★阿修羅♪ > 国家破産41 > 206.html
 ★阿修羅♪
市場の【視点】グリーンスパンは何を見ているのか―分水嶺のFOMC (ブルームバーグ) infoseek
http://www.asyura2.com/0505/hasan41/msg/206.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 24 日 12:58:51: ogcGl0q1DMbpk
 

市場の【視点】グリーンスパンは何を見ているのか―分水嶺のFOMC (ブルームバーグ)


6月24日(ブルームバーグ):米政策金利の引き上げは打ち止めか、さらなる上げ余地の模索か――。来週の29日から30日に掛けて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)。4月末以降、世界の株式相場は「米国の利上げ打ち止め期待で、上げてきた」(東海東京調査センター・中井裕幸取締役チーフストラテジスト)が、その潮流に変化が起きる可能性が浮上している。

米政策金利の行方について、市場関係者の見方も二分され、焦点を当てる先も、原油と物価の関係、過熱感を強める住宅市場とさまざまだ。

こうした中でのFOMC開催で、今回もFF(フェデラルファンド)金利の0.25ポイント引き上げが市場の共通認識になる一方、連邦準備制度理事会(FRB)が今後の判断材料としてどこに焦点を当てるか。その内容次第で、米国の金利観は一方向に動きだすと見られる。

モルガン・スタンレー証券の神山直樹ストラテジストは、今回のFOMCを「あと2回の利上げで終わる可能性があるのか、FRBがインフレファイターとしての強硬姿勢を貫くのか。一気にクリアになるわけではないが、分水嶺にはなる」と受け止める。

欧米株式に対する出遅れを標ぼうし、緩やかな上昇傾向にある日本株も、「日経平均が1万2000円を超えて一段と上昇していくには、米国の金利動向が明確になり、2005年後半から06年1−3月期の世界経済の回復が必要」(神山氏)。日本株の上昇余力を探る上でも、次週のFOMCはきわめて重要な意味合いを持つ。

専門家の見通しも二分−混乱する市場

債券ファンドの最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のマネージングディレクター、ポール・マカリー氏は22日、マレーシアで開催された投資家会議で、一部記者団に対し、米金融当局はあと1、2回で利上げを打ち止めにする、との見通しを示し、インフレは穏やかで、成長は減速していると述べた。

こうした見方を反映してか、オランダの大手金融グループであるABNアムロのストラテジスト、ハン・デヨング氏は、世界の投資家は株式を買い増すべきだと主張。インフレ鈍化から各国当局の利上げ幅が限られ、企業収益の追い風になると見る。

その一方で、こんな専門家もいる。米大手証券のJ.P.モルガンの国際株式ストラテジスト、アブヒジット・チャクラボーティ氏は、米企業業績への失望とFRBによる利上げ継続見通しから、05年下期の米国株を弱気に見る1人。同氏は、FRBの金融政策はこの先12カ月、利上げ姿勢が継続され、FF金利の誘導目標は4.5%に引き上げられる、との見解を示している。

米モルガン・スタンレーのチーフ国際エコノミスト、スティーブン・ローチ氏も、米金融当局の政策は無謀で非良心的だとし、利上げペースを加速させる必要があるとの認識だ。専門家の見通しにばらつきがあり、市場も日々の経済指標に一喜一憂、ベクトルはいずこ、とまさに混迷の度を深めている。

グリーンスパン節に幻惑される

「投資家にも明確な意見がないし、混乱している」(モルスタ証の神山氏)。市場が米金利の妥当水準を探りあぐねている背景には、FRBが舵取りを行う際、どこに重点を置いているか、見えにくい状況があるようだ。

当然、金融政策は総合的な判断に基づくもの。グリーンスパンFRB議長も「われわれは統計に基づいて中立金利を予想、もしくは判断することができない」(9日の議会証言後の発言)。木で鼻をくくる――とは、まさにこのことで、独特のグリーンスパン節は、プライドのきわめて高い米国会議員ばかりでなく、市場関係者をも一段と幻惑させた。

しかし、FRBが重視していたように見えた原油高騰と物価との関係では、やや利上げ持続への根拠が失われつつある状況も確認され始めた。

ニューヨーク商業取引所におけるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格は、5月後半から反発傾向を強め、過去最高の1バレル=60ドル台まで上昇した。

こうした中で、14日に発表された5月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.6%低下し、エネルギー価格は3.5%低下と、03年4月以来で最大の低下幅を記録した。翌15日の米消費者物価指数(CPI)も、総合指数が前月比0.1%低下。

直近の原油高との関係を計る上で、継続的な見極めの必要性はあるが、市場に「原油高の影響がCPIやPPIに出ていない」(東海東京調査センターの中井氏)との意識を植え付けたのは事実だ。

バブル分子の存在−住宅市場が過熱

半面、住宅市況に反映されるように、米経済の中にはバブル分子の存在も見え隠れする。

24日に米商務省が発表する5月の新築一戸建て住宅販売は132万5000戸と、過去最高を記録した前月の131万6000戸からさらに増加する勢い。これに先立ち、全米不動産業者協会(NAR)が23日発表した5月の中古住宅販売件数は前月比0.7%減の713万戸。4月は718万戸と過去最高に達しており、5月はこれに次ぐ、過去2番目の高水準だった。

全米不動産業者協会(NAR)のチーフ・エコノミスト、デービッド・レリア氏はこの結果を受けて「住宅市場は過熱している。その傾向に終えんが見られない」と警鐘を鳴らす。長期間にわたった低金利が、住宅市場を刺激し続けているのは明白で、FRB首脳の間からも「明らかに一部地域では、価格上昇が維持不可能な状況にあるため、われわれはこの問題を極めて厳重に監視している」(オルソン理事の21日の上院議会証言)との声が聞かれている。

複雑化する判断材料

グリーンスパン議長は9日の議会証言で、国内経済は依然として順調に成長しているとしながら「慎重なペース」での利上げ継続は可能と、前回5月のFOMCにおける見解を繰り返した。「基調的なインフレは引き続き抑制されている」(同議長)中で、利上げ余地を指摘したことは、当局の判断要素の複雑さを物語る。

6月前半の米国訪問でFRB関係者とも意見交換した東海東京調査センターの中井氏は「住宅問題への認識が大きくなり、利上げの打ち止め期待が出にくい状況になってきた」との印象を持ったという。

一方、今月末のFOMC後の声明で、物価動向に関するコメント内容の変化を注視するのはモルスタ証の神山氏。「石油の値段がCPIにつながっていないことを、当局がポジティブに思うかどうかだ。ただ、この説明には景気の現状が良くないとのニュアンスが入る余地もある。そうなれば、金利は上がらないという見方につながる」。

商品市況は景気過熱期に急騰する

米大手証券メリルリンチ・コモディティソリューションのグループ責任者、ディエゴ・パリラ氏によると「コモディティ(商品)は景気サイクルの過熱期に急騰し、株式や債券と値動きが違うもの」だそうだ。現在の原油市況の高騰には「1980年代から90年代に設備投資を見送り、慢性的な精製能力のひっ迫」(メリルリンチのシニアエネルギーストラテジスト、フランシスコ・ブランチ氏)という特殊要因もあるが、商品本来の特性を考えれば、米国景気の現状も、また違って見える。

日本の過去を振り返れば、株式や不動産など資産バブル崩壊後の後遺症は深刻だ。全米経済研究所(NBER)によると、米景気の循環はそれまでの過去最長となる10年に及ぶ成長に終止符を打ち、2001年3月にリセッション(景気後退)入り。同年11月には底入れし、現在は回復の流れの中にある。米国経済は第2次世界大戦以降、平均的に5年の成長、1年弱の後退という約6年サイクルで進み、すでに直近の底入れからは3年半以上が経過している。

経済成長サイクルの終盤戦に入り、ソフトランディング(軟着陸)に向けた準備が求められるFRB。奇しくも、1987年8月の就任から18年近くが経過したグリーンスパン議長も、来年初の任期切れを機に退任する意向を表明し、昨年6月に利上げ姿勢へ転じてから、1年間続いた金融政策の仕上げが求められる時期にも重なった。

出遅れニッポンの行方

米ナスダック総合指数は4月29日を底に反発過程に入り、日経平均株価はやや遅れて5月17日に2番底を付け、上昇傾向を強めている。日本の反転が遅れた背景には、日中外交問題など独自要因があり、この問題への懸念が和らぐ中で、日本株の出遅れ感が世界的に投資家の間で意識されていった。

  東海東京調査センターの中井氏も、こうした日本株の動きについて「景気や企業業績にサプライズがない中で、米国が金利を引き上げ始めた昨年6月末を100とすると、独DAX指数は113、米ナスダックは102、日本は96と、日本は欧米に比べて出遅れていた」と指摘する。

  米国の利上げ一巡期待から世界の株式相場が上昇し、その相対感で約2カ月ぶりの水準にまで戻してきた日本株。ただ、日本株に大きな影響力を持つ海外投資家を中心に「債券と株式を比べ、株式が割安かどうかということにフォーカスがあり、その背景には米国を含めるグローバルな景気動向への関心がある」(モルスタ証の神山氏)という。

  メリルリンチ日本証券の菊池正俊チーフ株式ストラテジストは「過去には米国利上げ終了が米国株を上昇させても、日本株の上昇にはつながらなかった。しかし今回、日本はさまざまな構造問題を解決し、米国株との連動性を強めているため、利上げ終了期待で米国株が上昇すれば、日本株も追随可能だろう」との見解だ。

追随相場は、追いつけば終わる。その後はリード役の再度の上昇か、投資家心理を一変させる材料が必要で、その観点からも、米国景気や金利の現状分析に分水嶺となりそうな今回のFOMCは、出遅れニッポンの今後の行方に影響を与えそうだ。

[ 2005年6月24日12時28分 ]


http://news.www.infoseek.co.jp/market/story.html?q=24bloomberga8FUf1kqztt0&cat=10



TOP infoseekニュース  http://news.www.infoseek.co.jp/

 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ       HOME > 国家破産41掲示板



  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。