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NGO、超巨大ビジネスの実態:マイクロソフト顔負けの「営利事業」が続々誕生する背景 [ニューズウィーク日本版]
http://www.asyura2.com/0505/bd41/msg/403.html
投稿者 あっしら 日時 2005 年 9 月 30 日 03:22:16: Mo7ApAlflbQ6s
 


「ホワイトバンド」運動に関して『あなたは思い込み過多で思考力不足、ZAKZAKの記事のどこが“中傷”なのか?』( http://www.asyura2.com/0505/bd41/msg/300.html )という投稿をしたので、今週号の「ニューズウィーク日本版10・5」に掲載されている関連記事を紹介させていただく。

「ホワイトバンド」運動を展開しているオックスファムがメインで取り上げられている。


P.32〜37

表題:

『NGO、超巨大ビジネスの実態 経営:非営利の慈善活動が1兆ドルを動かす一大産業に。マイクロソフト顔負けの「営利企業」が続々誕生する背景には何があるのか』


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記事:

「貧困撲滅の「ホワイトバンド」運動を提唱するオックスファムから赤十字まで、今や1兆数千億ドルが動くNGOの世界。大企業並みの組織運営と慈善活動をどう両立させていくか。巨大ビジネス化の背景に迫る。


 <中略>

 世界中で地域紛争が続発している。結果、各国政府は救援活動の多くを民間に「アウトソーシング」するようになり、気がつけばNGOは一大ビジネスになっている。
 ジョンズ・ポプキンズ大学が37カ国のNGOを調査したところによると、02年の運営費は推定で総額1兆6000億ドル。NGO部門全体を一つの国とみなせば、世界第5位の経済規模だ。
 その57%は、非営利の学校や病院が占める。なかにはローカルでささやかな奉仕活動もあれば、オックスファムのような巨大組織もある。その実態はさまざまだが、全体としてみれば巨大ビジネスであることはまちがないない。その政治的な発言力も侮れない。
 だが急成長ゆえに、NGOの指名と現実の矛盾も表面化している。そもそも「非営利」活動とは何か。活動の成果をどのように評価するのか。今や多くの幹部が高収入を得るようになったNGOをどう規制すればいいのか。

 「私たちがほとんど知らない組織を通じて、善意のために多くのカネが使われている」と、欧州委員会のシーム・カラス管理・会計検査・不正防止委員は3月に語った。「崇高な目的には、常により注意を払うべきだ」

 10月には米議会に、非営利団体の規制法案が提出される。エンロンなど一連の不正会計事件を受け。コーポレートガバナンスを見直すために制定された企業改革法をモデルとしている。
 ジョンズ・ポプキンス大学市民団体研究センターのレスター・サラモン理事によると、アメリカの非営利部門の支出は77年〜99年に、米経済全体より77%速いペースで成長した。米経済が「雇用なき回復」に陥り、01〜04年に雇用が減ったときも、非営利部門の雇用は年2〜4%増えた。
 主な先進国は似たような傾向だと、サラモンは言う。イギリスでは95から00年にボランティア部門の雇用が17.7%増えたのに対し、営利部門は8.5%増だった。

経営センスのある優秀な人材が必要に

こうした流れの大きな理由は、サービス経済が世界的に成長していることだ。NGOの大半は基本的にサービス業で、健康管理や教育などを提供している。
 さらに、反資本主義の慈善活動というイメージを薄め、自分たちが批判してきた大企業と同じような組織を導入している。
 数十億ドルの予算を組み、現地での活動や資金集め、ロビー活動など広範な責任を負うのだから、「規模の経済がとても重要になる」と、オックスファム・インターナショナルのジェレミー・ホッブス代表は言う。ニコラス・ストックトン元代表は、「慈善活動の市場はビッグビジネスだ」と語る。
 官僚出身のストッキングにとって、NGOで最もむずかしいのは「マネジメント能力のある優秀な人材を見つけること」。「経営のプロでありながら情熱を失わずにいられるかという、90年代のイデオロギー論争は終わった。もっとプロフェッショナルにならなくては」と、ストッキングは言う。
 そこで世界野生生物基金(WWF)は、各国代表の肩書を「CEO(最高経営責任者)」に変更。昔からの活動家の反発を覚悟で、実業界から人材を調達しはじめた。
 実際に、非営利団体の給料は実業界から人材が流れてくるにつれて上昇している。年間予算が30億ドルにのぼるアメリカ赤十字の場合、マーシャ・J・エバンズCEOの年収は45万ドルだ。
 彼女はたいてい、大企業から人材を調達する(新しく雇った経理部長は大手銀行の出身だ)。新人ならハーバード大学やロンドンビジネススクールでNGOの専門課程を学んだ学生たちだ。


 <中略>


 NGOはまた、政府のひもつきでない資金集めの方法を模索している。オックスファムはロンドンにフェアトレードのコーヒーショップを営業しているし、シカゴ・チルドレンズ・クワイアは電報の配達サービスで稼いでいる。企業向けのコンサルティングで資金を稼いでいる団体もある。


 <中略>


だが、独自の事業で利益を出すのは簡単ではない。米コンサルティング会社、ブリッジスパンの調査では、01年〜02年でアメリカの著名な41の非営利団体の営利目的事業のうち、71%が赤字だった。


政府や企業よりもはるかに透明性が低い


 それでも、NGOのビジネスは拡大しそうだ。国際援助額は40年代後半から上昇し、04年には786億ドルに達した。今年はそれを上回ると専門家は予想する。各国政府はさまざまな事業を民営化し、NGOを通じて流れる国際援助は95年で全体の4.6%だったのが、04年は13%と3倍になった。
 イギリス政府は多くの援助金をNGOを通じて支給し、来年は主要団体向けの拠出を40%増やす計画だ。当然、外交政策におけるNGOの発言力は強まる。
 その結果、救援活動家と兵士、政策と慈善活動の境界があいまいになりつつある。NGOが政府や企業のように政治的な利害関係や財政的な動機をもつことは明白だ。しかし、NGOは政府と違い選挙で選ばれたわけでもなく、企業と違い市場に左右されることもない。
 規制は各国で入り乱れている。アメリカとイギリスはNGOに対し厳密な報告書の提出を求めているが、その他の多くの国では政府の規制は事実上何もない。オックスファムやセーブ・ザ・チルドレン、ケアのような巨大なNGOは厳しい内部規定を設けているが、全体としてNGOは企業や政府よりもはるかに透明度が低い。
 「NGOは、地球という舞台で最も責任や義務のない役者だ」と、バーナードカレッジのアレグザンダー・クーリー教授は指摘する。

 <中略>

 援助をするのにふさわしくない団体もある。アフリカで活動するのに「コレラ患者を診たことがない医者もいた」と、アメリカの160のNGOを統括するインターアクションのジェームズ・ビショップは言う。ビショップによれば、なかには資金集めが目的化しているNGOもあるらしい。
 コロンビア大学のジャグディシュ・バグワティ教授は、オックスファムやアクションエイドのようなNGOが専門分野を超えて拡大していることを批判する。「これらの団体は巨大で多角化しており、まるで多国籍企業だ」とバグワディは言う。「企業のように利益を追求し、新しい市場に手を出す」

 <中略>


 さまざまな不祥事のせいで、説明義務が問われるようになった点も企業と同じだ。90年代後半には、アメリカの複数のNGOによる児童援助基金の流用が発覚。9・11テロの義捐金をアメリカ赤十字が別の目的に転用するというスキャンダルもあった。
 ハーバード大学ハウザー非営利組織(NPO)センターの調査によれば、95年〜02年までにアメリカのNPOによる不適切な行為は152件あり、うち101件が違法行為だった。今後、規制強化の声が高まることは避けられないと、報告をまとめたマリオン・フリーモントスミスは指摘する。
 NGOは長い間、部外者による「監視」を避けてきた。「従来のNGOは『善行に励んでいるのだから、ほうっておいてくれ』という態度だった」と言うのはジョン・エルキントン。企業にもNGOにもアドバイスするコンサルティング会社を経営している。

 <中略>


だが、改革も進んでいる。昨今のNGOの醜聞の噴出は、効率性向上に向けた「創造的破壊」の表れといえるかもしれない。
 すでにNGOの世界では組織再編や合併、特性を生かしたニッチ分野への進出も珍しい話ではない。アメリカ赤十字は政策論議への関与を控え、救援物資の輸送体制効率化に努めている。オックスファムの各国支部は現場の活動を地元の団体に委託して経費を削減し、貿易や開発に関するロビー活動に力を入れている。
 その一方で、ホワイトバンド運動のオックスファム・イギリスは活動範囲の拡大を続けている。現在、世界中で展開されている貧困撲滅キャンペーンの牽引役として、今後も貿易や援助、貧困問題で積極的な役割を果たすつもりだ。
 グローバル経済が第三世界に与える影響の調査も開始した。その一環として近く、インドネシアに進出した日用品大手ユニリーバと共同で、現地での企業活動の影響について報告書を発表する予定だ。気候変動やエイズ予防への取り組みを強化する一方、アタラナ収益源の確保にも積極的だ。
 オックスファムの目標は、今後数年間で活動規模を1.5倍以上にすること、成功すれば、NGO界のマイクロソフトやマグドナルドと呼ばれる日も近いだろう。
 もっとも、これを栄誉ある称号と考える関係者は少ないかもしれないが。

                               ラーナ・フォルーハー」

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