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米国 3例目の狂牛病嫌疑牛はシロと確定 根拠の説明は一切無し(農業情報研究所) ― 米のBSE検査は「幼児的段階」
http://www.asyura2.com/0505/gm11/msg/283.html
投稿者 シジミ 日時 2005 年 8 月 04 日 21:38:05: eWn45SEFYZ1R.
 

http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05080401.htm

05.8.4

 米国農務省(USDA)の動植物保健検査局(APHIS)が8月3日、7月27日に報告され狂牛病(BSE)検査の非確定的結果について、陰性と確定したことを発表した(Statement by John Clifford, Deputy Administrator Animal & Plant Health Inspection Service August 3, 2005;http://www.aphis.usda.gov/lpa/news/2005/08/negative_tt.html)。

 アイオワ・エイムズのUSDA試験所(NVSL)が陰性と決定、英国・ウェイブリッジの獣医試験所で行われた検査も陰性だったという。最初の検査で異常プリオン蛋白質が検出されたのに、再検査で何故陰性となったのか、それについては一切言及がない。ただ、「最初の非確定の結果は、人為的=artifactual (人工的=artificial、または真実でない=untrue)着色によって引き起こされたものであるが、この着色がBSEに似ていなかった」と、再検査を行った理由を述べるだけである。

 免疫組織化学(IHC)検査では、脳組織(通常は異常プリオン蛋白質が最も多く蓄積する脳幹部)を細切り、異常プリオン蛋白質に反応する抗体で染色して異常プリオン蛋白質の有無を顕微鏡で観察する。着色はもちろん人為的だ。しかし、非確定としたのは、着色が「真実でない」からだったのか。そうだとすれば、「真実でない」着色がなぜ起きたのか。再検査では着色が起きなかったから陰性としたのか。全然わからない。

 再検査に使われた検体は最初の検体と異なるものだろう。この検体で着色が起きなかったから陰性としたのなら、最初の検体で起きた着色は無視する理由が説明されねばならない。この点に関しては、非定型狂牛病の場合には、「通常のIHCで使用される抗体は、検査プロトコルの下で検査される組織に蓄積される傾向のある異常プリオン蛋白質を認めるのに失敗する可能性がある」(ニューヨーク・タイムズ紙が書いたカリフォルニア大学・サンフランシスコ校のセーファー博士の見解ーResults Negative in 3rd Possible Case of Mad Cow,The New York Times,8.4;http://www.nytimes.com/2005/08/04/health/04cow.html?adxnnl=1&adxnnlx=1123128069-YJNoeYq6mtmDcsDsodMCvw)というだけに、再検査のための検体が適切であったかどうかが特に気になる。

 新たな検体でも着色が起きたのなら、それでもなお陰性と確定した理由が説明されねばならない。それも最初の検体の着色と同様に「BSEに似ていなかった」から陰性なのか。

 ともかく、わからないことばかりだ。

 2例目の場合の混乱に続くこの混乱は、米国のBSE検査が、検体の採取・保存・処理から検査技術、検査結果の読み取り・解釈に至るまで、すべてにおいて、いまだに幼児的段階にあることをはっきりさせたと言えないだろうか。これは、90年以来のすべてのサーベイランスの結果への信頼性を損なう。

 4日付けの「朝毎読日産新聞」によると、政府某高官は、「米国のBSE検査のデタラメさは最初からわかっていた。政府が輸入再開条件として全頭検査を要求しなかたったのは正しかった。消費者の要求を呑んでいたら、とんでもないことになっていた。最先端を行く米国の検査の結果は、シロからクロへ、クロからシロへ、自由自在に変わる。(消費者の)無知ほど怖いものはない」と語った(これは、もちろん冗談である。冗談のわからない人のために念のため)。

 しかし、幼児段階の検査は、米国の狂牛病対策のすべてが幼児段階にあることの一つの現れにすぎない。これでは、「無知な」消費者が主張する輸入禁止の継続こそ最善の選択かもしれない。リスクを根で絶とうとするならば、それが最善の選択だ。

 狂牛病のような未解明の病気に関しては、一番怖いのは「無知」ではなく、何でもわかっているかのような振る舞いーそれによって姑息な対症療法の考案だけに走ることだ。それよりも、病気の根絶こそが優先されねばならない。根絶などできない?だが、そのための努力(要するに牛飼育方法の改善やそれを促す現在のような牛肉大量消費の抑制)をどれだけしてきたというのか。目先の利害を確保するために、それはないがしろにされてきたのではないか。

 科学万能の時代だが、ブッシュ大統領でさえ、学校教育で「進化論」と並行して「知的設計論(Intelligent
Design)」を教えよと言う(Bush Remarks Roil Debate on Teaching of Evolution,The New York Times,05.8.3;http://www.nytimes.com/2005/08/03/politics/03bush.html?)。知的設計論とは、単純化して言えば、進化を牽引するのは自然淘汰だというダーウィン流の考えでは生命の複雑性を完全には説明できない、生命は強力な指導力、知的設計者ーつまりは神ーが創造することができるという考えだ。この考えに同調するつもりはない。しかし、少なくとも生命事象については、すべてがわかっているかのような傲慢な態度は棄てねばならない。

関連情報
米国 BSE3例目の疑い 免疫組織化学検査で確定できず 再検査へ,05.7.28
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05072801.htm

米国BSE2例目 ”種”の誤表示とサンプル混合の二重ミス 検査制度改善も無意味に,05.6.2http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05062701.htm

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