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水子のたたりじゃ―ゾォ―ッ  人工中絶と優生保護法
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投稿者 黄昏時のパルチザン兵士 日時 2005 年 11 月 01 日 19:18:56: WCbjO5fYf.pMQ
 

「人は自らと自らの子孫の幸福と繁栄を願うのに、なぜ、水子だけ放置しているのでしょうか。親の勝手な都合で闇に葬られた小さな霊の怨念が悪縁となって、あなたとあなたの家族に不幸をもたらすといわれています」――――――最近、なぜか「水子供養」とか「水子地蔵」「水子観音」などの広告がはんらんし出した。
「水子の祟り」をあおるような記事も女性専門誌に目立ち始めた。一冊のぺ―ジを繰ってみた。母体内の胎児に目を伏せる若い女性の写真。その上に「女子中・高生に大流行水子≠フたたり話のゾォッ!」の大きなタイトル。ここで東京の私立高校三年生がこんな告白をしている。
「そう、まったく突然なのよ。急に布団の中で体が動かなくなって。金縛りって言うのかしら。怖くなって目を開けると、真っ暗闇にフッと赤ちゃんの姿が浮かんで、オギャ―、オギャ―と泣き声まで聞こえたわ。朝、起きてみると、シ―ツまで汗でびっしょりでしょ。このあいだ堕ろした子が、さまよって夢に出てきたとしか思えなくて。それからは毎晩ごめんなさい、私の赤ちゃん≠ニお祈りしているわ」
いくつかの告白記事の後に、水子供養のできるお寺の住所と電話番号が載っていた。
「水子」とは「稚子」「若子」ともいい、本来の意味は「生まれてから日の経っていない子。あかご」のこと。それが貧困による間引きなどの歴史的な経過をたどって、流産したり堕胎したりした胎児を指すように変わってきた。その水子を供養するお寺がこのところ、どこも大賑わいだという。
神奈川県鎌倉市の長谷寺、滋賀県大津市の円満院、栃木県佐野市の佐野厄除け大師、東京都北区の正受院(通称・赤ちゃん寺)など名の通った寺は、普段の日でも、線香や花を供える女性の姿が後を絶たない。20歳代から40歳代の女性が大半で男性の姿はほとんどないという。
水子専用の霊場を持つ埼玉県秩父の地蔵寺は、供養に訪れる人たちを最寄り駅からマイクロバスで送迎する盛況ぶりだ。山の斜面をひな段状に切り崩し、一万体近い地蔵が横一列に何段も並ぶ。寺のパンフによれば、御影石の地蔵は大きさで三ランクに分かれ、一体の値段は八万円から十五万円という。
話は少々遡るが、1981年2月、千葉県で水子供養にまつわる奇妙なトラブルが起きたことがあった。ある日、千葉県船橋、松戸両市の産婦人科医院に「優生保護法が制定されて以来、多数の胎児が闇から闇に葬り去られた。人工中絶された小さな命の霊を慰めるために協力を」と書かれたビラが郵送されてきた。差出人は東京・江戸川区内の見知らぬ団体だった。多くの医院はこの協力要請を無視したが、間もなく二つの医院に二人の男が現れ「医療実態調査をする」と称し、通院患者に質問を浴びせたり写真撮影するなど、連日のように嫌がらせを続けた。この結果、患者が激減し休診に追い込まれる医院も出る騒ぎとなった。
もともと水子を供養する習慣は古くから民衆の中にあったが、特に江戸期、相次ぐ飢饉から間引きが横行し、これとともに地蔵や塚を祀る慣わしが定着してきた。農村などでは明治時代に入っても、貧困などの理由から間引きは続き、水子供養の風景があちこちで見られたという。それにしても、この古臭い風習がいまどき、なぜ流行するのだろうか。今全国で繰り広げられている優生保護法改正の運動と、何らかのつながりでもあるのだろうか。
金ラメの衣装をまとった若い女性歌手二人が舞台に上がると、バンドがモダンなリズムで演奏を始めた。マイクを握った二人がデュエットで歌う。
人は 愛の証(あかし)として この世に 生まれてきた 愛に目覚め 愛しあうために 人は生きてゆく 人生の旅を たどりながら 生命(いのち)こそ 何よりも
尊く いとしいものと 思わぬ人はいない 豊かな知恵と 優しさで 豊かな知恵と
優しさで いとけない 生命を みんなで守ろう 愛とまごころで
「素晴らしい作曲家が現れ、私たちにこの素晴らしい曲を作って下さいました。それは中村八大先生です」――――――女性司会者にうながされ、大きな拍手に迎えられて著名なその作曲家が登場してきた。会場の熱気にあおられたのか、さすがの中村氏も上気した様子がみえる。
「本当に命は大事だと思います。今日一日を本当に平和で豊かに暮らしていくことが大事です。あたたかくて優しい良い歌ができたと思います」
中村氏は自分の作品をちょっぴり自画自賛しながらあいさつし、すぐに歌唱指導に移った。「もう少し元気に大きな声で」「はい、とてもよくできました」と中村氏。会場は老人や女性が圧倒的に多い。バンドの演奏に合わせ、足でリズムをとりながら歌う人もいる。いつか会場は生命尊重≠フ大合唱となっていった。
1982年、年の瀬も押し詰った12月13日午後。東京・大手町のサンケイホ―ルで開かれた「生命尊重の日」実行委員会主催の「生命尊重を考える講演と音楽の集い」は、全国から貸し切りバスなどで駆けつけた宗教団体・生長の家の会員やカソリックの修道女、仏教関係者ら約800人でムンムンしていた。優生保護法改正を目指す同実行委員会のキャンペ―ン歌「豊かな知恵と優しさで」(岩谷時子作詞 中村八大作曲)が初めて発表され、会場でこの歌が何度も繰り返し合唱された。
キャンペ―ン歌発表に先立ち、作家の田中澄江さんは『生命の尊さについて』と題し「人工中絶は殺人にほとんど等しい行為だと思います」と訴えた。上智大の渡部昇一教授も「人工中絶と現代社会、優生保護法への疑問」をテ―マに「今の子供はお母さんの絵に角を描きます。たいていのお母さんは(堕胎という形で)子供を二、三人は殺しているからです。カソリックでは堕胎は殺人より重大です。堕胎よりも産児制限をやるべきです」などと講演した。
また、自民党国民運動本部長の塩川正十郎代議士は「責任政党である自民党が先頭を切って、生命尊重の運動を全国で展開します」と、参加者に熱っぽく約束した。
それから約二ヵ月後、年が明けて1983年2月8日、東京・永田町の自民党本部にある大ホ―ル。舞台のすぐ下に、優生保護法改正を求める約700万人分の署名簿が山と積まれ、ひな壇に自民党の国会議員がずらりと並んだ。国会開会中のこの日、昼の休憩時間を利用して行われた優生保護法改正を目指す「生命尊重国会議員連盟」の結成大会である。元厚相の小沢辰夫氏が同連盟会長に、幹事長にはやはり元厚相の橋本龍太郎氏が選ばれ、この日までに自民党の衆参両議院の半数を超す302人が連盟に加わったことが報告された。
森下元晴前厚相の司会で進められた大会は、冒頭にやはりさきのキャンペーン歌が何度も歌われた。署名簿を集めた請願人代表の主婦は「私の前に積まれている700万人の署名は、私たちが雨にも風にもめげず集めた血と涙の署名です。優生保護法の改正をよろしくお願いします」と涙ながらの訴え。紅一点の扇千景議員をはじめ、出席議員が次々と紹介されると、会場からその度に拍手がわき、各議員の選挙区の標識板が威勢よく振られた。大会決議はこんな文章だった。
――――――経済的理由を名目とした人工妊娠中絶の横行は生命尊重の気風を損なうものだ。産みやすい環境作りを進めるとともに、優生保護法改正の早期実現を政府に強く要請する。
優生保護法の目的は「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命健康を保護すること」(同法第1条)。
終戦直後の1984年に制定され、翌年の改正の際、当時の食糧難などを考慮して、妊娠中絶の許可条件に「経済的理由」が付け加えられた。この規定について、堕胎横行を宗教的信条から追求する宗教団体・生長の家などが同法の改正を求める運動を展開。1972年、政府提案の形で「経済的理由による中絶の禁止」のほか「胎児が重度障害児となる恐れのある場合中絶できる」「適正年齢で初回分娩するよう優生保護相談所が助言」の項目を加えた改正案が国会に提出されたが、国会解散で廃案となった。
ところがそれから10年近く経った1982年3月15日、参院予算委員会で、生長の家を主たる選挙母体とする自民党議員村上正邦が「十代の妊娠中絶が急増している。これは優生保護法14条4項に経済的理由≠ニの文言があるからだ」と、その削除を迫った。これに対し、当時の森下厚相は「経済的理由についてはその意義は失われている。優生保護法改正については、厚生省としてもよく検討し、早急にこれを出したいという前向きの、私の個人的な考えではあるが、明言をいたしたいと思っている」と、改正着手を約束する答弁を行った。同年4月には、ノ―ベル平和賞受賞のマザ―・テレサ女史が来日、国会議員を前に「中絶は平和を破壊します。皆様方がリ―ダ―シップをとって中絶法と闘って下さい」などと講演したこともあって、改正運動はにわかに火が付き、厚生省も改正準備に取りかかった。
この改正運動の中心に立つのが「生命尊重の日℃タ行委員会」だ。実行委は生長の家のほかにカソリック、仏教関係者が大同団結して結成され、同年7月、約100人の国会議員も出席して「生命の尊厳を訴え、胎児の命を守る国民の集い」を開催。政府に「経済的理由削除」を強く要請する一方、法改正の意見書決議を全国の地方議会で推し進め、1983年1月までに、広島、岡山両県議会を含む全国99の県市町村で採決に持ちこんだ。さらに1000万人署名運動にも取り組み、1983年はじめには700万人を超える署名を集めた。実行委の運営委員代表は全日本仏教婦人連盟理事長・山本杉、聖心女子大学長・相良惟一、京大教授・勝田吉太郎の三氏。運営委員には成長の家本部・徳久克己理事長、神社本庁・篠田康雄総長、全日本仏教会・金子日威会長、カソリック東京大司教・白柳誠一氏、ファミリ―ライフ協会・本間たか子理事長ら宗教界代表や、佐藤栄作元首相の寛子夫人、日本医師会・武見太郎前会長、慶応大・加藤寛教授、作曲家・芥川也寸志氏ら。
実行委の名簿を見ると、200人を超す発起人の顔ぶれはまことに多士済々だ。「日本を守る国民会議」運営委員長・黛敏郎氏(作曲家)「スパイ防止法制定促進国民会議」運営委員長・弘津恭輔氏(元総理府総務副長官)など、改憲を狙うこの二つの国民会議メンバ―とダブっている人もかなりいる。テレビ「面白ゼミナ―ル」のNHK人気アナウンサ―・鈴木健二氏や女優・浜美枝さん、物真似の江戸屋猫八師匠、お花の池坊保子さん、歌舞伎の片岡仁左衛丈など、ちょっと珍しい名前も登場している。
生長の家の定期刊行物を扱う日本教文社が、1982年11月に出版した「胎児は人間ではないのか 優生保護法の疑問点」という本には、鈴木アナウンサ―の意見が載っている。「あなたは悔恨の人生を送りたいか」と題する文で、次のように書いている。
快楽の果てに妊娠し、しかもその胎児を生きながらに殺し、葬り去って平然としていられ、その後の人生もカケラほどの懺悔もなく暮らしているとしたら、あなたは類稀な売春婦である。奥さんやお嬢さんである以前に、あなたは娼婦なのである。・・・・・・(中略)水子供養のお地蔵さんが立っているお寺がところどころにあるが、聞けばお線香を上げに来るのは、流産という抵抗し難い生理現象によって、胎児を失った女性ばかりだということである。この人達には母親としての深い悲しみと、決してこの人のせいではなかったのだが、この世の光を見ずに命を失ってしまった子供に対するお詫びの言葉があるのだ。堕胎は女性の最も愚かな結論である・・・・・・・・・・。
「生命尊重の日実行委員会」の事務局がカソリック系団体の「ファミリ―ライフ協会」にあると聞き、東京・芝の同協会に斉藤重夫事務局長を訪ねてみた。実行委結成までのいきさつについて斉藤氏はこう語る。
「マザ―・テレサ女史が来日し、国会議員を前に講演した後、村上正邦氏と玉置和郎氏(自民党参院議員)から、生命尊重のための会を作り運動を始めたい。各宗教団体も賛同しているので協力して欲しい、と誘いがありました。私たちカソリックの立場から言えば、優生保護法があること自体おかしいと思っていたし、堕胎はいけないという基本線で生長の家と一致しました。もっとも、生長の家と一緒にやることについては内部に反対もありましたが、生命尊重≠ニいうことでは一致したので・・・・・・実際の事務局は生長の家にあるんですよ」
そこで生長の家政治連合の小倉昌人事務総長に会った。小倉氏は「優生保護法改正問題は、生長の家にとって憲法改正問題とともに運動の二つの柱です。谷口(雅春)総裁は、戦後宗教者として政治にも積極的に発言しようという決意を持たれました。それは人の生命、国の生命を大切にするということです。今中絶の90数パ―セントは経済的理由になっています。これは改められるべきです」と実に明快に答えてくれた。
ここで優生保護法改正の仕掛け人≠フ一人といわれる村上正邦参院議員に登場してもらおう。村上氏は1932年8月生まれ。拓殖大卒業後、玉置和郎氏の秘書などを経て、1980年参院議員に初当選。370万人といわれる生長の家の信者をバックにする生政連国会議員連盟事務局長。1978年には、建国記念の日奉祝運営委員会の実行委員長として記念式典の政府後援をとりつけ、元号法成立に当たっても大いに活躍した。自民党改憲派の牙城である憲法調査会総括小委員会第二分科会の主査でもあった。参院議員会館内の部屋で村上氏に会ったのは、82年の暮れであった。ちょうどこの時期、優生保護法改正の反対の立場に立つ「日本家族計画連盟」「日本母性保護医協会」「日本看護協会」などが抗議声明を出したり、「国際婦人年をきっかけとして行動を起こす会」など45婦人団体が「’82優生保護法改悪阻止連絡会」を結成、全面的な反対運動に乗り出した直後のこともあってか、村上氏の機嫌はすこぶる悪かった。
婦人たちが優生保護法の「経済的理由」の必要性を主張しているのは、
@実際に経済的理由で子供が育てられないのに妊娠してしまう場合がある
Aそうしたとき子供を守る社会的な体制がなく、この条項を削除すると闇の堕胎が増え、かえって危険だ
B堕胎罪が適用されることになり、国家権力が家庭の中に踏み込んでくることになる
――――――――――などの理由からだ。
婦人たちは「女に生まれ、誰が好んで子供を堕ろすものか。それでも仕方なく人工流産する。それは悲しく、みじめなものだ」と訴え、すでに集会やデモを盛んに展開していた。
村上氏は開口一番「あなた方マスコミは反対派の肩ばかり持つから困る」と注文をつけたうえで、一気にこう語った。
「反対派の言っていることはトンチンカンで全然わからない。産む産まないは女の自由≠ニ言うが、思い違いもはなはだしい。反対派は、改正推進派の言うことは戦争に備え、産めよ増やせよと同じだ≠ニも言うが、我々は闇から闇へ葬られていく生命を一人でも救うこと、その一言に尽きる。だいたい、反対派の拠点は日本家族計画連盟でしょう。この連盟は国の予算をもらっており、中絶を減らすのが当たり前なのに反対する。ちょっと矛盾しているのじゃないか。我々の主張は生命の尊重≠ネのだから、反核を叫んでいる人はみんな賛成してくれるはずだ。我々の政治目標はあくまでも優生保護法(改正)に向かって前進することです」
村上氏の言葉通り部屋の壁には「優生保護法に一歩前進する」という政治目標を書いた額が掲げられてあった。しかしその同じ額には「憲法改正」も書き出されてあった。
「水子の祟り」という不気味な流行が、優生保護法改正運動と直接、結びついているかどうかはわからなかった。それでも、優生保護法改正を推進する中心的勢力が、憲法改正を目指す運動体と深く関わり合っていることは、おぼろげながら浮かび上がってきたようだった。

君が代は微風にのって  晩声社

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