★阿修羅♪ > 狂牛病・遺伝子組み換え11 > 122.html
 ★阿修羅♪
アマゾン破壊が加速 背景にEUのBSEと反GM、中国の食肉消費がもたらす大豆栽培拡大(農業情報研究所)
http://www.asyura2.com/0505/gm11/msg/122.html
投稿者 シジミ 日時 2005 年 5 月 21 日 23:05:20: eWn45SEFYZ1R.
 

http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/forest/news/05052101.htm

05.5.21

 ブラジル環境省が18日、2004年8月までの1年間のアマゾン森林破壊面積がそれに先立つ1年間に比べて6%増加、2万6130平方qに達したことを明らかにした(http://www.mma.gov.br/ascom/ultimas/index.cfm?id=1759)。これは、2万9000平方qが破壊された1995年に続く2番目の記録である。ブラジル宇宙研究センター(Inpe)の衛星画像によると、既にアマゾン森林の17.3%(ただし、5%の誤差)が消滅している。

 マリナ・シルバ環境相は、破壊は開発の「ダイナミックス」と強く結合しており、アマゾンの経済のあらゆる側面について持続可能な基準を作らないかぎり、監視と管理だけでは破壊と闘うのは不可能だし、これは政府が破壊防止計画を通じて行っていることだと言う。それにもかかわらず、アマゾンは破壊は加速している。

 この開発の「ダイナミックス」の最大の要因が大豆栽培の拡大であることは確かに見える。森林破壊の半分は、「世界の大豆王」と呼ばれ、個人としては世界最大の大豆生産者であるブライロ・マッギが知事として君臨するマット・グロッソ州で起きている。2003年に知事となったマッギは、この機を捕らえ、大豆をアマゾンの成長と開発のエンジンに据えた。次の10年で大豆栽培面積作付地を3倍に増やす、彼自身の会社も、2倍に増やすと豪語する(ブラジル大豆生産が急増、アマゾン破壊に拍車,03.9.19)。以来、マット・グロッソの森林破壊速度は倍増した。

 20日付の英国・インデペンデント紙(The rape of the rainforest... and the man behind it, Independent,5.20;http://news.independent.co.uk/world/environment/story.jsp?story=639814)は、ブラジルの大豆ブームの背後には、狂牛病(BSE)の発生で家畜飼料に動物蛋白質を使えなくなり、蛋白源飼料を大豆に求めたEUの大豆需要の増加があると指摘する。しかし、消費者の反発で、EUは遺伝子組み換え(GM)大豆が大半を占める米国やアルゼンチン、ブラジル南部の大豆は使えない。非GM大豆の供給源をマット・グロッソを中心とするブラジル北部に求めた。

 ブラジル北部は、かつては気候や土壌の条件が大豆に不適とされてきたが、新品種開発で大豆栽培が可能になった。除草のために不可欠な耕起による土壌流亡に悩む南部やアルゼンチンの生産者が除草剤耐性GM大豆に走るなか、日本全体の面積に匹敵する面積をもつマット・グロッソ州を含む北部地域は、アマゾン開拓による新天地で非GM大豆生産を急拡大させてきた。今や、ヨーロッパはブラジル大豆の65%を輸入する。

 さらに最近は、都市中産階級の台頭で食肉消費が急増する中国の飼料用大豆の需要の増大が加わった。今や大豆生産はブラジル経済の基幹部門を構成する。アグリビジネスは最大の輸出収入を稼ぐ。アマゾン破壊と闘う現ルーラ政府も、負債償還のための外貨獲得の枢要な手段として大豆輸出を後押しする。マッギや最大の輸出企業・カーギルの活動を抑えるなどはとてもできない。

 今年は最大の伝統産地であるリオ・グランデ・ド・スル州などの南部が史上最悪の干ばつに襲われている。リオ・グランデ・ド・スル州では損失は85−90%になり、雨がないために成熟は進まず、大豆は、事実上蛋白質と脂肪分も含まない。パラナ州、サンタ・カタリーナ州、マットグ・ロッソ・ド・スル州でも減収となる。他方、マット・グロッソも含む北部諸州では20%の増収という(Drought, Rust Erode Brazil's Soy Harvest,Soyatech.com,5.11)。それでも、ブラジルは飼料用大豆の輸入に追い込まれている(注)。大損害を受けた南部産地の回復には時間がかかる。今後、北部・中部への依存が一層強まるだろう。大豆生産を維持・拡大しようとすれば、アマゾンへの負荷が一層増すということだ。アマゾン破壊に歯止めをかけることはほとんど絶望的に見える。

 (注)既にアルゼンチンからの大豆、すなわちGM大豆2万7000トンが陸揚げされている。ただし、これを許可したバイオセキュリティー委員会(CTNBio)の決定に対して、環境・保健両省が、6種のGM大豆の環境・健康影響評価がなされていないと異議を唱え、目下、11省で構成する国家バイオセキュルティー・カウンシルでの討議を求めている。しかし、輸送費を考えると、アルゼンチン以外からの調達はあり得ないという(Brazilian feed goes against the grain,Lloyds List,5.18)。

 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ       HOME > 狂牛病・遺伝子組み換え11掲示板



  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。