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何でもメガ・ビジネスにしたがる手合いのせいでアーチストや職人が希望を失う世の中になってしまった
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投稿者 ぷち熟女 日時 2005 年 9 月 10 日 02:52:09: WgkZZjZT3HifU
 

(回答先: Re: アフリカ系、イタリア系、スペイン系の組み合わせは、最強ですよ 投稿者 Sun Shine 日時 2005 年 9 月 09 日 21:12:37)

Sun Shineさま、

アメリカのポピュラー音楽界は、
美術界でポップアートが登場した頃以来だったのでしょうか
(あたくしは、ポップアートも
結託した産業界の後押しで作られたムーヴメントだったのではと疑っていますが)、
これ見よがしにアーティフィシャルでもキッチュでも
とにかくレコードの枚数を売り、ミリオンヒットを飛ばすのがイイのよ、
といった風潮に染まってそのまま現在に至っているように見えます。

奴らは、麻薬浸けの廃人を大量生産するキャンペーンにすら
ミュージシャンを使いましたよねえ?
ミュージシャンに直接消費を薦めたという意味ではありませんが、
そういうマーケティングやプロデュースをした。
その辺についてはあたくしよりずっとお詳しい方がおられるのではないかと思いますが。

ヤクを身体から抜くのにマイルスで休業6年、
デクスター・ゴードンで実に8年くらいかかっているし
マイルス、ジャコ・パストリアス、ジミヘン、
数えきれない天才が早死にしてしまいましたからね。

ヤクや酒に浸るミュージシャンは昔からいたでしょうが、
何も皆が皆それらをヤらなきゃ音楽が出来ないわけではない。
昔は健やかにイイ音楽を生むミュージシャンが
どこにでもたくさんいただろうに。

問題は音楽が資本によって巨大なビジネスにされてしまったことではないかと。


資本がヒルのようにアーチストに吸い付き、
早く大量にヒットを生め、とせっつく。
感性がからからにひからびていく。

あるいは、大した出来でもないのに、と本人が思うようなものが
巨額の広告費を投じられ、洗脳キャンペーンを貼られると
ちゃんと売れていってしまう。

何か違う。どこかおかしい。
普通の神経ですと精神的に荒廃し、破滅してしまう。

普通の神経でない者は、作られた成功の上におめでたく安住し、
滑稽な自分の姿を鏡に映してみることもなく過ごすか、
ボノのようにアーチストではなくなる替わりに奴らと同類になって生き延びる(笑)。

奴らが音楽ファンに与えた損害は量り知れません。
これは人間の悲劇だとマジで思います。


音楽の職人(=自分の手とテクニックで音楽を作る人々)が
人件費の安上がりな機械(シンセ)音楽の興隆とともに
以前のようには食べていけなくなり始めたのは
もう15年くらい前からの話でしょうか。
産業に結びついた凡そ全ての業界で職人芸はないがしろにされつつあります。

奴らの下らないスタンダード(手っ取り早く銭儲け)のせいで
心の琴線が本当に弾(はじ)かれるものを求めることが
とんでもなく贅沢な世の中になったかのように感じられる。
何もかもがつまらなくなっていく。

マス・ディストリビューションの音楽が大概ひどい、つまらない、
ということに気付く人々がまだいるうちに
『こんなつまらないものを聴かされるのはもうごめんだ』
という声を上げるしかないような気がしますね。
ボイコットするんです。

そして『スロー・ミュージック』運動を起こす。

そうすればマジョリティの中からも
自分達がどんなにどうしようもない音楽に浸らせられているか
気付く人々が少しずつ出て来ないでしょうか。


アメリカであれどこであれ、
今後新しい音楽の潮流が生まれるかどうか、ということについては:

まず、そもそもその『新しい』という観念が曲者ではないのか、
というところから論じる必要があるかも知れません。

『新しい』とは一体なんなのか、どういうことなのか。
凡そ日の下に『新しい』ものがあるのか。
また、何に対して『新しい』のか。

何かについて『新しい』と感じるためには
それがこれまで全く耳にしたことがないものである必要があるのか。

あたくしはそうは思わないんですよね。
音楽だけでなく、芸術の総べての分野について。

あるモチーフが
演奏するミュージシャンの個性とアレンジのセンスによって
全く違った感動を呼び起こすことはよくあることではないですか。

Sun Shineさまもおっしゃるように、
一人のミュージシャンの個性が抑え込まれることなく込められ、
丁寧に作られ、演奏された音楽というものは長期の鑑賞に耐えますから
そう簡単には飽きません。
逆に一曲を何十回も聴き込もうという意欲を増進させるものですらあります。

そうなると、

聴き手の我々の方は
『そもそも新しいものばかりを求める必要があるのか』

作り手の方は
『そもそも新しいものをのべつ幕なしに生む必要があるのか』

という疑問を持たねばならない事態になります。

そして、ミュージシャンの幸福な生き方とは
『メガヒットを飛ばして印税収入で喰って、
なんとかドームを何万人という聴衆で埋めてコンサートをやること』
なのかどうかです。


あたくしなどは、
ミュージシャンが5年に10曲くらいの制作ペースでも
全世界津々浦々を(妻子あるいは夫子連れでも)
人のうちでご飯を食べて泊まり歩き、
30kmくらいの距離ずつ会場を移し続けながら夜な夜な演奏し、
床に拡げたトランクに集まる金を道々預金しつつ(笑)
ご機嫌にやっていけるような世の中がサイコーかも、
などと考えたりします。
やっぱしあたくしはアナーキーなのでしょうか。

ろくでもないCDを買うより
音楽の職人をうちに泊めて食べさせてあげてでも
ちゃんとした生の音楽を聴くほうがいい、とマジで思います。

そういう状況が可能になるために、特別お金がかかるわけではありません。

でも、聴衆となる人々の鑑賞力、審美眼が育つとともに
意識が変わらなければならない。
人のクオリティや美意識、芸術鑑賞の形態に対する考えが、
更には暮らしと生き方、人生に関する考えが、
すっかり変わらなければ、不可能。

そして、それはお金を集めるよりずっと困難なことだ、そう思います。

人々の審美眼を失わせ、イージーにし、
感受性を鈍らせる(ろくでもないものを売り付けるには相手がバカな方がいいよね)
あの圧倒的なグローバル・ビジネスの力に
人間とその文化、文明は抗えるのでしょうか。


・・・・思わず長文を書いてしまいました。
どうも長々とおつき合いいただいてすみません。

ではまた、ごきげんよう。

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