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母性とフェミニズム 脳科学から見た「男らしさ」「女らしさ」 − 林道義のHPより
http://www.asyura2.com/0505/dispute21/msg/175.html
投稿者 都会暮らし 日時 2005 年 5 月 24 日 07:53:19: qpL7B6r4wrfEE
 

(回答先: 社会問題板へのエイドリアンさんご投稿拝読後の、私の独白 投稿者 都会暮らし 日時 2005 年 5 月 23 日 03:39:18)

http://www007.upp.so-net.ne.jp/rindou/feminism10.html

母性とフェミニズム 脳科学から見た「男らしさ」「女らしさ」

フェミニストは男女の性差は社会的・文化的な役割分担によって後天的に「作られたもの」だと主張している。体の違いは別として、心理面については男女のあいだにはまったく違いはないというのが、フェミニストの考えである。

その考えは「思想」であり「イデオロギー」であって、なんら科学的根拠は示されていない。その命題を根拠づける心理学者の「研究」とは、すべてアンケート調査による「意識調査」であり、結論は初めから決まっている。すなわち親が「男らしさ」「女らしさ」の観念を植え付けるから男子は「男らしく」なり、女子は「女らしく」なるのだという結論である。

その思想に従って、いま学校の中で女教師を中心に「ジェンダーフリー教育」が使命感をもって押し進められている。もし「男の子らしい性質」と「女の子らしい性質」とが生得的だとしたら、「ジェンダーフリー教育」は子どもの心に不自然な歪みや葛藤を与えはすまいか。こういう重大な問いかけは、今の日本ではまったくと言っていいほどなされていない。

じつはしばらく前から、脳科学の専門家たちが「男女の心理的性差には生得的な部分があり、それを無視するのは危険だ」とフェミニズムに対して警告を発しているのである。最近ベストセラーになったピーズ夫妻の著書『話を聞かない男、地図が読めない女』(主婦の友社) はその代表的なものだが、じつはもっと前から日本人の科学者の中にも同じ考えを述べていた人がいる。たとえば、代表的な例を挙げれば、新井康充 (やすまさ) 氏である。氏は『ここまでわかった ! 女の脳・男の脳』(講談社) の中で、

男らしさ、女らしさや性役割ができあがっていくのにも、生物学的なものが何かかかわっていないのだろうか (p.46)

と問いかけて、脳科学から見ると男女の行動様式の性差にははっきりと生得的な違いがあることを明らかにしている。

たとえば男の子がチャンバラなどのいわゆる「男の子らしい」遊びを好み、女の子がオママゴトのような「女の子らしい」遊びを好むという傾向があることは厳然たる事実である。この傾向がどの程度生得的なものかを調べた研究がある。

その方法としては、胎児に作用して男子を男子たらしめる男性ホルモンのアンドロゲンに注目する。すなわち男子になるように定められたXY染色体を持つ胎児は、自らアンドロゲンを出して体を男子に作っていくが、そのとき行動様式 (ということは心の部分と言い換えてもよい) をも決定するのかどうかが問題である。

サルの場合には、アンドロゲンの有無が男女の行動様式の違いを確かに産み出している。すなわち妊娠中のアカゲザルにアンドロゲンを注射すると、生まれてきたメスザルの遊びの行動パターンがオス型になった。

このことは、子ザルの遊び方の雌雄パターンが、生まれてからサル社会の中で生きていく過程で獲得されるものではなく、生まれつきのものであることを示している。(p.47)

この実験を人間にすることはできないが、こうした生物学的・生理的な部分 (したがって本能的な行動に影響する部分) が、サルとヒトとで、そんなに違っているわけがないのである。違っていないということを傍証する次のような事実を新井氏が紹介している。

すなわち「副腎過形成症」という病気があるが、これはアンドロゲンが異常に大量分泌される病気である。この病気にかかって過剰なアンドロゲンにさらされた女の子は、正常な女の子に比べて、より「おてんば」であり、遊び相手として男の子のほうを好み、屋外遊びが好きで、「ままごと」のような屋内遊びはあまり好まない。そして攻撃的になることが多いとよくいわれている。(p.50)

正常な男の胎児の場合は、自分の精巣からアンドロゲンが分泌され、これが脳に作用して遊びの行動パターンを男性型にするわけであるが、女の胎児の場合は、卵巣からはアンドロゲンは出ないので、遊びの行動パターンが女性型になる。(p.52)

これらの症例を見ると、胎児期におけるアンドロゲンの有無が幼児の行動型に大きな影響を与えていることがわかる。(p.52)

同様にオモチャの好みも男子と女子では明らかに異なることが確かめられた。このことから、新井氏は、次のように結論している。

したがって、幼児の遊びの行動様式や性役割が成立していく過程には、出生後の社会的、文化的要因ばかりでなく、生まれる前のホルモン環境によって影響を受ける部分があることがわかる。(p.54)

おそらく色の好みについても、同じことが言えるであろう。とすれば、いま学校ですすめられている「運動着を同じ色にせよ」とか「男子が赤い色を着て、女子が黒や青を着てなぜ悪いか」といった男女まぜこぜ教育が、いかに危険なものか想像がつくのである。

フェミニスト教師たちは「ジェンダー・センシティブ」を唱えている。これは男女の性差に敏感になって、性差を取り除けという意味である。

しかし事実としては性差は厳然と存在している。そのように精神活動においても生得的な性差があるのに、それに逆らう教育をして、自然に反する心を強制すると、男子は心理的に去勢されてしまい、女子は自然な生理や心理に逆らって過度に活動的・攻撃的になるように強制され、男女どちらも心のバランスを崩す危険がある。

新井氏は、前掲書および『男と女の脳をさぐる』(東京図書) において、「空間認知と言語能力」にも男と女では生得的な得意・不得意があることを明らかにしている。そのことは最近話題になっている 『話を聞かない男、地図が読めない女』の題名に使われている事実である。新井氏はフェミニズムに気を使って、しきりに性差には社会的・文化的な影響もあると断っている。それにもかかわらず、フェミニズム全盛のころに出版された新井氏の本はあまり話題にならなかった。ところが真っ向からフェミニズムを批判している『話を聞かない男、地図が読めない女』は、新井氏の本と基本的に同じことを言っているのに、ベストセラーになった。題名のつけ方がうまかったということ以上に、フェミニズムをめぐる時代精神の変化を象徴しているのかもしれない。

ところで、フェミニズムで思い出したが、フェミニズムの秘密も脳科学によって解けるように思われる。つまり、なぜあんなにも男性と同じになりたい女性たちが存在するのかという疑問に対する答えである。すなわち脳科学によれば、男脳と女脳とがある。胎児は基本的には女脳だが、胎児期に男性ホルモンを多く浴びると男脳になる。もし女の子がなにかの原因で男性ホルモンを多く浴びたら、当然、男脳の配線になってしまう。この男脳的な女性たちは、男性並みになることを要求するようになったとしても、少しも不思議ではない。ただし、それが女性一般を代表していると思い込むのは、やめにしてほしいものである。

『話を聞かない男、地図が読めない女』の著者ピーズ夫妻は、次のように書いて、脳科学から見るといかにフェミニズムが無茶なことを主張しているかを明らかにして、真っ向からフェミニズムを批判している。

男と女が異なる進化をしてきたのは、その必要があったからだ。男は狩りをして、女は木の実や果実を採った。男は守り、女は育てた。それを続けた結果、両者の身体と脳は、まったく別なものになった。男女の身体は、それぞれの役割に合わせて発達していった。たいていの男は女より背が高く、力も強くなっていった。そして脳のほうも、役割に応じて進化していった。

こうして何百万年ものあいだ、男と女の脳はちがう方向に進化していき、その結果、情報の処理のしかたまで変わってきた。いまや男と女では、考えかたはもちろん、理解のしかた、優先順位、行動、信念までことごとくちがう。

その事実に見て見ぬふりをしていると、あなたの人生は悩みと混乱が支配し、幻滅ばかりすることになるだろう。(p.19 - 20) 

男女のちがいは社会が作りだすというのが、20世紀の考えの主流だった。 (中略) 生まれたばかりの赤ん坊はまっ白なキャンバスのようなもので、育てる人間がそこに色を描いていくというのが、近年までの定説だった。

しかし生物学的な研究が進むにつれて、思考パターンの形成のしかたは、どうもそうではなさそうだということがわかってきた。私たちの態度や好み、行動を作りあげるのは、実はホルモンや脳の神経回路の働きなのである。 (中略)

私たちの思考や行動を決めるのは、胎児期に作られる脳の配線と、ホルモンの働きである。(p.20 - 21)

まだまだ引用したい研究成果や卓見はたくさんあるが、きりがないので、実際にこの本を読んでもらうことにして、最後に一箇所だけ引用する。

男と女はもともと作りがちがっている。この事実を認めようとせず、勝手な期待を相手に押しつけると、男女関係は暗礁にのりあげる。人間関係で降りかかるストレスのほとんどは、男と女はまったく同じで、同じような欲望や衝動を持ち、大事に思っていることも同じだというまちがった認識が原因になっている。

いまの社会では、子どもを性の区別なく育て、男女はまったく同じだと教えている。こういう教育は、長い人類の歴史でも過去に例がない。異性とのちがいに気づくのは、おとなになって結婚した翌朝である。これでは、人間関係や結婚生活が破綻するのも当然だろう。男女を同じものと見なす考えかたには、危険が一杯だ。脳の配線が異なる男と女に、画一的な行動を押しつけているのだから。(p.278 - 279)

危険が一杯のジェンダー・フリー教育が、いま学校の中でますます蔓延しつつある。
専門家はその危険を警告している。

ちょうど阪神神戸の地震の前に専門家が警告していても、誰も耳を貸さなかったことが被害を大きくしたのと同じことが起きているのである。フェミニズムにだまされないで、専門家の警告を謙虚に聞く耳を持たなければならない。

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