茨城県の養鶏場で鳥インフルエンザの感染が相次いでいる問題で、茨城県は４日、水戸市や小川町、茨城町の計１４養鶏場で感染の有無を調べる検査を行った際、農林水産省の防疫指針に違反し、養鶏業者の獣医師に検体の血液などを採取させていたことを明らかにした。

　指針では、家畜防疫員を立ち会わせることになっており、農水省は「不適切だった」としている。

　不適切な検査が発覚したのは、小川町の養鶏場のケースで１０月３１日に抗体が最終確認されたのがきっかけ。８月２３日の立ち入り検査では陰性だったことから、農水省が県に確認を求めたところ、県が調査の際、家畜防疫員を立ち会わせず、業者側が自ら採取した検体を提出させていたことがわかった。

　このため、同省は県に、これまでの検査の点検を指示。茨城町の養鶏場でも４日、新たに感染歴を示す抗体が見つかった。同県内での感染は３２例目。県は、この養鶏場の約３０万羽のうち約１８万羽を処分し、半径５キロ圏内にある１４養鶏場の約９３万羽について卵や鶏の移動を制限した。

　県畜産課の鹿志村均課長は「鶏の処分作業などで人手が足りず、獣医師がいる業者側からの申し出に甘えてしまった」と釈明した。

（2005年11月4日22時2分 読売新聞）

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20051104i416.htm

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