいい事をすれば私でも素直に褒める。
 「しかし、待てよ」と考える。何故こんなことを小泉首相は記者会見でわざわざ述べるのか。何故こんなことが各紙に一斉に大きく報じられるのか。テレビまでもが伝えるのか。
そう考えるうちにハタと気がついた。これは点数稼ぎのパフォーマンスではないかと。そうだ、これは広告会社が振付けた小泉首相の宣伝工作に違いない。
 そう思ってその後の報道をよく観察してみた。愛知万博をあて込んだ業者は、折角期待していたのに大きな痛手だと困惑しているらしい。それをなだめるかのように、持ち込み可能なのはあくまで手作りの弁当である。外食を購入して持ち込むのは禁止、ペットボトルや缶、ビンの飲み物は持ち込み禁止などと、依然として制約は大きい。客のほうは客のほうでコンビニ弁当を家から持ってきた弁当箱に詰め替えればいいのかと言い出して訳が分からなくなっている。
小泉首相は、鶴の一声でいい事をしてやったといわんばかりに、そんな混乱にはお構いなしだ。点数を稼いだら、あとはどうでもいいといわんばかりに関心がないに違いない。
 やはり小泉首相のすることは評価できないと思い直した。その動機がすべて自分の為という不純なものであるからだ。

対北朝鮮外交に失望して辞職した外務官僚の告発

4月1日発売の月刊現代6月号に、驚愕の記事が載っていた。原田武夫という外務省北東アジア課の課長補佐が、外務省の対北朝鮮外交のいかさま振りに愛想をつかして3月末をもって辞職したのだ。そして「外務省は壊れている」と憤怒の告発を誌上で繰り広げているのである。鈴木宗男事件に巻き込まれて外務省を辞めた佐藤優氏に次いで、たて続けに外務官僚が辞めて行った。そして奇しくも「外務省は壊れている」と同じ表現を使ってこの間まで勤めていた外務省という組織を激しく非難しているのである。
その内容も酷似している。情報も戦略もなく、出世と保身のだけで動く外務官僚。そんな官僚が独占している外交が行き詰るのは、当たり前なのである。
原田武夫氏は次のように語る。こんな外交では「拉致被害者」は帰ってこないと今更ながらに確信した。千秋の思いで待つ家族が可哀相すぎる。
「2004年11月10日、北朝鮮、平壌。私は拉致問題を巡り北朝鮮側との決着をつけるために乗り込んだ藪三十二外務省アジア局長(当時)率いる日本政府代表団の一員として協議のテーブルについていた・・・安否不明者の拉致被害者10人全員の生存と帰国が通知されるのではないか、日本政府代表団の誰しもがそう期待した。しかしそうした根拠なき期待は見事に打ち砕かれることになる。協議初日の冒頭に北朝鮮側の課長が再調査結果を次のように読み上げる、『日本側が指摘した行方不明者10名の内、8名は既に死亡した。残りの2名については共和国に入国した形跡は確認できず。以上』
唖然とする私たち日本側代表団一行。日本外交が『敗北』した瞬間だった。そしてまさにこのとき、私は外務省を辞し、『日本外交の真実』を日本の為に論じなければならないと決意したのであった」
こう述べる原田氏の告発は衝撃的だ。彼は次のように言う、
「外務省の職員は世論を冷ややかに見ている。何をしても時の権力がバックにいてくれる限り最後は守られるからだ」、「日朝外交という日本外交のフロンテアにいた者としてはっきり申し上げたい。日本外交に決定的に足りないのは武力や札束でなく、すべての政策決定の前提となる情報なのだ」、「まさかのゼロ回答を返された日本側代表団はその場で北朝鮮側を追い詰めるだけの情報をそもそも持ち合わせていなかった。何を聞いても巧みに言い逃れをする北朝鮮側にまったく歯が立たなかった。その混乱振りは薮中団長の豹変振りからも明らかだった。それまで悠然と構えていた薮中団長は、末席に座る私にやおら大声で叱責をし始めた。『こら、原田君!何をぼーっとしてるんだ!質問を考えるんだよ、質問を!』。だが質問を考えようにも、こちらには情報が皆無に等しかったのだ」、「地位が上がれば上がるほど、外務省内の先輩、同僚はあえて無言を貫くのだった。根本的な問題提起はおろか、現下の欠陥状況を甘受し、苦笑いをしつつもやり過ごそうとする。そのような幹部たちの姿には憤りすら感じた。彼らはマスコミからマイクを突きつけられると威勢のよいことを口にするが、所詮、自己の保身だけしか考えていないのだ」
責任をとることなく何食わぬ顔をして栄転していった連中はどんな顔をしてこの若い外務官僚の告発を読んでいることだろう。


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