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原油高騰 電気・ガスも値上げ 冬の家計を直撃
原油価格の高騰に伴い、家庭で使うエネルギーコストの上昇が目立ってきた。灯油価格は十三週連続で値上がりし、十月からは電気料金や一部地域の都市ガス料金も一斉に値上げされる。原油価格は一時に比べれば落ち着いているが、依然として歴史的な高値水準にあり、原油価格がこのまま高止まりすれば、電気・ガス料金は来年一月からさらに値上げされる可能性もある。暖房の需要期を迎え、エネルギーコストの上昇は冬場の家計を直撃しそうだ。
石油情報センターによると、灯油の店頭価格（全国平均、二十六日現在）は、十八リットル当たり千二百四十四円。前週から二円上昇した。配達価格も一円値上がりし、千三百四十円となった。灯油価格は昭和五十七年に約千八百円まで上昇したことがあるが、石油情報センターが調査を始めた六十二年四月以降では七月第一週に最高値を更新し、その後も値上がりが続いている。
灯油の価格が上昇しているのは、原油価格の高騰で調達コストが膨らんでいるためだ。調達価格の上昇を受け、石油元売り大手各社はガソリンや灯油など石油製品の卸価格を七月以降、毎月、二−三円程度引き上げてきたが、この引き上げ分が小売価格にも転嫁され、徐々に価格が切り上がってきている。
値上がり幅は小さくなっているものの、元売り大手は石油製品の卸価格を十月から一リットル当たり一円前後引き上げることを決めており、ガソリンや灯油は十月以降、一段と上昇する可能性がある。
一方、電気料金や都市ガス料金も十月から値上げされる。世界的な原油価格の上昇に伴い、火力発電の燃料や都市ガスの原料として使われている液化天然ガス（ＬＮＧ）の輸入価格も上昇しているためだ。
ＬＮＧの価格上昇は、電気やガス料金の値上げに直結する。ＬＮＧや原油など燃料・原料費の変動を自動的に料金に反映させる「燃料・原料費調整制度」により、四半期ごとに調整されているためだ。この制度によって電力十社と都市ガス大手三社は十月から標準家庭で月額五十四−二百一円値上げするが、電気事業連合会の勝俣恒久会長は「（現状の原油高が続けば）来年一月からもおそらく値上げになる」とみる。
石油連盟が今夏に行ったアンケート調査によると、ガソリンの値上がりが続いているため、近くの場所への利用を控えたり、レジャーでマイカーを使う回数を減らすなどして、ドライバーの約半数がガソリン消費を節約している。だが、暖房需要が本格化する冬場には、家庭で使うエネルギーの節約は難しくなる。とくに寒冷地では例年以上に厳しい冬を迎えることになりそうだ。（高橋俊一）
http://www.sankei.co.jp/news/morning/01iti003.htm
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