http://www.asahi.com/international/update/0627/006.html

2005年06月27日19時25分

　中国が職場でのセクシュアル・ハラスメント（性的嫌がらせ）を防ぐための法整備に入った。雇用者側が「勤務場所でのセクハラを防止する措置を講じなければならない」と定めた女性権益保障法の改正案が、２６日の全国人民代表大会（国会に相当）常務委員会に出された。２７日付の中国各紙が報じた。

　国営新華社通信によると、中国では０１年以来１０件近いセクハラ事件の訴訟が起こされた。だが明確な法規定がないため、原告の勝訴は１件にとどまり、しかも賠償請求は認められなかった。

　同社発行の雑誌などが８０００人余を対象に調査したところ、「セクハラを受けたことがない」と答えたのは男性７８％、女性が２１％だった。また中国社会科学院の調査では、セクハラを受けたとする国有企業の女性は１８％だったのに対し、私営企業や外資企業の女性は４０％近くに上ったという。経済発展に伴う私営・外資企業の増加で、セクハラ件数も増える構図だ。

　新華社は改正案を評価する声の一方、「セクハラの範囲を法律で示すのは不可能で、解決には時間がかかる」という法律家の指摘も紹介した。

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