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文化の侵食
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投稿者 デラシネ 日時 2005 年 10 月 22 日 23:36:44: uiUTTMWMO8Vq6
 

(回答先: Re:URL記載モレ 投稿者 朝霧 日時 2005 年 10 月 22 日 06:53:24)

朝霧さん、貴重な情報、有難うございました。
スポック博士も土居健郎も名前程度しか知らなかったので、ご投稿にはハッとさせられるものがありました。

小生はかれこれ人生の半分を、英語を日常語として生きております。
尤も英語を日常語として暮し始めたのは成人してから以降で、小生がこの人格を根ざしておるところの文化土壌は言語も含めて日本ですから、今でも日常生活のさまざまな場面において、ふいに強烈なフラストレーションに苛まれることも珍しくありません。
「英語にならない日本語」と「日本語にならない英語」もそれで、小生は外国語の翻訳を生業としている人達ってよく発狂しないものだと感心しておる次第です。(笑)
英語にならない日本語については「甘え」「まじめ」「協調性」・・。
数え上げたらキリがありません。

ご紹介いただいた土居健郎本人からして自著「甘えの構造」において、「西洋語では甘えに相当する言葉がない、言葉がないから西洋の研究者に注目されてこなかったのだ」と繰り返し訴えているようです。
ところがこの本は英訳されていて、タイトルの「甘えの構造」は ”The Structure of Dependence” と翻訳されている。(笑)

近代から現代における日本の悲劇は、多くの識者が言及しているように黒船の来航をその端緒とし、先の大戦における敗北をもって「止めを刺された」ことに起因する。
特に敗戦後はアメリカによる「カルチャー・クレンジング」に晒され、日本人はその心から「着物」を剥奪され「洋服」を身につけさせられた。
さながら皿を洗うのに洗剤ではなく塩酸をぶちまけるように、「古き価値」が漂白されアメリカ流の「新しき価値」にとってかわられた。
日本人が無防備すぎたというより、「受け入れる」ことを苦としない母性社会であったが故なのでしょう。
子育てについても、今でこそ「伝統的な日本式子育て」と「近代的な西洋式子育て」というように相対視できるけれども、たぶん大戦前は「意識」すらされていなかったのではないでしょうか?

朝霧さんのご投稿は、実に重大なことを示唆されている。
現代を生きる日本人は、そうとは知らず「西洋的価値」をベースとした子育てをされて育ち、その弊害に苦しんでいるのかもしれません。
「ねんねこ」に包まれ、母の背中に背負われて育った戦前の日本人は情緒的に極めて安定していて、ストレスにも強かったと何かの本で読んだことがあります。


このような甘えを控えた子育ての時代に育てられた人たちは、自分が愛着すること、つまり、スキンシップを経験していないので、子どものスキンシップの要求を満たすことができないのである。だから、子どもの愛着不足に関連して、私たちは母親も被害者として、優しく受け入れる必要がある。母親を責めることなく、自分が経験していないことをしなければならない、その困難さを思いやりながら、私たちが母親の代わりになって、親も子どもも援助していかなければならない時代になっている。

この言葉は小生自身も自戒し、さらにもっともっと日本社会に認知されなければならないことでしょう。
今を生きる日本人が、自らを苦しめる「弊害のありか」に気づくこともなく、その苦しみを次世代へと引き継がせようとしている。

日本では少子高齢化の加速とともに労働力不足が懸念され、家庭の主婦が“労働資源”として注目されている。
おりしも専業主婦が「寄生虫」などといった酷い言葉で侮辱され、女性の意識は職業的キャリアを磨くこと、経済的に自立すること一方向に突き進み、家庭からは「母なるもの」が消え去ろうとしている。
そしてその弊害を一身に受けるのは、言うまでもなく次世代を担う子供たちだということです。

子を持つ女性が働き易いように、行政にはもっと保育所を作れという要請が出され、これに対して疑問を呈する人々の言葉が一向に聞こえてこない。
母親が家庭において子育てに専念することが「時代遅れだ」とでも言うのだろうか?
子育てに時代遅れもヘチマもないことくらい、まともな知能を持っていれば子供でも判断できることだろうが、それすらもできないほど人々は生活に追われ、良識を見失っているということでしょうか。

そういえば先の衆院選でも、「母親を家庭に返せ!」と訴える政治家は一人もいなかった。
「いなかった」ことに気づいた日本人はいるのだろうか?

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