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米独立調査委:イラク戦争の大義 「失敗の分析」を紹介 (毎日新聞)
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投稿者 彗星 日時 2005 年 4 月 11 日 22:56:12: HZN1pv7x5vK0M

米独立調査委:
イラク戦争の大義 「失敗の分析」を紹介

 「ほぼ完全な誤りだった」。イラクの旧フセイン政権の大量破壊兵器に関する米情報機関の判断について、大量兵器をめぐる情報収集・分析を検証した米独立調査委員会は、先月31日に公表した報告書でそう切り捨てた。米主導のイラク戦争によるフセイン政権の排除を正当化する「根拠」は、なぜそれほどまでに的外れだったのか。独立調査委が約1年にわたり、数百人の関係者への事情聴取や、膨大な機密報告書などの精査に基づいてまとめた「失敗の分析」を紹介する。

【ワシントン和田浩明】

◆「うそつき」に頼る

 「イラクの生物兵器で最も懸念すべき存在」(パウエル前国務長官)とされた「移動生物兵器実験室」。03年2月の国連安保理演説で、ブッシュ米政権を代表して、イラク戦争の大義を世界に主張したパウエル前長官は、詳細なイラストまで交えてその危険性に警鐘を鳴らした。「2000年に存在が明らかになった。(実験室の)担当だった、亡命イラク人化学技師による直接目撃情報だ」。パウエル前長官はそう力説。同技師も含めて、4人の情報源が存在すると語り、信頼性を強調した。

 だが、イラク戦争後、1年以上も行われた米中央情報局(CIA)主導の調査による結論は「存在の証拠は発見できない」。生物兵器開発・生産活動全体も、大規模なものは96年の時点で破棄されていた、というものだった。

 独立調査委の報告書によると、移動実験室に関する情報のほとんどは、問題の化学技師1人がもたらしたものだった。しかも、その証言の信用性については、CIA内部でも深刻な懸念が指摘されており、「(懸念が)広く知られていたことは明らかだった」(同報告書)。だが、その情報が安保理演説前にパウエル前長官に届くことはなかった。

 「カーブボール」という暗号名で呼ばれるこの男性技師の証言は、外国情報機関を通じて米国防総省国防情報局(DIA)に00年初めにもたらされ、米国の他の情報機関に伝達された。内容の詳細さや、技術的正確性から信頼されるようになったが、CIAが通常行う本人との直接面接による事情聴取は、外国情報機関の拒否により、最後まで実現しなかった。

 実は、この人物の信頼性に対する懸念は早くも00年5月には指摘されていた。国防総省関係者が面会した際、「二日酔いだったようだ」と報告していたのだ。同関係者は、CIAへの電子メールで「信頼性の確認はどこまで深く行われているのだろうか」と指摘。アルコール中毒の可能性も心配していたとされる。

 02年4月には、身柄を抑えていた外国情報機関すら「完全に信頼できる情報源かどうか納得していない。彼の行動には、うそつきとみなせる部分がある」とCIAに伝達、証言内容に矛盾があることも明らかにした。同年秋、外国情報機関の担当者は、CIAの地域幹部に面会した際、「カーブボール」について「彼はおかしくなっている。会ってもしかたがない」とまで述べたという。

 それでも、外国情報機関担当者は公式には「信頼できるとの立場を取る」と語った。過ちを認めて恥をかきたくない、との説明だった。

 にもかかわらず、米情報機関によるイラク生物兵器の評価は、より断定的になっていく。02年10月にまとめられ、パウエル前長官の演説でも援用された「国家情報評価」(NIE)は、「イラクは生物兵器を保有している」と明言した。

 一方で、問題に気づいたCIA関係者は上層部に問題提起を続けた。同関係者は02年12月18日、マクラフリン前副長官の秘書と面会し、状況を説明したが、同席したCIAの生物兵器分析官が「信頼できる」と強弁。その主張が採用された。

 その後も一部の関係者らは注意喚起を行った。パウエル演説前夜の03年3月4日、自宅に別件で電話をかけてきたCIAのテネット前長官に対し、前出のCIA地域幹部は「カーブボールに問題があるのはご存じでしょう」と伝えた。返答は「うん、うん」だったという。一方、テネット氏は独立調査委の事情聴取に「カーブボールについては話し合わなかった」と語った。

 独立調査委は、「フセイン(前イラク大統領)は生物兵器を持っているはず」との思い込みを、米情報機関が最後まで捨てられず、自らの主張に合う情報だけを積み重ねていった、と分析している。

◆大統領にも伝わらず

 イラク戦争前、生物・化学兵器と並んで、フセイン政権の脅威として米国が指摘し続けたのが、核兵器開発計画だ。ブッシュ米大統領は、開戦2カ月前の03年1月28日に行った一般教書演説で、「英国政府は最近、サダム・フセインがアフリカから大量のウランを入手しようとしたことを察知した」と語った。

 だが、他の大量破壊兵器同様、戦後の米国などによる徹底的調査による結論は「計画の存在は確認できず」。核兵器製造に必要なウラン濃縮活動も、91年の湾岸戦争以降は行われた証拠は見つからなかった。

 ブッシュ大統領の主張の根拠になったのは、アフリカのニジェール政府がイラク政府にウラン500トンを販売することで00年に合意したという情報だ。独立調査委の報告書によると、この情報はCIAが01年末から02年初頭にかけ、外国情報機関から入手した。チェイニー米副大統領の指示を受け、CIAは米外交官を02年2月に現地に派遣。ニジェールの元首相はこの外交官に「そんな合意は知らない」と証言。CIAは翌月にこの面談内容を報告した。

 だが02年10月、イタリア人ジャーナリストが、イラクとニジェール間のウラン取引に関する書類をローマの米大使館に提供。国務省の担当者は同月中に「信頼性に深刻な懸念あり」との分析結果を米情報機関に伝えたが、CIAはこの後も米政府上層部に対し、「クロ」判定を報告し続けた。

 イラク戦争開戦が迫った03年1月には、米統合幕僚会議からの照会に対し、CIAは「アフリカの複数の国からイラクがウランを入手しようとしている」と回答。ほぼ同時期の国家安全保障会議(NSC)と、米国防総省長官官房からの問い合わせにも、CIAは同趣旨の報告を行った。ブッシュ大統領の一般教書演説から「ウラン入手を意図」の一節を取り除くべきだとの指摘は、行わなかった。

 ここでも、生物兵器の場合と同様、確度の高い情報の不足と、「フセインは大量破壊兵器を求めているはず」との分析者の思い込みが、誤った結論を導いたと独立調査委は指摘している。

◆大量破壊兵器に関する独立調査委員会

 イラク戦争の大義だった大量破壊兵器の存在が、戦後の調査で確認されなかったことを受け、ブッシュ大統領が昨年2月に設置。ロブ前上院議員とシルバーマン元連邦判事が共同委員長を務めた。設置当時は、報告時期が同年11月の米大統領選後に設定されたため、「批判的な報告が出て選挙に悪影響が出ることを避けようとした」などとの批判が民主党側から出た。

 検証の対象が米情報機関に当初から限定され、イラク戦争に関する政策判断を下したブッシュ大統領などの政権中枢には及ばなかったことも、批判の対象になった。

 任務はイラクだけでなく、大量破壊兵器全般に関する米情報機関の情報収集・分析の妥当性の検証。北朝鮮やイランなど、米国が敵視する国の核計画に関しても調査したが、内容は「機密」として公表しなかった。根強い指摘のある、米情報機関による「意図的情報操作」の可能性については、明確に否定した。

毎日新聞 2005年4月11日 18時23分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20050412k0000m030034000c.html

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