日本は他国にくらべて高レベル放射性廃棄物の処分政策が遅れていましたが、その遅れを取り戻そうと、いま急ピッチで処分政策が進められています。けれども、それほどまでに高レベル放射性廃棄物の処分問題が大変な状況にあることを、多くの国民は知らされていません。そもそも「高レベル」の放射性廃棄物とは何なのか知らない人、すでにどこかに処分していると思っている人も多いことでしょう。 国や電力会社は「国民はこの問題を理解していない」と嘆いていますが、「知っていますか? 電気を使えばゴミがでることを」などといった広告を流し始めたのはつい最近のことです。これまで放射性廃棄物という原発の負の面をできるだけ伝えないようにしてきたのは自らなのですから、そのような状況にあるのは当然のことです。処分の実施主体に Nuclear Waste Management Organization of Japan という英語名(直訳するならば「日本核廃棄物管理機構」)を冠しながら、日本語では「原子力発電環境整備機構」(通称:原環機構)という名称にして、何をする法人なのかわからないようにしたということが政府委員会で公言