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★ 判決が主張する「公共の利益」のためなら、なぜ「都民のオアシス」高尾山を迂回しないのか？
高尾山ほどに豊富な自然が都心から近いところに残るのは、奇跡とも言えるものを。
首都圏の外環を通る「首都圏中央連絡自動車道」（圏央道）の建設で自然環境が破壊されるとして、土地収用の対象となった東京都八王子市内の住民らが、国土交通相による同市内の区間の事業認定の取り消しと、都収用委員会による八王子ジャンクション（ＪＣＴ）建設予定地の土地収用裁決の取り消しを求めた行政訴訟の判決が３１日、東京地裁であった。菅野博之裁判長は「事業による騒音や大気汚染は相当な不利益だが、環境基準内に収まっている。都心の交通渋滞緩和などの公共の利益の方が不利益を上回る」と述べて請求を棄却する住民側敗訴の判決を言い渡した。
問題となった区間は、八王子ＪＣＴ〜あきる野インターチェンジ（ＩＣ）のうち約５．４キロ。「都立高尾陣馬自然公園」や国指定史跡の「八王子城跡」の下をトンネルが貫通する。
訴えていたのは、収用対象となった山林の所有者、その支援のために土地を賃借したり、立ち木を購入したりした市民ら計約１０００人と、七つの環境保護団体。
原告側は、工事でオオタカが営巣放棄した▽圏央道が建設されれば深刻な大気汚染や騒音被害が起きる▽圏央道は都心の渋滞緩和の役に立たない――と主張。国、収用委側は、工事はオオタカの営巣に影響を与えていない▽大気汚染や騒音の予測値は環境基準を下回っている▽圏央道は首都圏の慢性的な渋滞を緩和するのに必要――と反論していた。
圏央道をめぐっては、今回の区間の北側、あきる野ＩＣ付近についても住民らが同種訴訟を提起。東京地裁の別の裁判部が昨年４月、圏央道自体の必要性に疑問を呈して住民勝訴の判決を言い渡し、現在、控訴審で審理が続いている。
2005年05月31日15時17分
■ 高尾山訴訟は住民側敗訴／圏央道の事業認定適法【四国新聞】
圏央道建設をめぐる行政訴訟の判決で東京 地裁に向かう原告ら＝31日午後、東京･霞が関 |
首都圏中央連絡自動車道（圏央道）建設に反対する東京都八王子市の地権者１人と周辺住民ら約１０００人、自然保護団体などが、高尾山周辺の建設をめぐり国の事業認定と、都収用委員会の土地収用裁決を取り消すよう求めた行政訴訟の判決で、東京地裁は３１日、原告側の訴えを全面的に退けた。
原告側は控訴の方針。
判決理由で菅野博之裁判長は「事業で騒音と大気汚染がもたらされる恐れがあり、住民にとって相当な不利益だ」としたが、「いずれも環境基準以内」と指摘。「圏央道によってもたらされる都心部の渋滞緩和など、公共の利益が不利益を上回る」として事業認定を適法と判断した。
2005/05/31 16:37
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。