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ミャンマー:軟禁続くスーチーさん…隣国から民主化へ胎動 (毎日新聞)
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投稿者 近藤勇気 日時 2005 年 7 月 12 日 18:47:10: LluDUFdgA2A66
 

ミャンマー:軟禁続くスーチーさん…隣国から民主化へ胎動
 ◇「ミャンマーに必要なのは、軍事政権を動かす発想と人材」

 10年前の7月10日、ミャンマーの民主化運動指導者、最大野党「国民民主連盟」(NLD)のアウンサンスーチー書記長(60)が自宅軟禁を解除され、ミャンマーは民主化に向けて動き出すと思われた。しかし、軍事政権と民主化勢力の対立はこう着状態を続け、スーチーさんは3度目の自宅軟禁で厳しい隔離状態に置かれたままだ。隣国タイに逃れて民主化運動を続けるミャンマー人たちは、一向に前進しない現状に焦燥感を募らせる一方、新たな発想で事態打開を図ろうとの動きも見せ始めている。【タイ北部で藤田悟】

 ◇情報と議論の場提供

 1988年9月、学生を中心とした民主化要求デモに対し、軍事政権は武力で応えた。無差別発砲による死者は1000人以上と推定される。弾圧強化を受け、数万人の学生らが海外に逃れた。タイは、こうしたミャンマー人らによる祖国民主化運動の最大拠点となり、今も数千人の活動家がさまざまな団体を通じて運動を継続している。

 「ビルマ(ミャンマー)には新しい血が必要だ」。ミャンマーや周辺国の情報を扱う月刊ニュース誌「イラワディ」の5月号に掲載された論評の見出しだ。スーチーさんの軟禁が長引いて影響力が封じ込められた現実を受け、若い世代が立ち上がり、現状の打開に動く必要性を訴えた。

 編集長のアウンゾーさん(37)は力説する。「スーチー書記長らNLD幹部の軟禁が続く中で、残念ながら民主化勢力には軍事政権に対抗できる力はない。このままだと、人々の苦しみは長引くだけだ。軍事政権と交渉する現実的な方策が求められている」

 学生時代、デモ参加をとがめられ、1週間拘束された。祖国で行動を続けて拘束を繰り返されるより、国外に出て民主化のために働きたいと国境を越えた。

 NGO(非政府組織)などで働いた後、93年にタイ北部チェンマイを拠点としてイラワディを創刊した。3000部を発行し、日々ニュースを更新するインターネット版は1日平均4000件の閲覧があるという。

 「スーチー書記長は民主化運動の象徴だし、ビルマ人は彼女を誇りに思っている。だが、今必要なのは、軍事政権を説得し、動かすことのできる発想と人材だ。それを生み出すための情報と議論の場を提供することが私の役割だ」とアウンゾーさんは話す。

 ◇「勇気ある和解」提案

 民主化支援組織「ビルマ基金」の研究員、アウンナインウーさん(40)は今、一つの具体的な提案の中身を研究している。「国民和解のための妥協策」である。

 その趣旨はこうだ。「軍事政権は、国民を虐待し自由を奪い続けるひどい連中だ。どうしてそんな連中に妥協しないといけないのか。これが民主化勢力の主流の考え方だ。しかし権力を握っているのは軍事政権だ。従来の思考を超え、軍事政権を交渉のテーブルにつかせなければ、悪循環を脱することはできない」

 約3年前から、南アフリカでのアパルトヘイト(人種隔離)政策廃止運動や中東和平の歴史などを研究した。こうした例とミャンマーの現状を照らし合わせ、「軍事政権を相手に、何をどういう形で妥協し、和解につなげるか」を提案としてまとめ、近く出版するつもりだ。

 軍事政権は現在、国民各層の代表で構成する国民会議を通じ、新憲法の草案づくりを進めているが、NLDは「作業の進め方が非民主的だ」としてボイコットしている。草案には既に(1)国家運営における軍の主導的役割を保証(2)上下院の議席の25%を軍が任命(3)正副大統領3人のうち少なくとも1人は軍から出す−−などが基本原則として盛り込まれ、軍が主導権を手放さない形での民政移管が狙いなのは明確だ。

 アウンナインウーさんは「現在の形で憲法が出来れば、国民は20%の自由しかない。民主化勢力も加わり、双方が妥協することで、自由の割合を広げることができる」と説明する。そして「批判と反発は覚悟している。しかし、妥協こそ大きな勇気を要する行為なのだ」と訴える。

 ◇3者協議の機会模索

 少数民族組織の連合体「少数民族国民評議会」の事務局長、リアン・サコンさん(45)は、軍事政権と民主化勢力、少数民族の3者による対話の機会を探している。多数派のビルマ族と約50の少数民族で構成されるミャンマーでは、少数民族の処遇問題の解決を抜きにした国民和解はあり得ないとの考え方からだ。

 「軍事政権は、力による政権という性質上、対立によって力を生み出している。国際社会の監視下で対話さえ始まれば、正統性がない政権の弱みがさらされるだろう。問題はいかに対話のプロセスを緒に就かせるかだ」とサコンさんは考える。

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 ◇「精神」引き継ぐ学校も

 ミャンマーとの国境近くに、ミャンマー人の若者たちが通う「民主学校」がある。祖国の民主化を目指す海外組織「ビルマ連邦民族評議会」が、次世代の運動家育成を目的に、5年前に設立した。民家を拠点に、民主主義や人権の概念、世界情勢、英語などを教える。軍事政権による強権支配が続く現状を憂えてタイに出国してくる若者たちの受け皿でもある。これまでに32人が卒業し、世代を新たにしながら民主化運動を引き継いでいる。

 現在の生徒は16人。その一人、中国と国境を接するカチン州の出身で、少数民族カチン族のジーサンさん(24)=女性=は「世界のことを学び、自分の国が他国と比べていかにひどいのかを認識させられた」と言う。

 99年に高校を卒業したが、当時は学生運動を封じ込めるため国内の全大学が閉鎖され、大学には進めなかった。4年前、タイでNGOが運営する大学に合格し、政治や社会について学んだ。

 かつて自然や天然資源に恵まれていた故郷では、森の木は伐採され、炭鉱は軍事政権に支配された。中国の一人っ子政策のひずみを埋めるため、少女が中国へ売り渡されることが日常茶飯事だという。「カチン族はすべてを奪われた。それでも人々は軍事政権を恐れて文句も言えない。人々は気持ちを内に封じ込められているのです」

 ジーサンさんは「いつ国に帰れるかは分からないけど、いつかは目標を達成できると信じている」と語った。

 ユンさん(22)=女性=は、東北部モン州の出身。中学は卒業したが、家が貧しくて高校には行けなかった。家の手伝いや農園での仕事をしていたが、「もっと勉強したい」との思いが募り、女性団体の支援を受けて4年前にタイへ来た。

 故郷は農業だけがよりどころの貧しい村。人々は生きるだけで精いっぱいの生活だという。「村では、女は男より能力が低いと思われている。でも、機会さえあれば女性にも多くの可能性があり、能力を発揮できることを知った。故郷に戻ったら、自分が学んだことを村の人たちに分け合い、服飾や英語教育などいろんなプロジェクトを始めたい」と話す。

 西部アラカン州出身のアウンナインソーさん(27)=男性=は、インドとをつなぐパイプライン計画で土地を奪われ、97年にタイへ出稼ぎに来た。同じような境遇の同族の青年組織に加わり、医療や英語を学んで、出稼ぎのミャンマー人たちの医療や教育支援に携わるようになった。

 国を出て8年。「自分が国外で民主化運動にかかわっていることを軍事政権に知られれば、両親も無事ではいられなくなる」と故郷との音信も絶った。「もっと勉強して政治家になり、祖国の人々のために貢献したい」と決意を語る。

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 ■軍事政権と民主化勢力

 90年5月に実施された総選挙で、民主化を唱える最大野党「国民民主連盟」(NLD)が8割以上の議席を獲得し圧勝した。しかし、軍事政権は「新憲法制定が政権移譲の前提」として、総選挙結果の受け入れを拒否した。

 軍事政権は95年7月、アウンサンスーチーNLD書記長の自宅軟禁を6年ぶりに解除。書記長は自宅前で週末集会を開くなど政治活動を再開した。NLDは98年9月に90年総選挙での選出議員による国会の独自開催を計画したが、軍事政権は500人以上を拘束して阻止。書記長は00年9月、地方遊説を阻止され再び自宅軟禁下に置かれた。

 02年1月、軍事政権トップのタンシュエ国家平和発展評議会議長とスーチー書記長との会談が実現。書記長は5月に自宅軟禁を解かれ、軍政側に本格対話を要求した。しかし、対話は軌道に乗らず、書記長は03年5月、北部を遊説旅行中に軍事政権派とみられる集団に襲撃されたうえ、他のNLD幹部とともに拘束され、4カ月後に自宅軟禁に移された。

毎日新聞 2005年7月12日 東京朝刊

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20050712ddm007030129000c.html

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