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〜投機的市場において多数の追随者が出るシナリオ〜  (機関投資家の見るマーケット) GCAMS.
http://www.asyura2.com/0505/hasan40/msg/157.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 4 月 24 日 17:42:09: ogcGl0q1DMbpk
 

機関投資家の見るマーケット

2005年4月4週

〜投機的市場において多数の追随者が出るシナリオ〜

http://www.gcams.co.jp/stock/mkt/0504_4.htm

「投機(speculation)と投資(investment)は異なる」とはバリュー投資で有名なベンジャミン・グレアムの言葉。単純定義では「投機」は短期の利ザヤを狙うもので、「投資」は、資産を有効に用いる経営手法によって投資額以上の長期収益を予測する活動だが、ベンジャミン・グレアムは「投資というのは詳細な分析に基づいたものであり、元本の安全性を守りつつ、かつ適正な収益を得るような行動を指す。この条件を満たさないものは投機的行動である」として、投機と投資を分けている。しかし、どちらも「儲けたい」「資産を増やしたい」という経済行為という点では同じだ。振り返って現在の株式市場を眺めると、色濃い「投機色」に覆われている。短期売買によるキャピタルゲインを狙うマーッケットにおける「投機行動」は「市場心理を予測する活動」(ケインズ)と定義される。

現在、個人のオンライントレード口座は、ネット専業5社の180万に一般証券の400万超を加えた計600万規模にまで増加している。株式市場がインターネットを通じて簡単に参加できる大衆化市場になるにつれ、短期キャピタルゲイン狙いの投機色は強くならざるを得ない。しかし、こうした株式市場では、投機家が行う短期予測は、ほとんどの場合に誤ることになり、疑心暗鬼の集団心理に「暴落」と「急騰」を内在することになる。また、こうした群集心理が株価の振幅を大きくもする。事実、東証時価総額は1989年12月に600兆円のピークを付け、2003年4月にボトムの230兆円を経て、2005年4月の現在、360兆円水準にある。実体経済を表すGDPが、凡そ500兆円で推移する中にあって、その1.4倍から50%までの振幅を見せている。

世界恐慌の時に登場した経済学者ケインズは、得意の経済理論で景気の先行きを予想し、それに基づいてタイミングよく売買すれば、投資は成功すると考えていたが、運用した「チェストファンド」は1929年からの世界恐慌に捕まり、1930年−31年で資産が半分以下となった。その後「株で儲けるためには、多数の他人が良いと思う銘柄を買うことが重要(=美人投票論)」と気付き、1928年−45年までの18年間に年率平均13.2%(同期間の市場平均は▲0.5%)という成績を残した。「成功の理由は、個別銘柄の選択だった」と述べるケインズは、「投資家がまだ重要視していないが、知れば(売り買いの)判断を変えるであろう何らかの材料から、今の市場予想とは異なる確信をし、他に先んじて買いや売りを実行しなけれ、株式投資では利益が得られない」と結論付けている。

さらに、ウォール街のランダムウォーカーの著者バートン・マルキールも(A)「他を上回る高い投資収益をあげたいと思う参加者は、株式市場がファンダメンタル価値と考えるものの将来の変化を、他に先じて予見することこそが最も効果的な戦略(=多数の追随者が出るシナリオ)」と、ケインズと同様、現在評価されるファンダメンタルとは異なるファンダメンタルを予見する必要性に触れている。バートン・マルキールはさらにこれに加えて(B)「数値化可能なファンダメンタルズの概念」の導入の必要性を述べ、多くの市場参加者が見るファンダメンタルズの4大要素として(1)期待成長率(2)配当〔将来利益〕(3)実現確率(4)金利水準をあげている。この概念で個別株を選別し、成功したのがウォーレン・バフェットだ。

しかし、一般の投資家が、あまたのアナリストやエコノミスト、ストラテジスト等の唱える期待収益、期待配当、実現確率、期待金利とは異なる確度の高い情報を得ることは難しい。一般大衆が多くの投機場と化した株式市場では、ほんの些細なニュースや、要素に対する認識の転換から、群集心理が大きく動いて株価が変動する。一般の投資家の多くの売買の根拠は曖昧なものであり、常に他人の顔色を窺っている。だから株価が下がるという声が多くなると、何となく不安になって底値で売り、逆に株価が上昇する時は、高値で買ってしまう。常に群集心理から解放されることはない。

認識すべき米国株のデータがある。金利3%の年複利で9.2倍、5%で元利合計は38.8倍になるという期間が「75年」という期間だが、1925年−2000年までの期間で見て、株式投資の収益獲得の大部分が「上昇率ベスト60カ月間(7%)」に達成されている。この意味するところは、株式はたった7%の期間に、すさまじい上がり方を演じるが、他の時期(93%)は動いていないか、下がっているということだ。1カ月の立会日数を約20日と考えて、長期の平均では株式の急上昇はたった1日ないし2日、1年で17日しかないのだが、この7%の期間を逃せば、株式投資は損失となることを認識すべきだ。しかし、女神の微笑む7%の幸福な日々の到来は、だれにもわからない。ただこの期間を外すと利益は望めないことから、「長期投資」こそが株式で収益を得るための必要条件となる。

短期売買のデイトレーダーにあって、勝者は市場心理を把握するほんの一握り。ほとんどの人が損失を被っている。投機化した株式市場での勝率を5割として、勝ち負けイーブン、1%の手数料(リターン率99%)で100回続ければ、元本は37%(=0.99の100乗)に減る理屈だ。「リスク回避のため、翌日まで手持ちとしない」という言い訳に、売買回数はとても頻繁となる。しかし、ほとんどの人が、わずかに思える手数料に元本を減らすことになる。インターネットで頻繁に売買するデイトレーダーが、儲けているように錯覚して損をすることが多いのは、多くがこの手数料のためだ。

さて、東証の1日の売買高は1兆円程度で、時価総額360兆円の0.3%の割合。もし、多い時の1.5兆円でも0.4%だから、0.3%−0.4%の日々の取引で、残り99.7%の株価が決まる仕組が、株式市場には存在していることになる。先年、ヘッジファンドを先導役とする外国人投資家の日本株買い(10兆円)と、マスコミによる「経済の回復」「快調な企業収益」の強調を通じ、ネットトレーダー追随を得て、東証時価総額が2003年4月の232兆円から翌2004年の4月の372兆円へと140兆円の増加を見せた。10兆円の買いが、日経平均を4000円上げ、時価総額を140兆円増やした訳だが、その背景には、「0.3%の取引で、残り99.7%の株価が決まる仕組み」と「群集心理に他に追随するネットトレーダーの存在」があった。

企業収益の好転のなかにも「日本悲観論」に沈んでいた株式市場に、先見の明で挑んだ「ヘッジファンド」が、最大利益を獲得するが、個人投資家でもこうしたヘッジファンドの買いに代表される「株式市場への資金の流れの大きな変化」を読んでさえいれば、女神の微笑む7%の幸福な日々の到来を待てたはずだ。しかし、当時一部の投資家を除き多くの投資家がアナリストやエコノミスト、マスコミの唱える「日本悲観論」に参戦を躊躇した。株価が上がった後、連日の大商いが示すように、ネットトレーダー等の多くの追随者が出るが、それはヘッジファンドの売り抜けのための高値買いをしているようなもので、女神の微笑む7%の幸福な日々を逃している。

株式で利益を追求するための基本は「女神の微笑む7%の幸福な日々」を外さない投資スタイル。すぐに1億円ができるかのような巧みな売買テクニックの紹介や「ここだけの話」の嘘臭いインサイダー情報など、日々、悪魔のささやきは絶えないが、デイトレーダー的な短期売買志向は多くの参加者が陥る「落とし穴」に一緒に入ることを意味する。ではどうすればよいのか?

リスク分散効果を期待できる「ポートフォリオ運用」を前提に、バートン・マルキールの回答は、(1)まず、ファンダメンタルの相対比較を利用し、今後5年間、1株当り利益においてその会社の属する業界平均を上回ると期待できる株式を、高くなっても安くなっても一定額ずつ買い続ける。(2)だが、ファンダメンタル価値(例ばPER)が、未来収益期待で正当化できる以上の株価は買わない。(3)次に、多数の追随者が出るシナリオが始まるであろう株式や銘柄群、または業界を狙うが、シナリオが作られ上昇した後では遅い。また、大きなリスクゆえ自分が他の人よりよく知っている業界を選ぶ。(4)最後に、取引の回数は少なくする――となる。

さて、4月半ばの米国株の急落を、上記(3)の「投資家がまだ重要視していないが、知れば判断を変更する材料から、今の市場予想とは異なる確信で、多数の追随者が出るシナリオ」との観点から眺めるとどうなるか。(イ)今までは、原油高がインフレ(金利高)につながるとして、原油高=株安だった。(ロ)WTI原油先物で80ドル観測に高値を更新していたその原油先物価格が大きく下落したが、(ハ)米国株式市場は「景気の腰を折る金利上昇に歯止めがかかった」と見るところを、(ニ)認識の転換が起きて「景気減速を示す金利低下」と見ることとなり、(ホ)IBM等の業績悪化も手伝い、景気後退観測が前面に出ることで大幅下落につながった――となる。

では、FRBが意図してきたことは何かと考えてみよう。それは、(A)ドル基軸通貨体制の維持のため世界的なドル離れを回避することと、(B)原油高によるインフレ圧力を抑制しながらも資産(住宅)バブルを長期に継続し、最後は軟着陸させることと言える。まず、(A)については、FRBは、昨年6月以降、7回の0.25%刻みの利上げでFF金利の誘導目標を2.75%に引き上げ、3%水準に近づいたことで、内外金利差が縮小し、金利差面から「米ドル」が一時的に持ち直した。3月の103円台から4月は108円台へと上昇している。ただ、「ドル基軸通貨体制」の維持については、中長期的に手がけなければならない構造問題であり、現在の状況をもって安定したとは言いがたい。

(B)については、これまで米国経済は、ITバブルの崩壊による景気調整を浅くするため、資産(住宅)バブルを許容してきた。原油高によるインフレ圧力が強まっても、引き締めは0.25%ずつしか行わず、引き締め割合が足らなくてもそれで良しとしてきた。米国ではホームエクイティローンが発達していて、住宅価格が値上がりするとき与信が増加し、その与信が耐久財の購入を促してきた。また、住宅ローンの金利は2軒目まで所得から控除でき、住宅購入が資産作りの手っ取り早い方法ともされてきた。現在の価格は、住宅ローンを積み重ねた結果による高価格であり、もし、金利の急上昇があると、逆回転が始まり資産バブルが一気にはじける。資産バブルに支えられた景気が長期にわたって維持可能ではないことは歴史が証明するが、もし「今回の米国の景気減速懸念」が出ていないなら、インフレ圧力の急劇な高まりに、どこかに米国経済のハードランディングが襲ってくるところだった。実際、米国の長期金利(10年)が4.64%に至った3月末には、ローンによる消費者の購買活動が急停止していたし、ローンを返せなくなる人が急増し「新しい破産法」まで登場した。

現在、米長期金利は、4.23%まで低下しているが、(ニ)米国の景気減速懸念の認識転換に、資産バブルの一気の崩壊は遠のき、米国経済のソフトランディングの可能性が見えてきたとも言える。もし、住宅バブルが一気にはじけるクラッシュを迎えるなら、世界各国が恐慌を味わいかねない。そう考えると、現在の米国株の一時的急落などなんでもないことだ。

こうして見ると、「住宅バブルをはじかせないで、迎えるゆるやかな景気減速」こそFRBの思惑とするところであり、幸運にも、これによって経済のハードランディングを避けることができ、米国経済をそこそこ維持しながらソフトランディング策が採れる。低速の巡航速度となったとしても世界の生産物の30%を購買する米国がなんとか走ることができるならば、世界経済も目先の数年は安定的に推移する。もし、このように市場関係者が考えるなら、米国株には大きな質的変化が生じるはず。米国景気が政策当局の悪化見通しより、良いか悪いかは、マクロの読みそのものが非常に難しいことから判断はつかないが、少なくともシンクタンクは原油高の影響を織り込んで企業収益の減額修正を済ませていることは確かだ。

米国の本質的な問題は、米国の双子赤字がGDPの約1000兆円の10%(100兆円)を越え、米国の対外純債務残高もGDPの30%(300兆円)を越え、世帯と企業の合計負債が2200兆円あることで、金利の上昇に耐えることができない経済構造にあることと認識して必要がある。

20日発表の「中国の1−3月期国内総生産(GDP)」は、実質で前年同期比9.5%増加で、市場予想平均(8.9%)を上回り、2005年の政府目標(8%増)より1.5%高い水準だった。こうした現在の中国一国をもってしても、世界の「資源」を飲み込むブラックホールと呼べるほどだが、ここ2、3年で、この13億人の中国のほかに10億人のインドが近代化されるのが確定している。となると、資源の価格は、23億人の資源多消費を折り込んで上昇することが必定となる。中国とインドの23億人の日々波及する経済成長は、まずは不足していた衣料、食糧(穀物から食肉へ)、住宅、自動車、ビル、発電所、工場、道路建設であり、いずれも資源とエネルギーの多消費を必要とする。こうした必然に対し、世界経済は準備もしていないし、今の資源価格に折り込んでもいない。中国の需要急増で、建築に使うH型鋼材が、突如、数倍に値上がりしたような、価格水準の訂正がここ数年で起こることになる。「投資家がまだ重要視していないが、知れば判断を変更する材料から、今の市場予想とは異なる確信で、多数の追随者が出るシナリオ」も描けるだろう。

2−3年後には、第3次オイルショック風になる可能性が高いが、金利上昇は米国経済、日本経済をも激しく傷つけることになる。その時にあっても女神の微笑む7%の幸福な日々を迎えることができる工夫を今のうちから行う必要がある。

今回で「機関投資家の目」終わりです。永らくご愛読ありがとうございました。

(F.H.)

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