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「為替」 予想を上回る対米資本流入、記録的なPPIでドル・円続伸115.94円／ニューヨーク外国為替市場概況
「予想を上回る対米資本流入、記録的なPPIでドル・円続伸115.94円」ニューヨーク
概況 2005年10月19日（水曜日）−株式会社フィスコ 山下政比呂
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*07:16JST 「予想を上回る対米資本流入、記録的なPPIでドル・円続伸115.94円」
【ロンドン市場概況】
18日のロンドン外為市場では、ドル・円は、オプション・トリガー115円50銭上抜
け後のドル買いが続き、115円56銭から115円90銭まで上昇が進んだ。欧州通貨でもド
ル買いが強まり、ユーロ・ドルは1.1987ドルから1.1934ドルまで下落、ドイツ10月の
ZEW景気期待指数には特に目立った反応はみられなかった模様。ポンド・ドルは、イ
ギリス9月の消費者物価指数が予想を下回ったことでポンド売りも優勢になり、
1.7526ドルから1.7432ドルまで下落、ドル・スイスは1.2966フランから1.3044フラン
まで上昇した。ユーロ・円は、ドル・円の上昇に連れ高となり138円32銭から138円67
銭まで上昇した後、ユーロ・ドルの下落を受けて138円27銭まで連れ安になった。
【経済指標】
独・10月のZEW景気期待指数：39.4（予想42.0、9月38.6）
英・9月の小売物価指数：前月比+0.3％（予想+0.2％、8月+0.2％）
英・9月の消費者物価指数：前月比+0.2％、前年比+2.5％（予想+0.3％、+2.7％、8月
+0.4％、+2.4％）
ユーロ圏・9月の消費者物価指数：前月比+0.5％、前年比+2.6％（予想+0.4％、
+2.6％、8月+0.3％、+2.2％）
スイス・9月の生産者物価指数：前月比+0.7％（予想+0.3％、8月+0.2％）
仏・8月の経常収支：-23億ユーロ（-26億ユーロ）
【要人発言】
イッシングECB理事
「中期的なインフレが抑制不能になる恐れあれば、ECBは行動」
「一部のユーロ圏諸国では長期にわたる建設ブームの後に、過熱の兆候が見られる」
トリシェECB総裁
「原油高が2次的影響をもたらせば、ECBは断固として行動」
「中長期のインフレ期待は、物価安定水準に落ち着いている」
「ユーロ圏の成長に不満、構造的な硬直性が主な原因」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円：115円77銭、ユーロ・ドル：1.1946ドル、ユーロ・円：138円32銭、ポン
ド・ドル：1.7460ドル、ドル・スイス：1.3021フラン
【ニューヨーク市場概況】
18日のニューヨーク外為市場では、ドル・円は9月の生産者物価指数が1974年以来
で最大の伸びを記録したこと、8月の証券投資収支が予想外に増加した事からドル買
いに拍車がかかり115円94銭まで続伸した。116円手前の売りオーダーが上値を抑さ
え、昨日のグリーンスパン米FRB議長の「今後、エネルギー価格が成長の重しにな
る」との発言などで米債利回りが低下した事もあり115円61銭まで軟化し、115円70-
75銭前後で引けた。
ユーロ・ドルはロンドンFixにかけての売り観測で1.1915ドルまで下落した後、オプ
ションバリアーの防戦買いやロンドンFix後のショートカバーを受けて1.1970ドルま
で反発し、1.1955-60ドルで引けた。ユーロ・円はユーロ・ドルの動きに連れて一旦
138円05銭まで下落した後、138円40銭まで反発した。ポンド・ドルは1.7424ドルから
1.7519ドルまで上昇した。ドル・スイスは1.3065フランから1.2979フランまで下落し
た。
【原油市場】
原油相場は下落。昨日発生した熱帯性暴風雨“ウィルマ”がカテゴリー1のハリケー
ンに発達したと伝えられたものの、その軌道が石油精製所の集中する地域を逸れる可
能性が高い事からハリケーン被害に対する警戒感が後退し、売りが先行した。ハリケ
ーンは「ここ数日内に少なくともカテゴリー3まで勢力を拡大させる」と予想されて
おり、今後の軌道の変化に注視する必要がある。NYMEX原油先物価格（11月限）は下
落を続け、63.35ドル（前日比1.8％安）で取引を終えた。
【オプション動向】
ドル・円スポット相場はインフレ加速に伴った米金利先高観の強まりを受けてドル買
いが先行し2003年9月以来の円安水準、115円94銭まで上昇した。115-120円のレンジ
に入ったとの見方からオプション市場は堅調推移、長期変動率は上昇した。1ヶ月物
は8.200％で昨日と変わらず、3ヶ月物は8.075％から8.120％、6ヶ月物は8.125％から
8.200％へそれぞれ上昇している。
節目であった115円を完全に上抜いた事から円先安観が広がっており円コール買いは
後退気味でリスクリバーサルにおいては25デルタ円コール・ドルプット1ヶ月物は
+0.35％から+0.20％、3ヶ月物は+0.55％から+0.40％へそれぞれ拡大した。6ヶ月物は
+0.725％と昨日と同水準となっている。なお市場では117円、118円と上値ストライク
の買いが目立っている模様。
【株式市場】
NY株式相場は下落。朝方発表された9月の生産者物価指数が31年ぶりの大幅な上昇と
なったことで、インフレ加速懸念から終日軟調な展開となった。セクター別では、半
導体・半導体製造装置を除いて全面安となっており、特にエネルギーや公益事業が軟
調。スリーエム（MMM）は予想を上回る決算を発表すると同時に自社株買い枠を拡大
する意向を発表して上昇。昨日好決算を発表したIBM（IBM）も買われた。また、メリ
ルリンチ（MER）も予想を上回る決算を発表して上昇。一方で、ジョンソンアンドジ
ョンソン（JNJ）が買収を再検討する可能性を示唆したことで医療機器メーカーのガ
イダント（GDT）が急落。ダウ構成銘柄では、GM（GM）やアルトリア（MO）に利食い
売りがでて下落したほか、大口の売りがでたエクソンモービル（XOM）も軟調に推移
した。結局ダウは62.84ドル安の10285.26、ナスダックは14.30ポイント安の2056.00
で取引を終了した。マーケット終了後にインテル（INTC）が発表した決算は予想を僅
かに下回り時間外取引で小幅下落。一方でモトローラ（MOT）は売上・利益とも予想
を上回る決算を発表し、時間外取引で上昇して取引されている。
【経済指標】
米・9月の生産者物価指数
全体：前月比+1.9％（予想+1.1％、8月+0.6％）、前年比+6.9％（予想+5.8％、8月
+5.1％）
コア：前月比+0.3％（予想+0.2％、8月0.0％）、前年比+2.6％（予想+2.4％、8月
+2.4％）
米・8月の証券投資収支：913億ドル買い越し（7月875億ドル買い越し←874億ドル買
い越し）
カナダ中銀：政策金利を0.25％引き上げて3.0％に設定
【要人発言】
イエレン米サンフランシスコ連銀総裁（投票権無）
「連銀の政策金利中立水準レンジは3.5-5.5％であろう」
「政策金利は引き上げ続ける必要がある」
「インフレは抑制されてきており、インフレ予想も抑制されている」
「コアPCE価格指数は容認レンジの上限」
「エネルギー価格の上昇が賃金に影響を与えている兆候は見られない」
「賃金の伸びは抑制されている」
「長期金利は低い長期的インフレを表している」
「不動産価格は常識外の高水準、バブルの要素」
「コアインフレ予想は良好」
「景気は中期的には回復力のあるものとなろう」
パラモECB専務理事
「インフレリスクは上昇」
「第2次影響の兆候はなし」
カルアナ・スペイン中銀総裁
「原油価格の上昇により短期的なインフレリスクは上昇している」
「ユーロ圏の金利は適切、最近のインフレリスクの上昇にもかかわらずECBは金利据
え置きを決定した」
カナダ中銀
「カナダ及び世界の経済成長は堅調」
「エネルギー価格の上昇は重要」
「金利刺激策を緩和する必要がある」
「2006年度コアインフレはおおよそ2％、全体インフレは平均3％を予想」
「2007年度以降は世界不均衡から世界経済成長の減速を予想」
細田官房長官
「円安は日本政府にとり心地よい」
【ロンドン市場始値-ニューヨーク市場終値】
為替市場： （始値） （高値） （安値） （終値）
ドル・円 115.66 115.94 115.55 115.70
ユーロ・ドル 1.1968 1.1987 1.1915 1.1959
ユーロ・円 138.41 138.67 138.05 138.34
ドル・スイス 1.2987 1.3065 1.2967 1.2984
ポンド・ドル 1.7489 1.7525 1.7424 1.7511
株式市場：
NYダウ 10349.14 10361.47 10285.26 10285.26
ナスダック 2068.61 2072.50 2055.96 2056.00
債券市場： （始値） （終値）
米国債30年物 4.716 4.694
米国債10年物 4.493 4.471
先物市場：
NY金先物 474.2 475.9 472.8 474.6
NY原油先物 63.70 64.15 62.70 63.20
シカゴ日経平均先物 13365 13365 13270 13285
（フィスコ） - 10月19日7時19分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051019-00000003-fis-brf
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。