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加藤IMF副専務理事:デフレ打破を確認できるまで量的緩和維持を [ブルームバーグ]【「国債管理」のために】
http://www.asyura2.com/0505/hasan42/msg/552.html
投稿者 あっしら 日時 2005 年 9 月 29 日 13:24:45: Mo7ApAlflbQ6s
 


9月29日(ブルームバーグ):元財務官で国際通貨基金(IMF)副専務理事の加藤隆俊氏は26日、米ワシントンのIMF本部でブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じ、日本の消費者物価指数(CPI)は早ければ年末にもプラスに転じる可能性があるとしながらも、日本銀行の金融政策については、「十分にデフレが打破されたとはっきりするまで、現在の金融緩和スタンスを継続するのが望ましいというのがIMFの考え方」と述べ、デフレ脱却が明確化するまで量的緩和政策を継続すべきだとの考えを示した。

  加藤氏は、物価について「原油価格が上がってきていることは1つ不規則要因だが、生鮮食品を除くCPIでみると、今年の年末または来年早々にはプラスに転じるチャンスはあると見ている」と指摘。一方で「日本の統計は非常にぶれが大きいので、基調的に判断できるまで、十分見極める必要がある」と述べたうえで、「緩和の解除は金融政策の非常に大きな舵取りの切り替えなので、市場の期待をそちらに向けて形成していくということが必要だろう」と語った。

  さらに加藤氏は、「緩和の解除の方法で仮にサプライズが起きると、債券価格の暴落を通じ経済のかく乱要因になりかねない。そのことは日本の金融当局も百も承知しておられると思う」と指摘。そのうえで「慎重なペース」で過去11回の利上げを実施した米国の金融政策が米国内で評価されていることに触れ、これが「日本の金融当局にとっても、1つの参考になるのではないか」と述べた。

  日銀について、「マーケットの期待を尊重し、対話を通じてコンセンサスを作りながら金融政策を運営していくことが、大量の国債残高(を抱える事情) などを踏まえれば、好ましい」との見解を示した。

  日本経済については「けん引力はむしろ国内部門で、企業や金融機関のバランスシートが改善し、企業収益もここ数年非常に良い」と評価、「また最近、正規雇用もプラスに転じてきている。持続的に国内需要が盛り上がる局面に入っており、日本経済が持続的に回復していくだろう」との見方を示した。IMFは21日公表した世界経済見通しで、日本の2005年の成長率を今年4月時点の0.8%から2.0%へ上昇修正、06年も2.0%成長を見込んでいる。

           中国のデフレ懸念不要

  一方、高成長を続ける中国経済については、「物価は昨年、食料品高という要素があったが、(今年は)食料品価格が安定していることもあり、前年比で見ると2%弱ぐらいのCPIの上昇率」とし、「インフレの減速傾向が顕著に続いているという感じではない」と述べた。さらに「小売販売は非常に勢いがある。輸出も高い伸びをずっと続けている。鉱工業生産も高い伸びを続けている」と付け加えた。

  加藤氏は「確かに一部のセクターでは、過剰設備という問題があるかもしれないが、経済全体としてみれば、デフレを懸念するような状況には特にない」と述べ、「引き続き世界経済を支える米国と中国が2つのエンジンという見方は、変わっていない」と強調した。

  米国の巨額の経常収支赤字を新興市場国や中東諸国がファイナンスしている状況については、「米国への資本流入の大部分は民間資本」と述べ、今年は昨年と比べ「ドルが強含んでいるということは、米国経済への評価が相対的に欧州、日本に比べ強いことの表れ」との見方を示した。

  一方で、今回のIMF総会での議論について、「世界的な不均衡は改善の方向というよりは、拡大の方向に向かっているということ」と述べ、「これがずっと続いていく場合には、米国についてはリスクプレミアムが拡大し、それにより金利の高騰や景気の減速などマイナス面が現れる」との懸念を示した。

  しかし、米欧日やアジア諸国がそれぞれの構造改革の課題に同時に取り組んでいくことで、「世界経済全体にあまり大きな影響を与えず、あるいは結果的には世界経済にとってプラスの形で対応できる」と述べた。またアジア諸国は通貨危機前と比べ「国内投資が回復していないので、将来の成長率を高めるためには、さらに投資を刺激していくことが好ましい」と指摘した。

             中国外貨準備

  中国が7月に発表した人民元改革については、「為替相場制度の柔軟性を増す改革のなかで、非常に重要な一歩である」としたうえで、「人民元の相場の柔軟性を増すことは、中国経済にとって利益だと中国側とずいぶん議論している」と述べた。また「中国経済のようなダイナミックな経済では、構造的変化が短期間のうちに現れるので、構造変化にプライスメカニズムが柔軟性を持って対応していく観点から、為替相場の柔軟性を増すことが好ましいとIMFの考え方として述べている」と語った。

  当面は、中国の外貨準備の増加状況が「今回の(7月21日の)措置と、その後の運用を市場がどのように評価しているかを測る材料となると注目している」と述べ、ドル買い介入や投機的資金の流入の状況を注視する考えを示した。さらに、「IMFがいろいろな国の経験を見ると、為替相場の改革を先に進めることによって、その後の資本取引の自由化も進めやすくなる」と述べ、為替制度の改革を先行させる必要性を強調した。

  また今回の総会について、「原油高が世界経済に与える影響が一番大きなテーマだったと言ってよい」と述べ、原油高は非産油低所得国にとっては「特に負担が大きい」と指摘。そのうえで、IMFの低所得国向け融資ファシリティー(PRGF)の中に、「新たに低所得国経済が(原油高などで)ショックを受けた場合、それを吸収するファシリティーを作るべきとのIMFの考えに、大方の賛同を得られたことが総会の1つの成果」と強調した。


記事に関する記者への問い合わせ先:
東京 伊藤辰雄 Tatsuo Ito tito2@bloomberg.net
乙馬 真由美 Mayumi Otsuma motsuma@bloomberg.net
更新日時 : 2005/09/29 10:04 JST


http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=anXljjNylGf4&refer=jp_japan

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