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欧米有力銀行の中国進出はすさまじい。     【日経ネット 中国ビジネス】
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投稿者 hou 日時 2005 年 9 月 17 日 00:11:20: HWYlsG4gs5FRk
 

邦銀、中国金融戦線で敗色濃厚(9/16)


過熱する中国経済。四大商業銀行の門戸開放に乗り遅れたのは邦銀にとって痛手だ
 日本が郵政民営化でドタバタ劇を繰り広げているあいだに、中国はドラスチックな官制金融の改革を進めた。本丸とも言える四大商業銀行の門戸を外資に開いたのである。これを受け欧米有力銀行が相次ぎ中国の銀行に出資し、橋頭堡(きょうとうほ)を築いた。出遅れた日本の銀行の地盤沈下は避けられず、中国をめぐる金融ビジネス争奪戦は邦銀の“敗戦”が濃厚になってきた。
欧米有力行、資本参加などで着実に橋頭堡

 欧米有力銀行の中国進出はすさまじい。口火を切ったのは。1865年に香港と上海で香港上海銀行が設立されて以来の歴史を誇る英HSBC。2001年に上海銀行の株式の8%を取得し、外資系商業銀行として中国の銀行に初めて資本参加。さらに、有力銀行の交通銀行の株式の19.9%を取得した。

 ここにきて四大商業銀行にも外資が入り始めた。米バンク・オブ・アメリカ(BOA)が中国2位の中国建設銀行株の9%を購入した。将来、持ち株比率を19.9%まで引き上げるオプションも確保した。英ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)は国際業務に強い中国3位の中国銀行株の10%を取得した。

 米ゴールドマン・サックス、独アリアンツ、米アメリカン・エキスプレスは最大の中国工商銀行の株式の10%を取得する方向で検討中と伝えられる。またフランスのクレディ・アグリコルは中国農業銀行と出資交渉に入ったと報じられている。工商銀、農業銀については報道ベースではあるが、欧米銀が四大商銀に足場を築きつつあるのは間違いなさそうだ。

中国側にも「邦銀敬遠」の事情

 欧米銀が相次ぎ中国の銀行への出資に踏み切ったのは、今後、巨大な商機が発生すると見込まれるからだ。まず、出資した中国の銀行の海外上場の主幹事やファイナンシャル・アドバイザリー業務を獲得しやすいとの思惑がある。

 また、中国、特に沿岸部では中産階級が急拡大しており、カード業務などリテール(小口金融)で利益がねらえる状況になってきた。それとともに「人治」の中国で今後の大規模な開発案件などをものにするには、出資する有力銀行首脳の人脈が欠かせないと判断したようだ。

 一方、中国の銀行は経営の近代化が急務になっている。中国政府は一部銀行に公的資金を投入し、経営状況は改善しつつある。しかし、不良債権比率は国際水準と比べるとなお高く、貸し出し増に備えたリスク管理体制も整っていない。このため、資本の拡充と高度なリスク管理などのノウハウ導入をめざして外資に門戸を開いた。

 邦銀は中国戦略の基本を日本企業の中国進出の支援に置いている。1999年に中国・広東省傘下のノンバンク、広東国際信託投資公司が破たんし、融資が焦げ付いたことが尾を引き、いまだに地場への出融資には及び腰。いまのところ中国の有力銀行には出資していない。

 公的資金を投入された邦銀は事実上の過小資本で、中国の銀行に出資する余裕がなかった面もある。また、不良債権の山を築いた邦銀は反面教師でしかなく、中国が高度なリスク管理を学ぶ相手ではないと考えたとしても不思議ではない。

 加えて政治的に対立している日本の銀行に出資をあおごうとは考えないだろう。中国は進出してお金を落とし、雇用を生み出す日本企業は歓迎かもしれないが、金融の根幹にかかわる四大銀行などへの出資となると政治的な配慮が働く。この分野では「政冷経熱」は必ずしも当てはまらない。

「現地にパイプなし」で遠くなった国際市場での復権

 この結果、中国の外資系銀行の勢力図が大きく変わる可能性が強まってきた。HSBCが外資で最強なのは変わらないが、これまではその次に邦銀勢がつけていた。ところが欧米銀と中国の銀行の戦略的なパートナーシップが本格稼働し始めれば、邦銀勢の存在感は薄れるだろう。

 日本企業の中国への進出が途絶えるとは考えにくいので、邦銀の中国業務もそれなりの水準で推移するだろう。しかし、中国で急成長が見込めるのは地場企業だったり、リテールだったりする。そのためには現地の人脈や知恵が欠かせず、欧米銀は出資によってそのための基盤を築いた。

 邦銀は将来、独自で地場での業務をやろうとしても貸出審査は容易ではない。その時になって有力なパートナーを探そうとしても、もう残っていない。そう考えると、実はこの一年で銀行の中国ビジネス競争は邦銀敗戦という形でほぼ決着したのではないか。

 不良債権問題を解決した邦銀が国際業務に目を向けたとき、欧米勢と唯一まともに戦えそうだったのがアジア、とりわけ中国だった。しかし、その市場の奥の院へのアクセス権は得られず、日本企業関連以外の本来的な国際業務の展望は閉ざされた。邦銀の国際市場での復活は「夢のまた夢」となってしまったようだ。

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