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無知の罪は我々の方にある
http://www.asyura2.com/0505/idletalk14/msg/526.html
投稿者 馬場英治 日時 2005 年 8 月 16 日 10:42:37: dcAX/x0KhXeNE
 

(回答先: 補足をかねてのレスですが、ご査収のほどを。 投稿者 如往 日時 2005 年 8 月 16 日 03:00:23)

>  馬場さん、いつもレスをありがとうございます。
>  今回は補足をかねて少しのレスですが、ご笑覧ください。

ありがとうございます.

>  確かに若い世代の有り様から隔世遺伝的に先祖返りしているような印象を受けるこ
> とはあります。特に70〜75歳代の人達の子供世代(現45〜50歳代)と孫世代
> (現20〜25歳代)にそれを感じます。彼等と仕事以外の話しや世界観や歴史観に
> ついて語リ合おうとするとき、しばしば恰も屋上屋を架すようなもどかしい思いにさ
> せられることがあります。我々団塊の世代の子供達も既に30歳に近くなりますが、
> 時代的感覚的な捉え方に隔たりがあるのは仕方がないとしても、元来双方が理屈っぽ
> いためにその点ではコミュケーションが難しいと感じたことはありません。しかしな
> がら、隔世遺伝的に先祖返りしている世代の人々と連帯するにはどのようにしたらよ
> いのか、難問です。

私は,一番上が小5のとき離婚していますが,そのときの友人宛ての手紙に「子ども
たちには大きなおにぎりを持たせてあるからその点に関しては不安はない」と書きま
した.実際,比較的最近子どもたちと再会することができたのですが,私たち(子ども
と私)の間にはまったく断絶を感じるところはありませんでした.同様のことは,知人・
友人の子どもたちからも感じているところです.これはある種の情報遺伝子ですから,
相当長い時間かかっても識別できる様態(縞状)で存続するのではないでしょうか?

>  68年頃でしたかはっきりとした記憶ではないのですが、学内から追い出された原
> 理研(勝共連合)の活動家達が街頭で反共プロパガンダを繰り広げていました。その
> 頃は民青と同様に東大や京大は原理研の巣窟でした。余興のつもりで何度か彼等に論
> 戦を挑んだことがありますが、どう考えてみても整合性の微塵もない屁理屈を掲げて
> 強弁を繰り返している相貌に哀れみ以上のものを感じることができませんでした。

私の周辺にも原理研に染まった者はおりました.新左翼にもある種「非合理ゆえに我
信ず」のような面はあったような気もしますが,原理研の非合理性は常軌を逸してます
からね.ここまで大きな力を及ぼすようになるとはあの頃思っても見ませんでしたので,
個人の内面の問題として軽視してしまいましたが,大きな誤りだったと思います.一つ
重要な点は彼ら(原理研の上位ランクにいるものたち)は最初からこの「大陰謀」の仕
組みを知っていた(知らされていた)ということではないかと思います.もし,そうである
とすれば,無知(の罪)は我々の方にあったということになります.

>  けれども、共産主義に纏わる諸々を歴史博物館に収蔵してしまうこと等は、使う向
> きは間違っていても頭のよい連中が多かった原理研には朝飯前のことであったので
> しょう。差し詰め、ハーバーマスは博物館の学芸部長ということになるのかも知れま
> せん。

確かに勝共(原理研)には頭のよい連中がかなり入ってますね.時に世界日報の記
事も読みますが,新鮮な情報を手際よく調理しているのに感心することがあります.
もちろん青焼きの一部が手元にあるのなら,現象ともっとも整合する説明ができる
のも不思議はありませんが...

>  彼の妻が筋金入りのナショナリスト(=ナチス党員)であったことも少なからず影
> 響していると想われますが、フライブルク大学総長時代のハイデガーがナチス(体
> 制)側であったことは確かです。その時代のことをハイデガーは戦後も黙したまま封
> 印し続けました。愛弟子であり、長年の恋人でもあったユダヤ人のハンナ・アーレン
> トによる批判は観掛け上では婉曲なものに止まっていますが、著書『人間の条件』や
> 『全体主義の起源』の紙背に隠された心情は第三者には本音が汲み尽くせぬほど辛辣
> にハイデガーの心には響いたのではないでしょうか。けれども、アーレントとは20
> 歳ほどの年齢(とし)の差があり、哲学の師でもあった晩年のハイデガーがそれをど
> のように受けとめていたのか、二人の往復書簡を読んでみても具には伝わって来ませ
> んでした。

名前からしてコチコチの哲学者と思ってましたが,実像はかなり違うみたいですね!

>  馬場さんにとってハーバーマスは既知ではないかと想っていましたので少し意外で
> した。私などは社会主義の正統的で最後の擁護者がハーバーマスではないかと思って
> います。あくまでも社会主義体制における自由なコミュニケーションの可能性の探究
> がハーバーマスの主題だったと理解していますので、『コミュニケーション行為の理
> 論』(ハーバーマス)は「いずれ,私は何かを宗教の代替にしようという発想にはあ
> まり賛同できません.」(馬場さん)を裏打ちするものとして一面では一脈も二脈も
> 通じているのかも知れませんが、馬場さんのアプローチとハーバーマスのそれとがど
> のように符合するのか現時点では弁別ができてはいません。

私はお恥ずかしながらほんとに本を読んでません.少なくとも四半生(15年)は肉体労
働の世界におりましたので.レヴィ・ストロースのパンセ・ソバージュ(野生の思考)では
ありませんが,私の思考などはまるきり道端に落ちた種からたまたま自稔したものです.
私が書きたいと夢想したものはほとんどハーバーマスの本の中に既にあると思います.
もちろん「車輪を再発明する」必要はありませんので,大変有難いことです.

>  例示が不適切でニュアンスがうまく伝わらなかったかも知れません。多様性を許容
> することが生存の可能性を高めているといった意味での建設性ですので、断じて強制
> 選択が先行するものではありません。

遺伝子の中にあらかじめ埋め込まれた冗長性のようなことでしょうか?

>  何よりも我々は当事者意識に目覚め、当事者能力の所在を確認することから開始し
> なければならないでしょう。そのように人々を啓蒙していくような求心的存在はやは
> り必要かも知れません。けれども、エクソダス(「脱米自立」)の行程は不明、かつ
> 道は遥か遠くに続いていくような気がしてなりません。この辺りについては、馬場さ
> んには今後ともご教示のほど宜しくお願いいたします。

今回の選挙戦のカオスなどを見ているとほとんど何が何だか分からないと言ってもよい
状況であるような気がします.遠くを見通すことがまず必要です.また相反するようです
が,ぷち姉が強調された腐敗を識別する鋭い臭覚も必要だと思います.しかし,何より
重要なのは,人間を信じることではないかと思います.幸い私にはごくわずかながら,
100%信じることのできる友人たちがいます.もちろん人間ですから裏切られる可能性
はゼロではありませんが,そのとき私は地球全体を捨てても特に惜しいとは思いません.

もちろん,神を信じることができればこのような回りくどい説明は一切不要になってしまい
ます.私は「神」の実在を知っていますが,少なくとも当面「神」は人類史に干渉する可能
性はないと考えています.(もし私が「神」だったとしても,ちょっと手を出す気分にはなれ
ませんね) 従って,人間は人間の問題を自立して解くしかありません.

>  何を「公共」として定めるか、どのようにして「公共」性を担保していくかという
> 問題は重要です。しかし、それ以前に日本人には在来の「公」の概念を一旦解体し、
> そこから再構築をしていく手続き(プロセス)が必要ですし、そのためにも「公共
> 性」を中核概念にして公共哲学をさらに深化させていくことが肝要と考えています。

「公の概念を一旦解体し」というのが生体解剖になってしまうのではないか?という危惧
を感じます.私の場合,「公共性」というのはほとんど「身体性」という言葉で置き換え可
能ではないかという気もしているのですが,もしそうであるとすれば逆に如往さんの強調
される「マトリックス」と位相同型になってくるような気もするのですが.まだあまり熟して
いませんが,あえて申し上げれば,「身体性+正義・公正」というのが私の「公共性」と
言っているものに一番近いような感じがします.身体性の中にはもちろん大気・水・土壌
などが含まれています.正義・公正というのは,一般に倫理と言われるものです.私が
「経済共同体」と呼んでいるのは,このような意味での「身体性」です.

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