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ありきたりの生活をちょっとだけよくする 他人の健康が気になる歳になった 【SENKI】
http://www.asyura2.com/0505/health10/msg/656.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 10 月 27 日 05:29:53: ogcGl0q1DMbpk
 

ありきたりの生活をちょっとだけよくする

他人の健康が気になる歳になった

http://www.bund.org/culture/20051105-1.htm

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自閉症児は救済されるのか?

太刀川海

 先日職場の同僚Nさんの息子さんが自閉症であることを聞かされた。彼女とは5年くらいの付き合いになるのだが、それとして話を聞いたのは初めてだった。  

 自閉症であるとわかった最初の頃は、息子さんのことを話せば泣いてばかり、保育所や学校からの苦情にも謝ってばかりだったという。それでも周りのお母さんたちに、「Y君は難しい問題を抱えているだけで何も悪いことはしてないねんから、そんなに謝らんでええやん! 問題やったらどこの子でもあるよ」と励ましを受け、学校での生活を支えられながら、学校への対処にも強くなり、今では何があっても泣かないお母さんに変わってしまった、と言っていた。  

 職場で自閉症の息子がいることを内緒にしておきたかったのは、「何もかも知られている学校のお母さんたちとは違って、自分に遠慮せず他愛無い子育ての苦労をふつうに話してくれる人たちの存在や、話し合える場所があることが精神的にすごい救いだった」からだという。励ましてくれたり支えになってくれた人たちとの出会いの何倍も、彼女が厳しいものに出会い、立ち向かってきたことを感じた。  

 息子さんは今年の4月から中学校に上がった。中学生になったら学校とは別に訓練に通わねばならず、その場所がえらく遠く、子供への負担が重くなりそうで、どうするべきか悩んでいるということだった。

ときどき耳にするのに、よく知らない言葉「自閉症」

 「自閉症」はあまり理解されていない。「自閉症」という名前から他人に心を閉ざし、自分の殻に閉じこもってしまう心の病気と思っている人も多い。  

 自閉症は心の病気ではなく脳の特性によって起こる発達障害なのだ。目や耳から入ってきた情報を整理し、それらを意味のまとまったものとして認知することが困難な、脳の器質的障害なのである。軽い症状の人まで合わせると、百人に一人くらいの割合で存在すると考えられている。  

 症状の重い・軽いに関係なく、障害で病気ではないので「小さいころは自閉症だったがすっかり良くなった」ということはないのだという。個人に合わせた人格発達の援助が必要なのである。  

 自閉症の子は、自分と相手の関係が正しく理解できずに不適切な行動をとってしまう。友達への関心が薄かったり、関わりはもてても極端に一方的だったり、対人交渉の質的な問題を抱える。手のひらを自分のほうに向けて振る「さかさまバイバイ」をすることも、よくある症状だ。これは自分と他人を置き換えて学習することが苦手なためで、他人とのコミュニケーションに質的な問題を抱えるからである。  

 それとイマジネーション障害といわれる「いつも同じ状態であること」に強く固執する傾向、物の置き場所に勝手に決め事を作ったり、電車やマーク、文字、数字、特定のキャラクターなどに強い偏った関心を示すなどの障害がセットになった場合、自閉症の診断が下される。  

 自閉症の子供は、脳に何らかの器質的な問題が起こっているにもかかわらず、気付かれないまま、生まれてからの数年間に出来あがる、文化を吸収する人格の礎となるものが不完全な状態にあるのだ。通常の養育関係において子供が母親に寄せる愛情がそだたず、外界を意味あるものと認知することができずに、世界とのかかわりの道を見出せない子供たちなのである。その子供たちが防衛的に身につけた心理的な砦が自閉症という症状なのだ。  

 だから、外界への恐怖心への防衛策として、法則や決まりを作って同じことを繰り返したり、誰とも目を合わせなかったり、ほんの小さな音や痛みに過剰に反応したりする。これらは自閉症の範疇に入らないとされてきたIQ70以上のアスペルガータイプの自閉症の人々の場合にもあてはまる。  

 そうした人たちへの援助のために、2005年4月1日には「発達障害者支援法」が施行された。  「発達障害者」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害を持つ人で、その症状が通常低年齢において発現するものと規定されている。  

 これまではIQ70以下の自閉症の人だけが障害手帳の支援の対象であったが、それ以外のアスペルガー症候群の人たちも同じく障害を抱えていることがわかり、障害手帳が交付されるようになったのである。  

 職場のNさんは大阪に住んでいながら、「放課後に神戸の学校まで片道一時間半かけて通わなければならない」と言っていた。法律は出来たが個別に支援する体制はまだまだ出来ていない。障害手帳が発行されても、経済的に支援するわけでもない。今のところはただ法律が出来ただけで、相も変わらず親任せという現実であるようだ。  

 自閉症の子供たちのことを学ぶことは、子供を持つ私には、悩みの多い子供との関わりに多くの示唆を与え、子育ての原点を思い起こさせ、考えさせられた。  

 自閉症児のお母さんたちは、子供と外出するときなど、子供が目立つ行動をするたびに「躾の出来てない子供だ、どんな親なんだ」と奇異なものを見る目で見られて、ハラハラ肩身の狭い思いをしている。謝ってばかりだ。どうかそういう子供たちが存在することを理解して、急に声をかけて脅かしたりせず暖かく見守ってあげてほしいと思う。     

(地方公務員)


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講師になって少し大人になった

吉田令

 私は現在中学校で講師として働いている。1学年1学級の小さな学校だ。  夏休み期間中、午前中は副顧問としてサッカー部の練習を見ていた。部員は1・2年生で20数名。2チーム作ってゲームができそうだが、部活に参加していない生徒も数名いるので、ゲームでの練習はできなかった。練習メニューは主に、パスの基礎、シュートの基礎、3対2(オフェンス3人がディフェンス2人とキーパーを相手にゴールを狙う練習)、ミニゲームの4種類だ。  

 サッカー素人の私は技術的なことはほとんどわからない。生徒が伝統的にやってきた練習を生徒自身で工夫させてやらせた。練習中の休憩も、熱中症に気を付けさせながらキャプテンの判断でとらせた。生徒を熱中症にさせないことが私の仕事みたいなものだった。  

 熱中症の対策としては、生徒に水分と塩分をとらせるために、お茶・スポーツドリンクや食塩・梅干をもってくるように指示した。たしか県の教育委員会からだと思うが、文章で熱中症の予防や発症したときの対策について書かれたものが回ってきた。過去に、部活が終わって家に帰る途中で、突然倒れてそのまま死んでしまった生徒がいたという。  

 熱中症を学校はとても警戒しているが、水分だけでは熱中症は防げないことは生徒も知っていた。テレビ番組の「ためしてガッテン」でも放送されていたが、汗で失った水分と塩分は、水分だけ補給しても、その水分は吸収されずに尿として体の中に留まらずに出ていってしまう。からだのメカニズムとして、体中の塩分濃度を一定に保つことのほうが、水分量を確保することより優先順位が高いのだ。だから体内と同じ塩分濃度になるように、水分と同時に塩分もとらなくてはならない。  

 熱中症は、暑さになれていない人が、突然暑い環境の下で働いたり運動したりすると、とても危険である。普通は汗を少しずつかくことで皮膚の上で汗が蒸発していき、気化熱によって体の熱を放出する。ところが暑さに慣れていないと、体に熱がこもっているのに、汗が出てくるように脳が指令を出さない。脳があわてて汗が出るように指令を出しても、熱を多く逃がそうとして大量に汗をかいてしまう。そうすると汗の量が多すぎて皮膚の上で蒸発しないので、気化熱による体からの熱の放出はなくなってしまうのだ。  

 部活で生徒の様子を見ていると、汗のかきかたに個人差があることがよくわかる。汗を普通にかいている生徒もいれば、暑いのに汗をまったくかいていない生徒もいる。汗をかいていない生徒はだいたい動きが鈍い。  

 大丈夫かどうか声をかけてみる。大抵は大丈夫と生徒は言うが、一応何かあるといけないので日陰で休ませた。  なんとか生徒達が熱中症にならずに秋を迎えたが、紫外線の対策については学校側としてはなにもしなかった。部活を行っている時間帯は、午前中の8時半から1時半までである。紫外線が最も強く降り注ぐ時間に、紫外線を大量に浴びることになる。  

 サッカー部なので、野球部のように帽子を被ったり、袖が長いユニフォームを着たりすることがない。常に半袖短パンだ。みんな顔や腕、足が黒く焼ける。生徒の中には、日焼け止めをしっかり塗って練習に参加している人もいたが、親の方で関心がない限り、何も生徒に対して対策をしていない。  

 文部省や各教育委員会が、すべての問題に対応してくれるわけではない。  「そんなこともしていないのか」と言われた時点で、何か対策を取り始めることが私にできるのか? そう思いながら、生徒と共に時間をすごした夏休みだった。      

(中学教師)


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ガンの疑いで散々な目にあった

織田裕一

 「膀胱ガンの疑いがあります」。そう医者から告げられた時、私は目の前が真っ暗になった。「オレはもう死ぬんだ」と思い込んだ。「死ぬんだ、死ぬんだ」と心の中で何度も呟いた。医者がなにやら話しかけているが、うわの空である。「すぐに検査しましょう」と医者に強く促されるままに「はぁ」と答えて、やっと我に帰った。  

 私には幾つか持病がある。その一つが悪化して泌尿器科に通院していた。尿検査を毎回するのだが、ある時どういうわけだか血尿が出たのだ。医者が言うには、血尿が出た時には炎症や尿路結石そしてガンの可能性を疑うのが常識だそうだ。そこで造影剤を使ってのレントゲン検査で、結石の有無を調べることになった。結果は結石ではないということで、ガンを疑われた。  

 検査室で検査着一枚で診察台に寝転がっていると、暗澹たる思いになった。せめてもの救いは少し前にガン保険に入っていたことだ。まさかこんなにも早く利用する破目になるとは、などと思っていたら看護士がやって来た。内視鏡検査をするための「麻酔をします」とのことだ。ゼリー状の麻酔薬を尿道に注入するのである。尿道はとても敏感な部分なので麻酔なしでは検査ができない。つまりメチャクチャに痛いということだ。  

 さらに痛み止めの注射を打たれ、抗生剤の点滴を受けながら、しばらく待たされた。待たされると不安がどんどん大きくなる。  

 「このまま死ぬのかなぁ」「やれやれだなぁ」などと、我が身の不運を嘆いていたら医者がやって来た。「検査を始めます。楽にして下さい」と言われても「そりゃ無理でしょうが」と思った途端に、物凄い痛みが下腹部に走った。内視鏡が尿道に入ったのだ。思わず「痛え」と大声が出た。麻酔が効いてないのかと疑ったほどだ。  

 膀胱に水を入れながら内視鏡で覗くわけだが、その作業を2回繰り返して検査終了となった。  「ガンはありませんでした」と医者に告げられた。私は「はぁ」と答えた。「そんなに痛くなかったでしょう」と医者。「はぁ」と私。  

 痛みのショックで私は精魂尽き果てていたのだ。喋ることすら億劫になっていた。「死ななくていいんだな」と思ったけれど、そんなに嬉しくなかったのは痛みのせいだったのだろうか。とにかく呆れるぐらい散々な一日だった。  

 その後、腎臓のCT検査までしたが「異常なし」ということで、なぜ血尿が出たのかは不明である。「ストレスのせいだろう」と私は勝手に納得することにした。  

 それから程なくして帯状疱疹になった。去年に続いて2回目である。立て続けになるのは珍しいケースだそうだ。前回は腹だったが、今回は頭だ。  

 「脳にウイルスが入ると危険ですから気をつけて下さい」と医者に言われた。  「来年こそ良いことがありますように」と誰に祈ればいいのだろうか。      

(フリーター)


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(2005年11月5日発行 『SENKI』 1194号6面から)


http://www.bund.org/culture/20051105-1.htm

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