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産経新聞 正論「靖国を訴えた台湾の女性国会議員の背後関係」
http://www.asyura2.com/0505/asia1/msg/988.html
投稿者 1fan 日時 2005 年 6 月 15 日 17:42:03: mPwe9yPjV5CMU
 

産経新聞 正論より

http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2003/0309/ronbun1-1.html

【論文】 靖国特集 靖国を訴えた台湾の女性国会議員の背後関係(1)

在日台湾同郷会顧問 林 建良

多数の原告は訴訟のことを知らなかった

 靖国問題は百パーセント日本の内政問題である。日本の内政問題である以上、いかなる外国の団体や個人も、靖国問題に干渉する資格はない。戦後、台湾人はこの日本に対する礼儀を守ってきたが、今年二月十七日に、台湾の原住民枠で選出された高金素梅・立法委員(国会議員)と彼女に同調する台湾人が、小泉純一郎首相の靖国神社参拝によって苦痛を与えられたとして、訴訟を起こした。その原告団には日本人も含まれている。二月十七日の朝日新聞夕刊に、「台湾戦没遺族ら提訴、『精神的苦痛』と国など」の見出しで以下のように報道された(敬称略)。

 小泉首相が今年一月を含めて三年連続で靖国神社に参拝したことに対し、台湾人一二四人を含む二三六人が十七日、「首相の参拝で精神的苦痛を受けた」として国などを相手に一人あたり一万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。小泉首相の靖国参拝をめぐっては〇一年夏の最初の参拝に対し、韓国人を含む戦没者遺族らが東京、大阪、福岡など六地裁で違憲確認などを求めて争っているが、今年の参拝をめぐる提訴は初めて。

 この日提訴した原告のうち三十四人は台湾の先住民族で、うち十二人は第二次大戦中に「高砂義勇隊」として日本軍のために戦って命を落とした隊員の遺族。同義勇隊は旧日本軍が作業要員などの名目で募集したが、実際はフィリピンやニューギニアなどに送られて実戦に加わり、犠牲者も多かった。遺族に死亡通知が届かず、いまだに行方不明扱いになっている例もあるという。

 遺族ら原告は訴状で、「首相の参拝は、国が特定の宗教団体を支援している印象を与えるもので、政教分離を定めた憲法に違反する」と主張。さらに「首相の参拝によって、それぞれの立場から戦没者に思いをめぐらせる民族的自己決定権などが侵害された」として、国と小泉首相本人、靖国神社の三者に対し、連帯して総額二三六万円の慰謝料を支払うよう求めている。

 

 朝日新聞の記事は、台湾人が主体となってこの訴訟を起こしたような印象を与える。一台湾人として私は、これは本当なのか、と直感的に疑問を感じた。なぜなら、歴史問題にケチをつけて他国をゆするやり方は、過去に執着しない大ざっぱな台湾人の国民性にそぐわないからである。

 一九四七年に起こった二二八事件では、蒋介石政権は台湾人エリートを三万人以上も虐殺した。しかし、虐殺を実行した責任者たちはその後も政府機関にとどまり、現在も悠々とした生活を送っている。台湾人はこの民族粛清とも言える虐殺事件の加害者たちの責任すら追及しないのだ。

 このようなずぼらな国民性だから、歴史から教訓を学ばず同じ誤ちを何回も繰り返してしまうのだが、明るく寛容な台湾社会もその国民性から生まれたと言えよう。これは執念深い大陸民族の中国人との決定的違いなのである。にもかかわらず、戦後五十八年もたって、台湾人が靖国訴訟を起こしたというニュースを聞いた瞬間、私は「本当に台湾人なのか」と疑問が湧き、訴訟の経緯を検証する気持ちになった。

 何とか訴状の副本を入手してみると、驚くべきことに原告となっている何人かの台湾人の住所は、台湾に存在しない架空のものだった。これらの原告は実在しないのであろう。更に、同じ住所の原告は十一組、二十六人いる。それは、十一世帯から複数の人が原告となったのであろう。大戦後、支配者として中国から渡ってきた国民党政権の専制独裁政治で、台湾の法治制度が崩壊したために、司法を根底から信頼しなくなった台湾人は、裁判沙汰を極端に嫌がるようになった。よほど大きな被害でも受けない限り、家族が語らって原告になるというのは、極めて不自然である。

 そこで、更に追跡すると、何と多数の原告は訴訟のことを知らなかったのである。ある人びとは、日本政府から賠償をもらえることになったと言われて、名前を出したと言い、またある人びとは、高金素梅主催の集会に参加しただけで、訴訟のことは何も知らされなかったと言う。靖国訴訟を知っていたのは、彼女の側近や、親中組織「中国統一聯盟」のメンバーぐらいなのだ。訴状の【請求を基礎づける事実】の部分に、「その他の原告らは、かつて日本の植民地支配によって、さまざまな被害を被った者たち、またはその子孫である」と書かれているが、何人かの原告は、戦後に蒋介石と一緒に中国から台湾に逃げ込んできた者であり、植民地支配とは全く関係がないのである。

 私は日本の司法は厳正で信頼性の高いものだと信じていた。しかし、実在しない人物や訴訟の事実を知らされていない人びとを原告とする訴訟が受理されるようでは、日本の司法の公正さが疑われても仕方がない。常識的に考えると、偽りの原告で訴訟を起こすのは、詐欺行為ではなかろうか。この外交問題にも発展しかねない訴訟を、なぜ日本の裁判所は原告の実在と意思を確認せずに受理したのであろうか。

 当事者の了承も得ずに適当に名前をかき集めて靖国訴訟に参加した高金素梅の態度からみても、小泉首相の靖国神社参拝に苦痛を感じたと主張する彼女が真剣にこの問題に取り組んでいるとは思えない。彼女の活動は主に派手なパフォーマンスでマスコミの目を引く手法である。彼女は今回も気軽な気持ちでこのパフォーマンスを演じたのであろうが、この問題の背景には根の深いものがある。

反靖国活動に乗り出した経緯

 高金素梅は、いつの時点から、あるいはどのような動機、目的から、今回の行動に出たのであろうか。台湾の週刊誌『新新聞』の記事(八五一号二〇〇三年六月)によると、彼女は、「去年、台湾を訪れた日本人に、日本に虐殺された原住民の子孫がなぜ靖国神社に参拝するのかと聞かれてから、関心を持ちはじめた」「台湾大学教授許介麟とその日本人妻藤井志津枝や尹章義、夏鋳九と彼らの日本の友人の協力でやっと事件の経緯を理解した」と語っているが、その「日本人」とは誰なのか。雑誌に名前が上がっている許介麟、藤井志津枝、尹章義、夏鋳九はすべて親中反日派である。靖国問題に関心も知識もなかった彼女が、反日派の手引きでこの訴訟に絡んできた構図が浮かび上がってくる。

 こうした反日左派の誘導によって高金素梅が日本で反靖国活動を開始したのは二〇〇二年八月である。同月十二日、彼女と戦没原住民の遺族と自称する張雲琴華は民族衣装に身を包んで、靖国神社に行き、同神社に原住民の合祀取り下げを要求した。この張雲琴華は、高金素梅の側近である張俊傑の妻なのだ。高金素梅らは原住民の踊りと歌で、「罰当たり」なパフォーマンスを神前で行った。

 そして彼女は、「私たちの先祖が高砂義勇隊に参加したのは志願によるものではない」「台湾人は死んだ後も日本人に抑圧されなくてはならないのか」とメディアに語っている。彼女が用意した声明には、「戦争を起こした者と戦争の被害者が一緒に祭られることで、歴史が歪められている」「日本軍は一九一〇年から一九一五年までの間、原住民を大量に虐殺した上に、生き残りや子孫たちを高砂義勇隊として強制的に徴兵し、南洋に送って弾丸の的にさせ、灰塵に帰させた。二代滅族の重罪だ」とあった。

 その後、彼女は終戦記念日の八月十五日に、大阪で行われた「第十七回アジア・太平洋地域の戦争犠牲者に思いを馳せ、心に刻む集会」(佐治孝典委員長)に参加している。この左翼の集会のテーマは「戦争と靖国」である。この「心に刻む会」とは、「靖国神社を支えてきた日本の民族的エゴイズムを内部から打ち破る」ことを目的とする会で、毎年終戦記念日前後に日本の「侵略の犠牲者、加害者」を証言者として招いて集会を行っている。

 この会は一九八五年の中曽根康弘首相の靖国神社参拝をきっかけに発足したものだが、中国政府がそれまで行わなかった首相の靖国参拝批判を突然開始したのがこの年だから、中国の反日戦略に相呼応するかたちで組織されたのだろう。この会が「南京大虐殺」や「三光作戦」などをテーマとする中国の反日宣伝や、中国人による戦後補償要求など、中国政府の戦略と軌を一にしていることは確かである。このような会と高金素梅は、いかなる接点があったのだろうか。

 それからもう一つ触れなくてはならないのは、彼女の靖国訴訟を支援する「小泉首相靖国参拝違憲アジア訴訟団」である。彼女の起こした裁判の原告には百人以上の日本人も含まれているが、その中には中核派、労働党、革命的共産主義者同盟のメンバーや、これら極左グループと提携する左翼知識人らが名を列ねている。高金素梅と彼らは、なぜ手を携えるようになったのか。

「小泉首相靖国参拝違憲アジア訴訟団 大阪訴訟ホームページ」に掲載された「ニュース第七号」(二〇〇二年十月十五日)は、高金素梅が反靖国活動に乗り出した経緯を次のように伝えている。

 

「心に刻む会」が毎年開催している「8・15」のつどいが、今年は「靖国」特集ということで、我々訴訟事務局に声がかかったのが、さる五月末ごろだったと思う。打ち合わせに行ってみると、靖国に合祀されている韓国や沖縄の遺族は招く事になっているが、台湾からもぜひ呼びたい、ついては知り合いとかルートはないだろうかという話になった。六月にたまたま別件で台湾に行く機会ができた。(中略)一度「原住民部落工作隊」に行って聞いてみたらと勧められ、一緒に訪問することになった。それから約一ケ月が経過した。台湾から電話である。遺族に会えそうだという。(中略)少数民族出身の立法委員(国会議員)も会いたいという連絡もあった。

 

 この「少数民族出身の立法委員」が高金素梅である。「部落工作隊」とは表向きは原住民の権利の向上を目指すグループだが、高金素梅の背後で動いている組織でもあり、最近では日本の左翼グループとの交流もあるようだ。続けて訴訟団事務局は、こう語っている。

 

 早速二名行った。立法委員の事務所でお互いに挨拶し打合せ後、遺族の待つ新竹県の山中に行く。(中略)こうして「8・15」集会に遺族や立法委員の招待が現実のものとなると同時に、遺族が靖国神社を合祀取り下げに訪問するという事が実現したのである。

 

 この「ニュース」を読む限り、高金素梅の来日のきっかけは、「心に刻む会」から、第十七回集会に韓国人だけでなく台湾人も参加させて内容により説得力を持たせたいとの希望を受けた訴訟団事務局が、台湾の「部落工作隊」に話を持ちかけたことだったようだ。この話に乗った彼女は、この集会に参加して合祀取り下げ要求も行うことになった。靖国神社社頭での「合祀取り下げ要求パフォーマンス」も、日本人に入れ知恵されたとおもわれる節がある。高砂義勇隊にも靖国神社にも無知だった彼女が、日本の左翼の誘いに飛びついて反靖国活動を開始したことは、疑いないようだ。

 【略歴】林 建良氏氏 一九五八年、台湾台中市で生まれる。八七年、日本交流協会奨学生として来日。東京大学医学部博士課程修了。メールマガジン「台湾の声」編集長。台湾独立建国聯盟日本本部国際部長。日本李登輝友の会常務理事。在日台湾人の外国人登録証の国籍記載を「中国」から「台湾」に改正する「正名運動」プロジェクトを〇一年六月に発足させた。前在日台湾同郷会会長。

 「正論」平成15年9月号   論文


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