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「痛みなぜわからん」「漁民を殺す気か」 怒りの原告・支援者(西日本新聞) 
http://www.asyura2.com/0505/ishihara9/msg/112.html
投稿者 シジミ 日時 2005 年 5 月 16 日 20:28:09: eWn45SEFYZ1R.
 

(回答先: 諫早湾干拓事業、工事差し止め取り消し 福岡高裁(朝日) 投稿者 どん兵衛 日時 2005 年 5 月 16 日 15:48:40)

http://www.nishinippon.co.jp/img/news/gougai/g050516.html

■諌干工事再開認める 佐賀地裁の決定取り消し 福岡高裁が逆転決定

国営諫早湾干拓事業(長崎県)の工事差し止めを命じた佐賀地裁の仮処分決定について、国が取り消すよう求めていた抗告審で、福岡高裁(中山弘幸裁判長)は十六日、「事業と漁業被害の関連性はあると疑われるが、証明はない」として国の主張を認め、佐賀地裁の工事差し止め決定を取り消す逆転決定を出した。国側は今後、約九カ月ぶりの工事再開に向けて準備する。ただ、決定は漁民側が求めていた排水門の中・長期開門調査に言及し「九州農政局は、中・長期開門調査を含めた有明海の調査・研究を行う責務がある」と国に有明海異変の解明の対応を促した。
 漁業者側は高裁決定に対し最高裁への抗告は申し立てないが、排水門の開門を求める新たな訴訟を佐賀地裁に起こす方針。国側は二〇〇六年度中の工事完了を目指しているが、事業と漁業不振との因果関係に関し、国の公害等調整委員会の裁定が近く出る見込みで、なお曲折も予想される。

 決定は「工事差し止めを認めるか否かは、証明に近いものが要求される」と漁業者側に厳格な立証を要求。その上で「工事と漁業環境悪化の関連性を否定できないが、複合的な原因の一つとして、工事が漁業被害をもたらす可能性があるという程度にとどまる」として、漁業者側の主張を退けた。

 国側が抗告審で「行政処分を仮処分の対象から除外した行政訴訟法の規定に違反し、請求自体が不適法」と主張した点については「工事は埋め立てという事実行為に過ぎないから、行政処分には当たらない」として国の主張を退けた。

 昨年八月の仮処分決定で佐賀地裁は、事業と漁害被害との法的因果関係を認定。「漁業被害は深刻で、事業全体を再検討し修正することが肝要」と国の姿勢を批判した。国側は「因果関係を認める科学的根拠がない」などとして、同地裁に異議を申し立てたが退けられたため、福岡高裁に抗告。四月二十五日、第一回審尋を開き、即日結審していた。

■「痛みなぜわからん」「漁民を殺す気か」 怒りの原告・支援者
 午前十一時すぎ。裁判所の玄関先に集まった漁業者や支援者三百人の前に、馬奈木昭雄弁護団長が姿を現した。その表情が険しいのを見て、不安げな表情を見せる漁業者。「残念ながら、私たちの申し出が受け入れられなかった。実にけしからん判決だ」。ハンドマイクを握った馬奈木団長が怒気をこめて説明すると、ため息が漏れ、その後は「漁民を殺す気か」「なぜ、われわれの痛みを分からんのか」などの声が響いた。

 福岡県柳川市のノリ漁業、石川誠さん(38)は「漁獲高が急激に落ちておおり、それを肌身で感じている。佐賀地裁も認めた干拓事業による漁業被害をなぜ、ひっくり返すのか」。昨年、沿岸では漁業者の自殺や無理心中が起きているといい、「裁判所は、漁業者の苦しみを分かっていない」と声を荒らげた。 佐賀県川副町の川崎直幸さん(55)は「有明海に足を運ぶなど漁民の意見を十分に聞くことなく、裁判所がこんな判断をするとは、残酷すぎる」。佐賀地裁の異議申し立ての時点から、国は高裁を勝負どころとみているとしていると弁護団から聞いており「不安はあったが、国に偏った判決が本当に出るとは。もう、信じられない」と悔しがった。

 裁判所には、長崎県からも漁業者が足を運んでいた。同県有明町の篠塚光信さん(46)は「地元からも、漁業被害の声を上げなければと訴訟に参加している。私たちは海にすがりついていくしかない。闘いは続ける」と絞り出した。

 原告弁護団は、今後も司法の場や国の公害等調整委員会の裁定などで戦っていく方針を示した。最後は、漁業者や支援者で「頑張ろう」と声を掛け合った。二〇〇〇年度のノリ不作から四年。漁業を続けながらの裁判闘争も約二年半となった。原告らにとっては、佐賀地裁で見えた光が、また遠のいた。「痛みをわかってほしかった」。漁業者たちの失意をよそに、巨大プロジェクトが再び動き出す。

■国営諫早湾干拓事業
 長崎県の諫早湾奥部を全長約7キロの潮受け堤防で閉め切り、農地(約680ヘクタール)を含む干拓地(約816ヘクタール)と調整池(約2600ヘクタール)を設ける事業。調整池は低平地を高潮や洪水から守る防災機能の強化が目的。1989年着工。97年に潮受け堤防が閉め切られた後の2000年度に大規模な赤潮が有明海で発生、養殖ノリが大凶作になった。漁民は干拓事業との関連を調べるため、排水門の中・長期開門調査を求めたが、農水省は04年5月に見送りを表明。総事業費約2533億円。進捗(しんちょく)率は事業費ベースで約91%(03年度予算分まで)。

■諫早湾干拓事業と差し止め訴訟の経緯
1952年 食糧増産目的に長崎大干拓構想浮上
70年 長崎南部地域総合開発事業(南総)に衣替え
82年 佐賀、福岡、熊本の3県漁連の反対で南総計画を防災重視の国営諫早湾干拓事業に変更
89年 諫早湾干拓事業着工
97年 潮受け堤防閉め切り
99年 潮受け堤防完成
2000年12月 有明海沿岸でノリの色落ち被害発生
01年2月 農水省が有明海ノリ不作等対策関係調査検討委(第三者委)設置。
  漁民の抗議で工事を中断
12月 第三者委が堤防排水門の短期、中期、長期開門調査を提言
02年1月 工事再開
4月 短期開門調査開始
11月 有明海沿岸の漁業者らが工事差し止めを求め、佐賀地裁に提訴。同時に仮処分も申請
03年4月 原告の漁業者らが国の公害等調整委員会に原因裁定申請
04年5月 農水省が中・長期開門調査見送りを正式表明
8月 佐賀地裁が工事差し止めを命じる仮処分決定。農水省が仮処分決定に異議申し立て
05年1月 佐賀地裁が国の異議を退ける
  国が福岡高裁に抗告
3月 公害等調整委が結審
5月 福岡高裁で仮処分の抗告審決定


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