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【19日付読売のワシントンポスト関連記事に重大疑問】中国反日デモ〜ワシントンポストに対する読売新聞のプチ偏向【木走日記】
http://www.asyura2.com/0505/asia1/msg/231.html
投稿者 傍観者A 日時 2005 年 4 月 25 日 23:59:53: 9eOOEDmWHxEqI
 

(回答先: 日中関係悪化、中国に全責任…ワシントン・ポスト社説(Yahoo!ニュース 読売新聞 元記事リンク) 投稿者 無駄一 日時 2005 年 4 月 25 日 04:14:02)

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050420
(以下抜粋)

●そもそも、朝日以外の日本のマスコミは正しく報道しているといえるのか?

 そもそも一昨日当ブログで検証した朝日新聞がらみのニューヨークタイムスにおける反日マッチポンプ報道も不愉快なことでありますが、朝日以外のメディアは正しく報道しているのでしょうか?

 『世の中驚くことばかり!』で私の敬愛する考古学者の鮎川龍人様が、読売報道についてエントリーされていました。

http://blog.goo.ne.jp/melody777_001/e/426f059b3b1375a89a9a8feaa2ab94cc

2005年04月19日(火) 読売新聞

中国こそ恣意的に歴史を解釈…反日デモで米紙論評

 【ワシントン=貞広貴志】中国での反日デモなどで日中両国間の緊張が高まっている問題で、米紙ワシントン・ポストは18日、「中国の身勝手な記憶」と題して、中国が日本に「歴史を直視する」ように求める一方で、自らは権力維持のため恣意(しい)的に歴史を解釈していると指摘する論評を掲載した。

 筆者は、かつて同紙の北東アジア総局長(東京)を務めたフレッド・ハイアット論説面担当部長。「中国では歴史解釈はひとつしかなく、変わるのは共産党がそう決めた時だけだ」と前置きし、日本では、教科書問題などをめぐり「新聞や雑誌、大学の場で、開かれた議論が行われている」現状と対比した。

 さらに、中国の教科書が、3000万人が飢饉(ききん)などで命を落としたとされる毛沢東の大躍進政策の失敗には全く触れていないことや、天安門事件については「(共産党)中央委員会が適時に対処し、平静を取り戻した」としか記述していないことなどを紹介。「権力維持のため歴史を利用する独裁体制では、開かれた論争により歴史解釈が見直され真実に近づくという希望は持てない」と、中国の“歴史悪用”を批判した。

 さらに論評記事は、中国共産党が、「アジアで先導的な役割を果たす上で、日本を便利な悪役に仕立て上げる」以前には、ロシア批判を自己正当化の道具としていたと指摘し、「来年は米国の番かもしれない」と警鐘を鳴らしている。

 一方、同日付のロサンゼルス・タイムズ紙社説は、「中国は日本が帝国主義に戻らないことを知っており、歴史問題は日本を威圧するためのこん棒」との見方を示した。その上で、「共産党指導部を最も当惑させるのは、日本による真の謝罪」であり、日本は過去の清算に踏み切れないことで「敵の手に落ちている」とする論旨を展開した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日本による真の謝罪ってなぁに?

過去の清算に踏み切れないとしたら、その原因はアメリカの過去認識だけど。

でもまぁ、こんなものだよね。

そうさ、こんなものさ・・・・・

 鮎川様にはいつも鋭いアンテナで時事関係の貴重な情報をいただいており感謝しております。

 この記事を読めば、日本人としてはとても溜飲が下がるわけであります。

●ワシントンポスト記事本文を全文検証してみる

 さて、ここで木走がこだわりたいことは、この読売新聞記事は事実にもとづいているのかどうかです。

 そこで今日はこの昨日の読売新聞のワシントンポスト紹介記事について、徹底的に検証してみます。

 当該記事を全文邦訳してみました。すこし長いですが、是非おつきあい下さい。 

 なお、記事文中の強調文字は、例によって私・木走が付記したモノです。

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2005/04/18/AR2005041800507.html

China's Selective Memory

By Fred Hiatt

Monday, April 18, 2005; Page A17

中国のより好みする記憶

フレッド・ハイアット

2005年4月18日月曜日; ページA17

China, a permanent member of the U.N. Security Council, has made clear that it doesn't think Japan is deserving of similar status.

 中国(国連安全保障理事会の常任理事国)は、日本が同じ地位に値するとは考えていないのを明らかにしました。

You might wonder why not. After all, Japan is one of the world's largest contributors of foreign aid and most generous backers of the United Nations, a successful democracy for more than a half-century, with a powerhouse economy and a constitution that forbids aggression.

 あなたは、なぜダメなのかと思うかもしれません。とりもなおさず、日本はその強靱なな経済力と侵略を禁じた憲法でもって、世界の対外援助の最大の貢献国のひとつであり、国連の最も気前のよい支援国のひとつであり、半世紀以上の間うまくいっている民主主義国家なのです。

But here's the problem, Chinese Premier Wen Jiabao explained last week: "Japan needs to face up to history squarely." After another weekend of anti-Japanese protests and riots in China, China's foreign minister yesterday amplified that "the main problem now is that the Japanese government has done a series of things that have hurt the feelings of the Chinese people . . . especially in its treatment of history."

 しかし、ここに問題があるのです、すなわち中国の温家宝首相は、先週こう説明しました: 「日本は、正直に歴史に真正面から取り組む必要がある。」 別の週末の中国における反日抗議と暴動の後、昨日ですが、中国外務大臣はそれを増幅しました「現在、主な問題は日本の政府が中国人の気持ちを傷つけた一連のことをしたということです…特に歴史の処理で」。

Truth in history is an interesting standard for great-power status. One intriguing response would be for Japan to embrace it and suggest politely that, if China wants to keep its Security Council seat, it ought to do the same.

 歴史の中の真実というものは、大国のステータスを計る興味深い基準です。ひとつの好奇心をそそる対応は、日本がそれを受け入れてかつ、中国が常任理事国を保持し続けたいなら(日本と)同じように(歴史に真正面から取り込むことを)するべきであると、礼儀正しくさとすことです。

There's no doubt, as Premier Wen implied, that some Japanese have a hard time admitting the terrible things their troops did in China, Korea and other occupied Asian countries before and during World War II. Apologies sometimes seem to be mumbled, and textbooks sometimes minimize past crimes.

 何人かの日本人が、戦前と第二次世界大戦中に日本軍が中国、韓国と他の占領されたアジアの国でしたひどいことを認めるのに難渋しているのは、温家宝首相が含意していたように、疑う余地は全くありません。謝罪は時々もごもごはっきり聞こえないように思えます、そして、教科書は時々過去の犯罪を矮小化しています。

Recently, for example, Japan's education ministry approved a textbook that refers to the 1937 Nanjing Massacre as an "incident" during which "many" Chinese were killed, though some estimates of civilian deaths run as high as 300,000. News of these textbooks helped spark the anti-Japanese riots in Chinese cities.

 例えば、最近日本の文部省は、いくつかの推定では民間人死者数は30万人ともされている1937年の南京大虐殺を、「多く」の中国人が殺された「事件」として扱った教科書を承認しました。これらの教科書に関するニュースは、中国の都市の反日暴動を大いにかきたてるのを助けました。

But put the issue in some perspective: Many textbooks receive ministry approval in Tokyo, and no school is forced to use any particular one. Issues of war guilt or innocence, and of proper historiography, are debated endlessly and openly in Japanese newspapers, magazines and universities. Some Japanese demonstrate against politicians who won't go to Yasukuni Shrine -- where Japan's war dead, including some who were judged war criminals, are honored -- while other Japanese demonstrate against politicians who do go.

 しかしです、全体的見通しの中で問題をとらえて下さい: 日本では数多くの教科書が文部省の承認を受けるのです、そして、いずれの学校でもいかなる特定の教科書も使用することを強制はされないのです。戦争犯罪か無実かの問題や適切な歴史文献の問題は、日本の新聞、雑誌、および大学で際限なくかつオープンに討論されています。日本人の中には、他の日本人が参拝に行く政治家の反対デモをしている間に、戦争犯罪人であると判断された人達を含む日本の戦死者が祀られている靖国神社に参拝に行かない政治家の反対デモをする人もいます。

Compare this to the situation in Premier Wen's China. There is only one acceptable version of history, at least at any given time; history often changes, but only when the Communist Party decides to change it.

 温首相の中国の状況とこれを比較してみてください。そこでは、いついかなる時でもたった1つの歴史のバージョンしか許容されません; 共産党がしばしばですが、それを変えると決める場合にだけ歴史は変化するのです。

For example, according to a report by Howard W. French in the New York Times last December, many textbooks don't mention that anyone died at what the outside world knows as the 1989 massacre of student demonstrators near Tiananmen Square. One 1998 text notes only that "the Central Committee took action in time and restored calm." Anyone who challenges the official fiction is subject to harsh punishment, including beatings, house arrest or imprisonment.

 例えば、昨年12月のニューヨーク・タイムズのハワード・W・フレンチのレポートによると、多くの教科書は、外の世界が1989年の天安門広場近辺での学生デモ参加者の大虐殺として知っていることにおいて、だれか死んだとは一切言及していないのです。ある1998年の教科書はただ「共産党中央部は速やかに行動を起こし平穏を回復した」と書かれているだけです。政府公認の作り話に挑戦するだれでもが、むち打ち、軟禁、または投獄を含む厳しい罰を被りやすいのです。


And if the 300,000 victims of the Nanjing Massacre are slighted in some Japanese textbooks, what of the 30 million Chinese who died in famines created by Mao Zedong's lunatic Great Leap Forward between 1958 and 1962? No mention in Chinese texts; didn't happen.

 そして、もし南京大虐殺の30万人の犠牲者がいくつかの日本の教科書で侮辱されているとするならば、1958年と1962年の間に毛沢東の狂気の大躍進が起こした飢饉で死んだ3000万人の中国人のことは何なんでしょう? 中国の教科書には一切言及がないのです; 表れなかったのです。

Well, you might say, how a nation treats its internal history is less relevant to its qualifications for the Security Council than whether it teaches its children honestly about its wars with other nations. A dubious proposition, but no matter; as the Times found in its review of textbooks, Chinese children do not learn of their nation's invasion of Tibet (1950) or aggression against Vietnam (1979). And they are taught that Japan was defeated in World War II by Chinese Communist guerrillas; Pearl Harbor, Iwo Jima and Midway don't figure in.

 国家がどう国内の歴史を扱うかは、他国との戦争に関して正直に子供に教えるかどうかよりは、安全保障理事会における資格にあまり関連しないと言うかもしれません。怪しい主張ですが、それも問題ないのです; タイムズが教科書の記述の中で確認したとおり、中国の子供達は彼らの国の1950年のチベット侵略も1979年のベトナム侵攻も知らないのです。そして、彼等(中国の子供達)は、日本が第二次世界大戦において、中国の共産党ゲリラによって破られたのだと教えられます; 真珠湾も硫黄島もミッドウェイも登場しません。

"Facing up to history squarely" isn't easy for any country. Americans don't agree on how to remember the Confederacy. Russia can't yet admit to Soviet depredations in the Baltic republics. And, yes, Japan too often sees itself purely as a victim of World War II.

 どんな国にも、「正直に歴史に真正面から取り組むこと」は簡単ではありません。 アメリカ人は南部連邦を想起することには同意しません。 ロシアはバルト海の共和国諸国に対するソ連の略奪をいまだ認めることができません。 そして、そうです、日本はあまりにも頻繁に、自分たちを第二次世界大戦の純粋な犠牲者と考えています。

But in countries that permit open debate, historical interpretations can be constantly challenged, revised, maybe brought closer to the truth. In dictatorships that use history as one more tool to maintain power, there's no such hope.

 しかし、自由な討論が可能である国ではおそらく、歴史的解釈は、絶えず挑戦を受けていて改訂されて、より真実に近づけることができます。権力を維持するためのひとつの道具として歴史を利用する独裁国家には、どんなそのような望みもないのです。

China's Communists used to find it useful to vilify Russia in their history texts. These days, for reasons of China's aspirations to lead Asia, Japan makes a more convenient villain. Next year might be America's turn. The reasons may be complex, but none of them has much to do with facing history squarely.

 中国の共産主義者達は、彼等の歴史教科書でロシアをけなすことが役立つことを理解して利用していました。最近、アジアを主導するという中国の野望が理由で、日本は、とっても便利な悪人になっています。来年はアメリカの順番かもしれません。いかなる理由からかは複雑ですが、いずれにしても正直に歴史と向き合うこととは無縁な理由からでしょう。


(訳:木走まさみず)

 読者のみなさま、いかがでしょうか?


●読売新聞の記事は、意図的に日本批判部分を無視している

 たしかにすばらしい洞察力のある中国批判記事であり、このような主張はとても説得力のあるものです。

 しかし、今検証したとおり、フレッド・ハイアット氏の元記事では、ちゃんと教科書問題や南京大虐殺関連で日本の態度も明確に批判しているのです。

 しかるに読売新聞の紹介記事にはその部分は全く触れられていません。

 どういうことなのでしょうか? どういう意図なのでしょうか?

 読者のみなさまに誤解していただきたくないのですが、私はこの元記事を高く評価していますし、この内容はとても日本にとっても有益であると判断しています。

 私がここで批判しているのは、読売新聞の姑息な情報操作のことなのです。

 中国の管制報道を本当に私達日本人は嘲笑できるのでしょうか?

 私は右とか左とかあるいは親中派とか嫌中派とかカテゴライズすることには全く興味はありません。

 ただメディアはできうる限り事実を徹底検証して読者に報道するべきであり、それが右に偏向しても左に偏向しても、読者に誤解を与えてしまうという大罪という意味では、メディアとして最低の報道であると考えています。

 日本批判部分も含めて読者に記事のあるがままを紹介すべきでありましょう。

 それが含まれていたとしても記事の主旨はいささかも変わりませんでしょうし、そもそも欧米メディアが、教科書問題や靖国参拝問題、あるいは南京事件など、戦争にからむ部分においてはかなり日本に批判的であることは、当ブログでもさいさん指摘していることであり、その大事な事実を隠して報道することは、本当に日本の読者の判断のために正しいことなのでしょうか?

 重箱の隅をつつくような指摘であるかも知れません。

 しかし、このような小さな偏向報道の積み重ねがひとにぎりの愚かな不届きモノの嫌がらせにつながるのだとしたら、メディアとしてその意図とは逆効果になってしまっているというのは、言い過ぎでしょうか?

 読者の皆様はいかがお考えでしょうか?


(木走まさみず)


<テキスト修正履歴>

2005.04.24 10:00 ワシントンポスト記事のURLを付記しました。

<関連テキスト>

●メディア相転移説実践編(1)〜中国反日デモをブログ検証してみる

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050412

●中国反日デモを新聞コラムで検証してみる

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050413

●中国反日デモについて「世界の民の声」をBBCで検証してみる

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050414

●中国反日デモ〜国際的に日本支持を広めるために

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050416

●中国反日デモ〜問われる日本の民度

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050417

● 中国反日デモ〜ニューヨークタイムスのマッチポンプ報道を検証する

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050418

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