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朝日の取材資料問題:自民が取材拒否、異例の機関決定 問われる「知る権利」
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投稿者 ニッテラン 日時 2005 年 8 月 02 日 15:23:10: 0hSGmWfJ5FGu2
 

(回答先: 自民党:朝日に取材制限 社内資料が月刊現代掲載の疑いで(毎日新聞) 投稿者 熊野孤道 日時 2005 年 8 月 01 日 21:34:48)

朝日の取材資料問題:自民が取材拒否、異例の機関決定 問われる「知る権利」
 ◇「強圧的」自民に批判−−朝日は事実解明、急務

 従軍慰安婦を扱ったNHKの特集番組に絡み、朝日新聞がNHK幹部を取材した際の証言記録と酷似した内容が1日発売の「月刊現代」に掲載された問題で、自民党は朝日記者に対する事実上の取材拒否を役員会で機関決定するという極めて異例の措置を取った。識者からは、取材の際の録音テープの有無を明らかにせず、取材資料の流出疑惑まで招いた朝日の対応に疑問の声が上がる一方で、自民党の取材拒否に対しては「強圧的で、知る権利や表現の自由に対する挑戦だ」と強い批判が出ている。【NHK・朝日新聞問題取材班】

 「わが党の国会議員が不当、卑劣な方法による取材で、被害を受けることがないように、自粛してもらうこととした」

 武部勤幹事長は1日の記者会見でそう説明した。事実上の取材拒否を解除する時期について、武部幹事長は「朝日新聞がこれからいろいろと調査をする。我々は状況を見守りながら判断したい」と話すにとどまった。

 その1時間前、自民党の「朝日新聞の問題報道に関する調査プロジェクトチーム」座長の佐田玄一郎衆院議員が記者会見した。7月29日に朝日新聞が会見し「取材資料が流出した可能性が高い」と公表した点について、佐田座長は「流出したことへの謝罪もなく、やらせとしか感じられない会見。腹立たしい」と厳しい口調で批判した。

 さらに、朝日による松尾武元NHK放送総局長への取材に対して「だまして、隠れて無断で記録し続けた模様だ」と指摘し、朝日記者が「隠れてとるというのは佐田座長または自民党の認定であって、私としては認めることはできない」と反論する場面もあった。

 朝日新聞は7月29日の緊急記者会見で、取材資料が月刊現代に流出した可能性が高いことを明らかにしていた。月刊現代の記事が、朝日記者が松尾武元NHK放送総局長や安倍晋三自民党幹事長代理、中川昭一経済産業相を取材した際の証言記録と酷似していたためだ。

 朝日は流出が事実かどうか調査中だが、もし事実であれば、紙面に掲載された以外の取材内容が外部に漏れたうえ、他メディアに掲載されるという、取材相手の信頼を大きく損ねる事態となる。メディア界全体に対する国民の不信につながりかねない問題をはらんでいる。

 朝日は昨夏、東京慈恵医大の補助金流用問題に絡み、取材相手の約束に反して無断で録音し、外部の第三者に録音したMDを渡した記者を取材倫理に反するなどとして「退社処分」とした。この際、記者倫理として「取材内容の録音は相手の了解を得るのが原則」との見解を掲載した。

 今回、朝日が録音テープの有無の存在を明らかにしないのは、この原則に縛られているためではないかとの見方がある。朝日で取材資料が流出する疑いが再び起き、取材・報道倫理が問われている。

 自民党のプロジェクトチームは「取材のやりとりを記録した取材資料があるということを世間に強調したかっただけの『やらせ』なのではないか」と朝日の組織的な関与を指摘している。

 朝日は「事実に反している」と反論しているが、こうした疑念を払しょくするためには、速やかな事実解明とその調査結果の公表が求められている。

 ◇「懇談」は本音に迫れる好機にも

 プロジェクトチームがこの日、朝日に提出した通知書は、公式の記者会見を除き、記者懇談や個別取材など、すべて自粛してもらうという内容。「記者懇談」とは自民党の場合、幹事長、総務会長、国対委員長などの幹部が複数のメディアの担当記者と行うもの。すべてがオープンで報道に特に制限がない「記者会見」とは取り扱いが異なる。各幹部と記者団との間であらかじめ「実名は出さない」などと取り決め、その場合、懇談での発言を報道する際には「自民党首脳」「自民党幹部」などの呼称が使用されることが多い。

 懇談での取り決めは、カメラを入れないだけで実名報道も構わない記者会見に近いものから、「一切の引用不可」となるものまでさまざま。概して「背景説明」(ブリーフィング)に属するものが多い。懇談は自民党だけでなく、首相官邸、民主党などの野党でも日常的に行われている。

 実名報道が望ましいのは当然で、懇談は政治家とのなれ合いにつながるとの批判もある。しかし、懇談には、「幹部」などと実名を伏せ発言者の特定を避けることで、カメラの前では言えない、その裏側に潜む新事実やより機微に触れる本音に迫れるとの狙いがある。

 ◇過去にTV出演「自粛」も

 政権与党の自民党が特定のメディアに対して取材を事実上拒否することは、公権力の行使を監視するメディアの役割を軽視し、国民の「知る権利」を不当に制約することにつながる。

 自民党のプロジェクトチームは2月の会見で「朝日に質問書を出したが、無回答に近い」と批判、記事を担当した社会部に対して「同程度の対応をする」と事実上、取材から締め出す考えを表明していた。今回の措置はその延長線上といえる。

 自民党は03年11月の衆院選で、テレビ朝日が民主党政権が誕生した際の閣僚名簿を詳細に報道したことなどを「政治的公平に反する」と批判し、幹部が同局番組への出演を自粛する事態に発展した。この動きは一般議員にまで広がり、同局は謝罪と幹部の処分にまで追い込まれた。

 一方、首相官邸は04年5月、小泉純一郎首相の北朝鮮訪問の際、日本テレビの報道内容を不満として、同局の同行取材の拒否を決めた。その後、世論の批判を浴びて撤回している。

 ◇権力かさにきた介入だ−−田島泰彦・上智大教授(メディア法)の話

 自民党は、月刊現代の記事に朝日新聞の担当記者が深く関与していたと断定調で言っている。事実と確認もされてもいないことを理由に取材拒否をするのは、権力をかさにきた報道介入の見本のようなもので、こうした自民党のやり方こそ批判されるべきだ。

 そもそも政治家の疑惑などを取材する際に無断でも録音するのはやむを得ない。テープがなければ後で言った、言わないになり、疑惑がうやむやにされてしまう。議院内閣制の日本では、与党は単なる政党ではなく、権力に準ずるものだ。与党こそメディアに監視される立場にある。

 朝日もそろそろすべてを明らかにすべきだ。そもそも東京慈恵医大の一件で、無断録音をすべて問題だと言ってしまったのが間違いだった。こうした取材で録音するのは当然なのだから、録音したことを認め、理由を説明すればいい。それくらいしなければ、権力を追い詰めることなどできない。

 今回のような自民党の対応を許してしまうと、調査報道そのものができなくなってしまう。

 報道各社はメディア全体に突きつけられた問題として、深刻に受け止めるべきだ。

 ◇テープ公表せず泥沼に−−大石泰彦・東洋大教授(メディア倫理)の話

 朝日新聞は当初から録音テープの存在の有無を明らかにすべきだった。私はテープは存在すると考えているが、今回のケースについては、無断録音であっても支持する立場だ。取材対象がNHKという情報の流通に責任を持つメディアの幹部であり、例外的に認められると考える。テープを公表し、広く議論すべきだったのに、組織防衛に走って泥沼の結果を招いてしまった。組織が官僚的になっているのではないか。

 テープを公表しないのは、朝日の取材にも何か問題があったからかもしれない。しかし、メディアの仕事とは、瞬時の判断を求められるものであり、失敗や間違いは常に起こり得る。問題は、間違いを犯した時にどう対応するかだ。そこに、新聞のクオリティーが問われる。第三者機関をつくって有識者に「お伺い」を立てるべきものではなく、自ら国民に経緯を明らかにすべきだった。

 自民党の「取材拒否」の対応も度量がなさ過ぎるし、プロジェクトチームの通知書の内容は「思われる」に終始し、言いがかり的で品格がなく、悲しくなる。権力を握る与党が、安易にメディアを選別すべきではない。表現の自由に対する認識を欠いている。

 ◇取材対応は与党の責任−−受信料制度や公共放送のあり方を議論する有識者の「デジタル時代のNHK懇談会」委員でノンフィクション作家の吉岡忍さんの話

 政権与党は、絶えずメディアの取材や監視を受けるのが民主主義の原則だ。たとえメディア側に落ち度があったとしても、自民党は取材に応じる責任がある。当事者である安倍晋三、中川昭一両議員が、この件で取材を受けないというのなら別だが、党の組織決定として取材自粛を求めるというのは理解に苦しむ。

 そもそも政治家ら公人は、メディアの取材を受けた場合、どのような形であれ発言が録音されていると考えるべきである。

 一方、これだけ注目を集めた問題の資料が、朝日新聞社内から外部へ流れた可能性がある、ということには奇異な印象を受けている。もし、月刊現代に内部資料が流れ、記事になったとしたのなら、朝日はその経緯を独自の努力で明らかにすべきだ。

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 ◇自民通知書要旨

 自民党の「朝日新聞の問題報道に関する調査プロジェクトチーム」が朝日新聞に提出した通知書の要旨は次の通り。

 1 講談社が発行する月刊現代9月号に魚住昭氏の「証言記録を独占入手」「NHKVS朝日新聞『番組改変』論争」「『政治介入』の決定的証拠」と題する記事を掲載している。

 魚住氏は、朝日新聞の2人の記者と松尾武・元NHK放送総局長、中川昭一議員、安倍晋三議員との取材内容を記録した「証言記録」を入手したとして、その「証言記録」の内容を記事中で紹介し、あたかも中川、安倍両議員が「政治介入」をしたことが明白であるかのような内容の記事を掲載している。

 引用されている「証言記録」の内容及び記事内容にはさまざまな重大な疑問点や明らかに事実に反する部分などがある。

 2 魚住氏は入手した「証言記録」の一問一答に補足を括弧書きで加筆しているが、朝日の担当記者が本件記事の執筆に協力しなければ客観的に記述できない部分もある。

 3 また、朝日の行った先月29日深夜の緊急記者会見にも極めて大きな疑念がある。朝日は、会見の席上、「なんらかの形で社内資料が出た疑いがあると思わざるを得ない」という趣旨を繰り返し強調するものの、重大な取材倫理違反となる無断記録や取材資料の流出については謝罪をしていない。

 4 朝日は、過去に数々の無断録音による取材不祥事を引き起こしている。

 しかし、本件記事によれば、被取材者(松尾氏)が記録を取られることを何度も拒絶しているところ、取材記者は被取材者に対してメモを止める振りをして被取材者を騙(だま)し、実は隠れて無断で記録し続けているようである。仮に本件記事に書かれているとおり、悪辣(あくらつ)非道な無断記録で入手した取材資料をもとにして新聞記事を作られているのだとすれば、朝日の報道機関としての存在資格も大きく揺るぎかねない大問題である。

 朝日自身取材資料が流出したおそれの高いことに言及しながらも謝罪をする意思がなく、また講談社及び魚住氏に対し何らの抗議や出版停止等の措置も取らず、かえって逆に講談社からコピー配布の承諾を素早く受けるなど、極めて良好な関係を有していることが看取される。緊急記者会見の目的は、資料流出の調査を行うということではなく、実は「なんらかの形で社内資料が出た疑いがあると思わざるを得ない」とあたかも取材のやりとりを記録した取材資料があるということを世間に強調したかっただけの「やらせ」ではないのか、朝日自身が今回の取材資料流出に深く関与しているのではないかという大きな疑念を感じる。

 5 当プロジェクトチームとしては、相当の措置を講じざるを得なくなった。

 朝日の取材資料流出及び月刊現代9月号記事の掲載に関する事実関係が明らかになるまでの間、朝日からの取材に対しては、公式の記者会見を除き、記者懇談や個別取材など、すべて自粛していただくはこびとなったので通知する。

 ◇「月刊現代」記事要旨

 1日発売の月刊現代9月号は、「『政治介入』の決定的証拠」「証言記録を独占入手」という見出しの記事を掲載している。著者はフリージャーナリストの魚住昭氏で、「松尾武・元NHK放送総局長らの『証言記録』を入手した。そこには、松尾氏らが朝日の取材に語ったことのすべてが記されている」と冒頭で記している。

 朝日新聞は7月25日朝刊に、見開き2ページの検証記事を掲載した。その中で、松尾氏や、安倍晋三自民党幹事長代理、中川昭一経済産業相らとの取材の際の一問一答を掲載しているが、月刊現代の記事は松尾氏とのやり取りを中心に朝日よりもはるかに詳細な内容を載せている。

 月刊現代の記事は、松尾氏とのインタビューは今年1月9日の午後1時から午後2時50分まで行われたと具体的な取材時間まで記したうえで、「(国会議員に)呼ばれて行かないわけにいきませんね」という記者の質問に松尾氏が「呼ばれて行かないとどうなるのか。ものすごい圧力。3倍、4倍の圧力です。放送中止になったかもしれない。(番組内容を詳しく)知らないのに誇大妄想に支配されて力でガンと押されれば本当に予算を通さないという話になる」などと、政治圧力の存在を明確に認める発言をしたことが強調されている。

 こうした経緯を踏まえ魚住氏は「現場の猛反対を押し切る形で通常より4分も短い40分版が放送された」と結論付けている。

 一方で、月刊現代の一問一答では、記者が「実はそこ(松尾氏と安倍氏らとの面会の場)に同席した自民党議員の話も聞いている。『あれ(安倍氏らの発言)は言いすぎだ。こんなひどいことも言っていた』とも言ってくれている」と話しかけ、松尾氏が「忘れた。そのときに誰がいたか覚えていない」と答えた場面もある。このやり取りについて、朝日の検証記事の一問一答は「同席した自民党議員の話を聞いている」と触れ、議員の言葉は掲載していない。さらに「注」として「この議員の記憶違いだったことが分かりました」と説明している。

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