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中世における八女点描(1)−−ミュータント・ホリエモンをはぐくんだ隠れ里
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投稿者 竹中半兵衛 日時 2005 年 8 月 27 日 08:50:23: 0iYhrg5rK5QpI
 

中世における八女点描(1)
http://www.wing8.com/dcity-yame/kurashinojiyoho/200110/con01.html

森 山 靖 章

一、蒙古襲来
 今年八月、NHKテレビの大河ドラマ「北條時宗」は蒙古襲来というクライマックスの場面を迎えました。
 申すまでもなく、一二七四(文永十一)年の文永の役と、七年後の一二八一(弘安四)年の弘安の役との二度にわたる蒙古襲来で、まさに国難であったわけで、八女地方からも当時の豪族武士が馳せ参じ活躍をしています。
 また文永の役の後、再度の元軍の襲来に備えて、鎌倉幕府は九州の豪族武士に命じて、博多付近の海岸に石築地と呼ばれる石塁を築かせました。東は香椎から西は今津、柑子岳まで二十粁を超える長さでして、国別に築造場所を割り振りました。八女はもちろん筑後国に属しますので、博多庄浜地区(現在の天神地区)を担当したようです。
 その築造に参加したことが判っている豪族武士は、筑後の国では十一氏の名前が挙げられていて、八女地方では黒木、星野、河崎の三氏となっています。そのそれぞれの本拠地は、黒木氏が上妻郡黒木荘木屋村(現、黒木町木屋)、星野氏が生葉郡星野村(現、星野村十籠)、河崎氏が上妻郡川崎村(現、八女市山内)です。因みに三氏とは言っても、星野氏も河崎氏も黒木氏の分家でして元々は同じ黒木氏なのです。
 予想に違わず、七年後の一二八一(弘安四)年に元軍は遣って来ました。所謂、弘安の役でして、軍勢は文永の役では軍船(計画数)九〇〇隻、軍兵二万八〇〇〇人だったものが、軍船四四〇〇隻、軍兵十四万人に膨れあがって、東路軍と江南軍の二軍に分かれて侵攻してきました。
 まず東路軍(九〇〇隻、四万人)は五月、現在の韓国の慶尚南道を出発し、対馬・壱岐を攻め、六月六日に博多湾にやってきましたが、前に述べた石塁が威力を発揮したことや、わが軍の激しい防戦によって上陸することが出来ませんでした。
 他方、江南軍は七月に平戸島付近で東路軍と合流した後、鷹島に移動しましたが、暴風雨に見舞われて、閏七月一日潰滅的な打撃を受けました。
 その後、わが国の防備体制も鎮西探題が九州に設置されるなど継続されました。最終的には、更なるわが国への遠征計画も一二九四(永仁二)年のフビライの死去によって実現しませんでした。

二、鎌倉幕府の滅亡と南北朝の内乱
 二度にわたる蒙古襲来を排除することが出来たものの、平穏な時代の到来は望めませんでした。
 元々基盤が強固でなかった北條執権が支配していた鎌倉幕府は、元寇の際の恩賞についての不満や異国警固番役や石築地築造・修理の負担などの問題もあって、京都では後醍醐天皇を中心とする討幕計画が進み、幕府方の足利尊氏や新田義貞などの有力な武将が複雑に絡みあって争いが繰り返され、一三三三(正慶二、元弘三)年五月には鎌倉幕府が終焉を迎えることとなりました。
 その僅か三年後の一三三六(建武三、延元元)年六月には、足利尊氏が光厳上皇を奉じて京都に入り、八月光明天皇を擁立し、他方、後醍醐天皇は十二月吉野に移り、朝廷が吉野の南朝と京都の北朝とに分立する所謂南北朝時代が始まったのです。
 以後、約六十年間、全国的な内乱が続くことになりまして、八女地方が南朝方の九州における一大拠点となり脚光を浴びることになったのです。
 一三三八(暦応元・延元三)年、後醍醐天皇の皇子、懐良親王(「かねよし」とも読む)は、後醍醐天皇から征西将軍に任じられ九州へ下向してきました。親王がまだ幼かったこともあって、十二人の公卿が同行してきましたが、そのなかの主要メンバーが五條頼元で筑後五條氏の祖であります。以後、八女の地に土着し武家として存続したのです。
 ところで話がずっと飛びまして、ちょうど今から四十年前の一九六一(昭和三十六)年に私(筆者)は、黒木町大渕の五條家を訪問したことがあります。目的は、五條家秘蔵の文物について、ある会社の社内報に書こうと思ったからでした。どちらかと言えば、写真主体でして記事そのものは少なかったのですが、五條家を中心としたものではあるものの、当時の南北朝時代の動向を簡潔にまとめていますので、次号にそのまま再録することにします。
(福岡中央銀行会長)

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