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「官製市場」の裏側 旧日銀支店長『豪華住宅』は今 (東京新聞)
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投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 10 日 08:11:25: ogcGl0q1DMbpk
 

「官製市場」の裏側
旧日銀支店長『豪華住宅』は今

 日本銀行幹部が銀行側から多額の接待を受けた七年前の汚職事件に絡み「豪華すぎる」との批判を受け、日銀が売却してきた支店長住宅。今年三月末現在、全国で二十一カ所が売られたが、購入したものの、使い道を持て余し、管理運営を民間に投げ出す自治体も。流転の末、たどり着いた“栄華の館”の今は。 (吉原康和)

 JR新潟駅から車で約十分。新潟市の繁華街、古町通りに近い閑静な住宅街の一角に、古風な和風住宅がたたずむ。日銀が一九九九年、約二億七千万円で市に売却した旧新潟支店長宅だ。

 この家は、三三(昭和八)年に建てられた。敷地面積は約千七百平方メートル(約五百坪)、延べ床面積が約三百九十平方メートル(約百二十坪)の木造二階建ての日本家屋で部屋数は十三。災害などで支店が使えなかった時も銀行業務ができるように、約百二十平方メートルの蔵もある。廊下によって空間が区分され、続き間の座敷が家族の居間として使われる、典型的な昭和初期の住宅といわれる。

 市では購入後、この旧支店長宅を一般公開してきたが、今年七月から民間に管理・運営を委ねることになった。

 その際、市が利用したのが「指定管理者制度」。今年三月、公募したところ、市内外から七団体が応募し、地元のビルメンテナンス会社と特定非営利活動法人(NPO法人)のグループが選定された。六月議会に議案として提案する。

 旧支店長宅の管理を民間に委託する理由について、市教委の担当者は「見学者が限られており、今後、リピーターは期待できない。市直営では文化的なノウハウもなく、人件費も高くつく。管理・運営を民間に委ねることによって、市民の芸術文化拠点として活用したい」と説明する。

 運営面を担当することになったNPO法人の「新潟絵屋」代表の大倉宏氏は「これまで大正時代の歴史的建築物の保存運動などを行ってきたが、旧支店長宅は魅力ある建築物。以前から、新しい使い方をしたい、と関心があった」と応募の動機を説明する。

 そのうえで、「市と相談しながら、蔵をギャラリーとして利用する展示会、コンサートなどの芸術・文化イベント、生活・文化催事を柱に自主事業を展開していきたい」と意気込む。

■施設見学者は6分の1に減

 だが、旧支店長宅の見学者は購入翌年の二〇〇〇年度は二万人あったものの、年々減少。昨年度はピーク時の六分の一の三千三百人にすぎなかった。

 さらに、注目すべきなのは、指定管理者制度を導入した多くの自治体が、委託のメリットにコスト削減を掲げる傾向が強い中、“大胆にも”直営時代に比べて委託費を増加させている点だ。その理由について市側は「新たに館長や専門家などを配置するため」と説明する。

 年度途中からの管理運営となる本年度の委託料は七百四十万円で、直営時代に比べ二百六十万円増えた。来年度は四百二十五万円アップの九百五万円の予定だ。

 運営に当たるNPO法人は今年三月に法人格を取得したばかりで、運営ノウハウは未知数だ。

 市の関係者からは「市民の文化拠点というのであれば、公民館など他の類似施設とのバランスも大切。経費面などで旧支店長宅だけを別格扱いにすることにならないか。施設がNPOの事務所化する恐れもある」と懸念する声も出ている。
 
 新潟市が旧支店長宅を購入した理由も判然としない。市教委は「日銀から依頼があって購入したが、市民からも歴史的建築物ということで保存要望があった」と話す。
 
 だが、市が購入から四年後の二〇〇三年、市民から公共施設の使用に関して募った「歴史文化施設保存活用基本計画案」に対するパブリックコメント(意見募集)では「市がパブリックコメントを行うこと自体は評価できる。しかし、裏を返せば、旧支店長宅取得に当たり、保存、整備、活用、管理運営に関する十分な検討をしていなかったということでは。驚きを感じた」などの意見も寄せられた。
 
 市教委も「購入時は利用方法までは言及していない」と認めるように、市が旧支店長宅の購入時に、明確な利用計画を持ち合わせていなかったことは明らかだ。
 
 一九八九年から約三年間、日銀新潟支店長を務めたOBで元新潟県知事の平山征夫氏は本紙の取材に対し「購入時は知事をしていたが、この件で私自身が特に何かしたことはない」と関与を否定する。そのうえで「戦前の日銀支店長宅は福島と新潟の二カ所だけ。新潟支店長宅を市が購入し、保存されることになったことは大変結構なことだ」と新潟市側の姿勢を評価する。
 
 そして、こう注文を付けた。
 
 「買う時によくよく利用方法を考えないと、無駄だと批判される。個人的には、新潟市にゆかりの深い作家、坂口安吾の文学記念館にするのがいいかなあ、と思っていた。今後、NPO法人が運営することになっても、市民ニーズを踏まえた使い方をしないといけない」
 
 全国に三十二カ所あった日銀支店長宅はその後、どのようになったのか。
 
 本紙の調べでは、売却済みの二十一カ所のうち、自治体が購入したのは四カ所(別表参照)だが、長野県松本市のように、最初から精神障害者の授産施設として運営している所もある。
 
 松本市の担当者は「日銀から売却打診があった際、場所が狭いことから、購入当初から活用方針を決めていた」と話す。
 
■運用は福島の二番せんじか

 新潟の支店長宅と同じように昭和初期の建築物の旧福島支店長宅を購入した福島市では、購入当初から、観光客の受け入れとともに「市民の交流ふれ合い施設」として位置づけ、お茶会や写真教室、華道展など市民の活動拠点として活用してきた。新潟市の今後の利用計画は福島市の二番せんじと言えなくもない。
 
 新潟産業大学の出井信夫教授(地域開発論)はこう指摘する。
 
 「こういう歴史的施設は日常的にも手入れが必要で、お金もかかる。市民サービスの質の向上というならば、お金がかかってもいいが、それならば、最初からきちんとした利用計画を持つのは当然でしょう」

(メモ)日銀「豪華住宅」問題 1998年春に発覚した日銀幹部の接待汚職事件をきっかけに、国会などで「豪華すぎる」との批判を浴びた。周辺の賃貸住宅の家賃から算出した相場が数十万円の「住宅」に、支店長は3万円前後の使用料で住むことができた。いずれも敷地は1000平方メートルを超え高級料亭と見まがうような外観。98年度から、役員住宅である大阪支店長宅を除く32の支店長宅が売りに出された。今年3月末現在で、このうち、28の支店長宅は居住先をマンションに切り替え、21支店長宅が処分された。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050610/mng_____tokuho__000.shtml

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