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プリオン専門委 たたき台二次案にも重大な欠陥ーレンダリング工程や獣脂には一切触れず(農業情報研究所)
http://www.asyura2.com/0505/gm11/msg/398.html
投稿者 シジミ 日時 2005 年 10 月 10 日 21:31:29: eWn45SEFYZ1R.
 

http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05100801.htm

05.10.8

 10月4日のプリオン専門調査会に提出された「米国・カナダの輸出プログラムにより管理された牛肉を摂取する場合と、わが国の牛に由来する牛肉・内臓を摂取する場合のリスクの同等性に係る評価http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai32/prion32-siryou3.pdf(たたき台修正二次案)[PDF]が明らかにされた。一次案の恣意的な仮定の積み重ねに基づく評価(吉川マジックの舞台裏 米国BSE汚染度の計算は根拠不明な仮定の積み重ねhttp://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05091501.htm,05.9.15)がほとんど改善されていない。

 とりわけ重大な問題と指摘した国内牛の暴露・増幅リスクに関して、レンダリング工程の実態には一切無視、「通常のレンダリングでは感染価は約1/100に減少する」とした点について何の修正もない。EUのリスク評価が言うように、

 「米国の約280のレンダリング工場で四つのシステムが使用されている。全システムが100-150℃の温度と様々な加熱時間、大気圧下で加工。

  -バッチ煮沸工場(46):115-125℃、45-90分。

  -連続チューブ・デイスク煮沸システム(220):131-150℃、45-90分。

  -連続多段階蒸発システム(10):115-125℃、20-40分。

  -連続予熱/加圧/蒸発システム(4):87-120℃、240-270分。

 これらは大気圧の下で(つまり加圧することなく)加工しているから、BSE感染性が工程に入れば、これを大きく減らすとは考えられない」(米国の地理的BSEリスクの評価に関する作業グループ報告(欧州食品安全庁)http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/document/gbrus04.htm,04.9.4

というのが事実とすれば、感染牛1頭の”肉骨粉”がもつ感染価は最大でこの評価の100倍にもなってしまうというのにだ。この一事だけをとっても、この評価はまったく信頼できないと分かる

 しかも、米国が牛飼料にも使用を許している獣脂(タロー)や血液はまったく考慮の外だ。これらは感染源のリストに入っていないから、効率最優先の現代酪農に不可欠となってしまった代用乳に使われるこれらを考慮の外に置いたのは日本のリスク評価でも同じだ。しかし、米国ではその原料に特定危険部位(や死亡牛やその他あらゆる種類の死亡動物)も使われるのだから、それらのリスクは到底日本と同じとは言えない。

 レンダリングで製造される獣脂にせよ、内臓を含む可食部から抽出される獣脂にしても、安全とされるためには条件がある。非溶解性不純物が一定レベル以下に抑えられる必要があるだけではない。獣脂自体の安全性も無条件に保証されるわけではない。

 EUのリスク評価(http://europa.eu.int/comm/food/fs/sc/ssc/out219_en.pdf)では、後者については、1)人間消費のために分離され、またそのように取り扱われた脂肪組織に由来するタローは肉と同様に安全で、すべての用途に利用できる。これら原料の貯蔵・輸送・生産ラインが専用化されれば、リスクはさらに最小限に抑えられる、2)直接人間消費のためのものではない他の分離脂肪組織も、一定の消化管を除き(同時に出された別の意見:http://europa.eu.int/comm/food/fs/sc/ssc/out215_en.pdf)、また脂肪採集手続きが感染物質に汚染されるのを防ぐことができ、また製造ラインが専用化されていれば、同様に安全であるとされている。

 つまり、このようなタローのリスクがきわめて低いというのは、原料に回腸遠位部など一定の消化管が含まれないこと、ラインが専用化されていることを前提にしての話だ。

 前者については、病原体の蛋白質の性質からしてそれが抽出過程で獣脂よりも肉骨粉に残留する傾向があるとして、原料が高度の感染性をもったとしても製品に感染性は発見されなかったという英国の研究(Taylor et al,Inactivation of the bovin spongiform encephalopathy agent by renderring proceduires,Veterinary Record,Vol.137,pp643-649,1995;Taylor et al,The effect of rendering proceduires on scrapie agent,Veterinary Record,Vol.141,pp643-649,1997;etc.)が引き合いに出される。しかし、これについても、このEUの評価は、レンダリング施設に似せた実験室でのこのような実験結果は、実際のレンダリング施設で行われた”パイロット・スケール”の実験では再現しなかった、従ってタローが100%安全とは確認できないと指摘している。

 また、古典的なワイルスミス等による疫学調査では、BSE の地理的分布からして肉骨粉が主要感染源で、タローなど他の考えられる感染源は主要感染源ではないとしているが(Wilesmith et al,bovin spongiform encephalopathy:epidemiological studies,Veterinary
Record,Vol.123,pp638-644,1988)、このEUの評価は、タローが感染源となったケースが少ないことが感染源リストからタローを外す理由にはならない、この数は伝達の主因と確認するに十分かもしれない、タローが肉骨粉ほど有効な感染源でないと言い切るには現在利用できる以上の情報が必要だと言う。さらに、ワイルスミスのデータは、肉骨粉禁止後に生まれた牛の感染は低感染性のタロー、つまり代用乳への暴露で説明できないかどうかを含めて、様々な側面から検証されねばならない、現在は他の疫学研究は利用できず、一層の研究も全然計画されていないと指摘している。

 代用乳犯人説は、EUの科学者も決して完全に葬ったわけではない。それは、感染を確認する検査の感度の問題、大抵の実験に使われるマウスと牛の感受性の違いなどの問題もあげ、大部分の製品の安全性は、現在は専ら生産過程のあり得る感染性削減または排除能力に基づいて評価されているが、原料をどこから調達するのか、どんな動物個体から調達するのか、組織の感染性分布、交差汚染回避、ありうる不純物の存在なども考慮すべきだと言い、一層の研究がなされるまではタローそのものが最終的に”リスクゼロ”とは決められないと結論している。

 このようなタローは、不純物を0.15%以下に押え、133℃-20分-3気圧で処理すれば飼料とペットフード(ただし子牛飼料はダメ)に安全に使用できるが、その原料に特定危険部位や人間消費に不適な動物ー豚や魚も含めた不自然な原因で死んだ死亡動物ーの組織は含まれてはならないという。

 日本でもこんな条件がどこまで守られているか不明だが、米国ではもっとひどいことは明らかだ。食品医薬局が発表した新規制も、相変わらずタローや血液・血液製品の飼料利用を許している(米国FDA 新たなBSE飼料規制を発表 なお抜け穴だらけ カナダの規制とも格差http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05100502.htm,05.5.5)。こんな片手落ちもあれば、このリスク評価はますます信用できないものになる。、

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