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ヨハネ・パウロ二世が重体:直前大予想!次期教皇は誰か?
http://www.asyura2.com/0502/war68/msg/980.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2005 年 4 月 02 日 07:58:38: SO0fHq1bYvRzo

ヨハネ・パウロ二世が重体:直前大予想!次期教皇は誰か?


日本人的感覚なら、まだ亡くなってもいないのに不謹慎な!となるでしょうが、欧米では数年も前から盛んに話題に上ることで、当のバチカン内部ではすでに何年も前から次期教皇に関して相当の駆け引きが行われているはずです。

ヨハネ・パウロ二世の状態については日本語ニュースの中から、いくつか、見出しだけを挙げておきましょう。記事はもし興味がおありなら各自お読みください。

『ローマ法王重篤に=血圧低下、人工呼吸器装着−末期の儀式も・バチカン』(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050402-00000563-jij-int

『法王「重篤な状態」、意識はっきりしている…報道官』(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050401-00000215-yom-int

『ローマ法王、深刻な状態』(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050402-00000002-san-int


さて、せっかく欧州に住んでおり、しかもバチカンと縁の深いオプス・デイの追っかけをやっている以上、次期教皇レースについても私なりの予想を出しておきたいと思います。ただし、初めからお断りしておきますが、私は今まで競馬やサッカーくじなどで一度も予想が当たったことがありませんので、どうかマユに唾をたっぷりとつけてお読みください。


★もうすでに英語やスペイン語では次期教皇候補が様々に取り上げられています。これらの中で、争点になりそうな要素として、いくつかが取り沙汰されています。

(1)欧州出身か南北アメリカ大陸出身か

「世界のカトリック人口の増加」(日本語)
http://home.att.ne.jp/wood/aztak/news/2002toukei.html
を見ますと次のようなことが書かれています。
「2002年度の統計では、世界のカトリック信徒の人口は、10億7千百万人で、2001年と比較して1千万人増加した。これは、世界人口62億1千2百万人に対して17.2%である。
大陸別にこれらの信者の分布を見ると、半分(50%)がアメリカ大陸に集中し、およそ4分の1(26%)がヨーロッパ、そして、12.8%アフリカ、10.3%アジア、0.8%オセアニアと分かれている。
司祭を目指す神学生の数は、およそ11万3千人と前年比較で0.7%の増加で、特にアフリカ大陸で5.8%、アメリカ大陸で1.4%の増加が目立っており、一方、ヨーロッパ、アジアではわずかな減少傾向を示した。」

信徒数で言えば圧倒的にアメリカ大陸で、司祭を目指す神学生でも増加しています。ただ、アフリカやラテンアメリカの貧しい地域では、カトリック司祭は一つの「食いっぱぐれない職業」として魅力があるため、という原因もあります。

では教皇の候補となり選定する役目を持つ枢機卿の数を見てみましょう。2003年に195名いるのですが、そのうち135名の80歳未満の枢機卿が投票権を持ちます。その中で、ヨーロッパ66名、米国・カナダ14名、ラテンアメリカ24名、アフリカ13名、アジア13名、オセアニア5名、となっており、圧倒的に欧州有利です。中でもイタリアは23名をかかえて最大勢力を作っており、2期続けてイタリア人以外から教皇が選ばれることに難色を示す枢機卿が多い、とも言われています。
『135 Cardinales』(スペイン語)
http://www3.planalfa.es/parroquiapeligros/Documentos/135cardenales/Cardenales.htm

ただ欧州以外からの教皇を、という声は非常に強く、今後の米国支配層との関係を考えた場合、南北アメリカ大陸から選出される可能性が高いと予想されます。


(2)若いか年寄りか
これは次期教皇の担当年月が長いか短いか、ということに大きく影響します。まだ50歳代あるいは60歳代前半の人では20年以上の「長期政権」が続く可能性が高く、70代後半の教皇では数年の命ですからその次の教皇候補のをめぐっての争いが続く、ということになります。

これにはバチカン内の派閥の駆け引きがあります。例えば現在最も力を持っているオプス・デイとつながりの強い若い教皇が生まれたりすると、今までのヨハネ・パウロ二世に続いて数十年間の「オプス・デイ内閣」となるため、他の派閥からの猛烈な反対が起こるでしょう。しかし反オプス・デイ派の若い教皇はオプス・デイが許さず実現しない可能性が高いでしょう。

年寄りの教皇なら、短い在位期間中に各派閥が次の工作を練ることができ、不満を持つ派閥があっても一応押さえがきくかもしれません。しかしその間のバチカンは不安定になり方針が定まらなくなる可能性も高く、それを警戒する人も多いでしょう。

もっとも、現教皇の前任者ヨハネ・パウロ1世のようにさほど年寄りでなくても1ヶ月で怪死する場合もあり(これはフリーメーソンの追放を恐れたP2が暗殺した、とか、傀儡教皇を作るためにオプス・デイが暗殺した、とかいう噂が絶えませんが)、その前のパウロ六世も途中で殺されて替え玉が入れ替わっていた、という説もあります。若いから、といって必ずしも長期政権にはならない可能性はあります。


(3)「保守派」か、「進歩派」か
オプス・デイの傀儡ヨハネ・パウロ二世は筋金入りの「保守派」として有名ですが、これに「今のままでは世界の多くの人に受け入れられない。信者を減らす一方だ。」として反発する「進歩派」「改革派」の力も根強く、現状では「保守派」が有利といえますが、しかし「バチカン改革」を狙う欧州内の他の力が加わった場合には予断を許しません。


★さてここで、いくつかの新聞から予想を見てみましょう。まずスペインのエル・ムンド紙です。

『教皇の入院で後継者についての憶測が花盛り』(2005年2月2日)
http://www.elmundo.es/elmundo/2005/02/02/sociedad/1107360650.html

この記事によると、今年の2月の時点で教皇候補となる80歳未満の枢機卿は120名に減っていますが、次のような有力候補を挙げています。ただし各人についての候補として名指しした理由は書かれていません。

本命グループとしては、メキシコのノルベルト・リベラ・カレーラ(63才)、ホンジェラスのオスカル・ロドリゲス・マラディアガ(63才)、オーストリアのクリストフ・ションボルン(60才)、キューバのハイメ・ルカス・オルテガ・イ・アラミノ(67才)、アルゼンチンのホルヘ・ベルゴグリオ(69才)

対抗グループとして、インドのイバン・ディアス(69才)、フランスのフィリップ・バルバリン(55才)、イタリアのディオニージ・テタマンジ(71才)、イタリアのジョバンニ・バチスタ・レ(70才)、コロンビアのアルフォンソ・ロペス・トゥルヒージョ(69才)、ブラジルのクラウディオ・ウメス(71才)

またこれはスペイン人としての希望的観測でしょうが、穴としてスペインのアントニオ・マリア・ロウコ・バレラ(69才)の名を挙げています。敵が少なくラテンアメリカの枢機卿の支援を得る可能性がある、ということです。

次にキューバ(ただし亡命キューバ人)のCUBANET INTERNACIONAL を見ますと、
http://www.cubanet.org/CNews/y00/nov00/07o4.htm
さきほどエル・ムンドでも取り上げられていたメキシコのノルベルト・リベラ・カレーラとキューバのハイメ・ルカス・オルテガ・イ・アラミノを最有力候補としてあげています。その理由として、米国との関係が良好であること、リベラ・カレーラは現教皇の覚えめでたく、しかもイエズス会とオプス・デイの両方の支援を得られる見通しである、ということであり、オルテガ・イ・アラミノの方はオプス・デイの強い支持を受けているということです。ただ後者はやや知名度にかける難点があります

また米国のNational Catholic Reporter によると、
http://www.natcath.com/NCR_Online/documents/JA10-25.htm
イタリアのディオニージ・テタマンジを最有力候補として取り上げています。理由は、極めてオプス・デイに近く強い援助が得られそうだ、ということです。

米国のTimeによると、
http://www.time.com/time/archive/preview/0,10987,1013211,00.html
ドイツのジョセフ・ラティンジャー(78才)をド本命としています。彼は保守派の論客として有名で、政治力、知名度も高く、現教皇の信頼もあつい人物です。


★さて、今までに出てきた枢機卿たちについての、私なりの寸評とこれ以外の有力候補と思える者たちについて、若干取り上げてみます。

まずメキシコのノルベルト・リベラ・カレーラ(63才)とキューバのハイメ・ルカス・オルテガ・イ・アラミノ(67才)については、筋も毛並みも申し分なさそうです。特にリベラ・カレーラはオプス・デイ、イエズス会の両方の応援を得られる、ということで、本命第一候補にしても良いでしょう。

イタリアのディオニージ・テタマンジ(71才)はオプス・デイの支持を得られイタリアが国を挙げて応援したい候補でしょうが、全体の流れとしては「アメリカ大陸から初の教皇を」という動きが強い中でやや苦戦、といったところでしょう。

ドイツのジョセフ・ラティンジャー(78才)に関しては、確かに人気と知名度は高く、また彼は保守派の代表格であり、オプス・デイとも非常に近く、その意味では有力でしょうが、ちょっと年を食いすぎています。どちらかと言うと、バチカンの「ご意見番」として、あるいは黒幕として活躍するのではないか、と思います。ただし、彼が教皇になれば「短期内閣」となるでしょうから、その意味では次で巻き返しを狙う「進歩派」も彼を推すことが考えられますし、オプス・デイがその次でペルーのシプリアニあたりを立ててバチカン完全掌握を図る場合にはとりあえずラティンジャーに任せることはありえます。要注意、といったところです。

ホンジェラスのオスカル・ロドリゲス・マラディアガ(63才)はサレジオ会で考え方は「解放の神学派(イエズス会左派)」に近く、今の力関係からいくとやや苦しそうです。オーストリアのクリストフ・ションボルン(60才)にしても「改革派」で同様のことが言えます。アルゼンチンのホルヘ・ベルゴグリオ(69才)はイエズス会士でオプス・デイとの関係は不明です。またインドのイバン・ディアス(69才)についてはデータがありません。

フランスのフィリップ・バルバリン(55才)は保守派でオプス・デイとの関係は明確ではありませんが影響は受けていると思われます。コロンビアのアルフォンソ・ロペス・トゥルヒージョ(69才)は有名なオプス・デイべったりの枢機卿でラテンアメリカの枢機卿ではかなりの有力候補となりえますが、他の派閥からの警戒心を呼ぶ可能性があります。ただ米国支配層との関係は良好そうで米国との関係を考えた場合、かなり有力な候補になりえます。ブラジルのクラウディオ・ウメス(71才)はフランシスコ会士ですがオプス・デイとの関係も噂されています。イタリアのジョバンニ・バチスタ・レ(70才)は反オプス・デイ派であった故ジョバンニ・ベネリに近く、現状では苦しいでしょう。

その他、オプス・デイ会員を自ら明らかにしているペルーのフアン・ルイス・シプリアニ・トルネ(62才)も候補に挙げてよいと思いますが、ただあまりにモロ過ぎて、他の会派からの強い警戒心を呼ぶでしょう。しかしオプス・デイが本気でバチカンの完全掌握を狙い、その準備が十分に整っているのならありえます。その他、ちょっと年を食いすぎていますが、フランスのロベール・エチェガライ(78才)もバチカン内ではかなりの実力者です。ただスペインのアントニオ・マリア・ロウコ・バレラ(69才)はちょっと中途半端で残念ながら着外の可能性が高いでしょう。


★ということで、私なりに次期教皇レースの予想を立ててみます。

まず本命はやはりメキシコのノルベルト・リベラ・カレーラ。
対抗はキューバのハイメ・ルカス・オルテガ・イ・アラミノ、およびコロンビアのアルフォンソ・ロペス・トゥルヒージョ、
穴がドイツのジョセフ・ラティンジャー、およびイタリアのディオニージ・テタマンジ
大穴でペルーのフアン・ルイス・シプリアニ・トルネ。
とまあ、こんなところでしょうか。

ただ、何せ伏魔殿バチカンのことで、カロル・ヴォイティーワが教皇に選出された際も彼を予想した人はいなかったようです。実際に何が起こるのか、こればかりは蓋を開けてみないとわかりません。今までに挙げた名前の中に無い者が次期教皇になることもありえますし、それが1年以内で「イスラム・テロリストに暗殺された」とか何とかで早速「政権交代」ということも起こりうるでしょう。

これでしばらく楽しめそうだ。

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